受験生が大好きな大学への数学、
「一対一対応の演習」。
私の個人的見解では、大学受験数学の参考書の中でもトップクラスの良書と言えるのがこの一対一対応の演習です。
そして、
そんな良書と名高い一対一対応の演習を使う人も多いと思います。
そこで、
今回は一対一対応の演習の問題数、レベル、使い方などなどを紹介しようと思います。
目次
一対一対応の演習の概要
一対一対応の概要(=基本事項)を説明していきます。
一対一対応の演習 評判
やっぱり、一対一は有名なだけあってさぞかし良書だろう。
ということで、
amazonのランキング(数学)を見てみると、
Amazonランク | |
一対一対応 数学Ⅰ | 14位 |
一対一対応 数学A | 13位 |
一対一対応 数学Ⅱ | 12位 |
一対一対応 数学B | 9位 |
一対一対応 数学Ⅲ (微分積分) | 20位 |
一対一対応 数学Ⅲ (曲線・複素数平面) | 18位 |
※2020年2月現在のランキングです。
なんと!
Amazonランキング
平均14.666…位
数学の参考書でトップクラスに高いですね。
と言いたいですが、1年前は平均9位と相当な上位に一対一対応は君臨していました。
いったい、一対一対応の演習はどれだけ良い本なんだ!
実際、私が使ってきた参考書の中で1,2を争う抜群の良書であることは間違いないです。
一対一対応の演習 問題数
一対一対応の演習 | 例題 | 演習題 |
数学Ⅰ | 53題 | 50題 |
数学A | 54題 | 54題 |
数学Ⅱ | 83題 | 83題 |
数学B | 59題 | 59題 |
数学Ⅲ (微分積分) | 75題 | 75題 |
数学Ⅲ (曲線・複素数) | 36題 | 50題 |
※数学Bは例題・演習題ともに18題がⅠAⅡBの融合問題
※数学Ⅲ(曲線・複素数)は融合問題の演習題が多め
数学Ⅰの例題が53で、演習が50なのは、ミス入力ではないです。データの分析に演習題が付いていない分です。
数を見ればわかりますが、
基本的に1例題につき1演習というよくあるパターンです。
ちなみに値段は基本的に1100円(税抜き)、ⅡとⅢ(微分積分編)は1500円(税抜き)です。
ⅠAⅡBで498題、ⅠAⅡBⅢで720題です。
一日10題で1周するのに文系2ヶ月弱、理系は2ヶ月半です。4周すると、理系は1年かかってしまいます。
お値段も量も結構あります(笑)。だから、1冊ずつ買って順番に消化していく方が、財布にも心にもいいと思います。
一対一対応を6冊一気に進めようとすると挫折すること間違いなしです。
一対一対応の演習 レベル
前提レベル:共テ7〜8割
全統偏差値65
到達レベル:難関校合格
全統偏差値75
前提レベルとして、時間無制限なら共通テストは満点が取れる、という程度には基礎が完成していてほしいです。
全統模試で言えば偏差値60強に当たります。
つまり、
大学受験基礎(基礎問題精講や黄チャートなどなど)の参考書を完璧にしていて、基本解法はすべてマスターしていてほしいです。
逆に到達レベルとしては非常に高いです。
東京一工レベルでも、数学は受験者平均くらいになります。数学のせいで致命的ディスアドバンテージを負うことはもうないでしょう。
全統模試で言えば、偏差値70の壁をこえて偏差値75前後になると予想されます。
一対一対応の演習にある問題は
共通テスト~難関校レベル
です。
メインは中堅レベルです。いわゆる入試標準レベル。一対一対応の演習にも書いてありますが、
水準以上(Fランなどは除く)の大学で出題される10題をやさしいものから順に1,2,3,…,10として、主に4~7のレベル帯です。
一対一対応の演習より
難関校では「確実に取りたい問題」、中堅校では「差をつける問題」として出題される頻出解法が集まっています。
ここが完璧になると、後々ものすごく伸びます。
また、よくあるのが一対一による覚醒です。
青チャートやFocus Goldでの下積みでは、まだ駿台全国模試のような問題では歯が立ちません。しかし、一対一まで積み上げると、一気に解ける問題が増えるんですね。
だから結果として成績が急上昇する。
友達に一対一が終わった途端エグいくらい伸びた人が山ほどいました。
一対一対応の演習 特徴
(十人十色ってこと)
まず、一対一対応の演習は上級解法を習得するのが目的です。
それでは内容について、
単元ごとに問題がまとめられています。そして、単元の重要な公式や要点がまとまった『要点の整理』があります。
こんな感じ、
その後、問題が始まっていきます。
ページは
『例題』➡『前文』➡『例題の解説』➡『演習+ヒント』➡『演習の解説』
で進んでいきます。演習の解説は単元のおわりに書いてあります。
『前文』
前文ではその問題で使う公式、解法、ポイントを解説してくれます。これが結構タメになる!
普通の参考書だと、「そんなこと、どうやって思いつくんだよ」っていうこともあると思います。
前文には、どういう所に注目してその解法を使おうと思ったのか、も書いてあるので是非読んでほしいです。
『例題の解説』
解説じたいはたいしたことはない普通の解説です。しかし、扱う解法はエレガントなものが多く、どちらかと言うと数学好きな人向け。
そして、簡単な式変形は省略されることが非常に多いです。
上の画像はテーマが式の展開なので、式変形がしっかり書いてあります。
しかし、違うテーマの時は式変形なんかに場所は取っていられないとばかりに省略してきます。
右側の余白にはポイントや注目点が書いてあります。
『演習+ヒント』
演習は基本的に例題と同じor似た解法を使う問題です。同じテーマなら例題の解法を使わない問題もあります。
例題よりは難しいです。
難しいけれども、演習で例題でマスターした解法をアウトプットすることでより応用の効く解法となって、あなたの力になります。
本当に応用が効くようになります。多面的な見方をするので、そりゃあ、応用効くようになるよ、って感じです。
だから、絶対にやっておいた方が良いです。
『ヒント』は点線で囲ってある部分です。例題で言う『前文』を短くした感じです。ヒントを見るとかなり難易度が下がります。
『演習の解説』
こんな感じです。
中にはこのレイアウトが大嫌いな人がいますが、大学への数学の解説はは基本このスタイルです。
肌に合わないと思った人は↓の記事の「標準問題精構」でもいいと思います。
※ココから元の話に戻します。
ミニ講座&コラム
一対一の演習題の中には別解が2つも追加されているものもあります。非常にエレガントな解法もたくさん載っているので、熟読したいです。
単元末に『ミニ講座』や『コラム』があります。
『ミニ講座』は例題の前文で書き切れなかった重要な手法や解法を1~2ページでガッチリ解説しています。
ここは余裕のある人は是非読んでほしい。私は、必ず将来役に立つはずだと思っています。
『コラム』はほぼ趣味です。興味がある人にとっては面白いと思いますし、実は重要な部分です。
一対一対応の演習 使い方(ノーマル)
(この画像を使い方の部分にいれた理由は自分でもわからない)
<使い方>
- 例題を3周
- 演習題3周
- 例題と演習題を交互に4周
合計7周してください。
「他のサイトには5周でいいって書いてあったぞ」
「1周目で正解した問題やる意味なくね?」
いや黙って7周してください。
それで結果が出なかったら、この記事のコメ欄荒らして構いません。
よく勘違いしている人がいるんですが、
あなたはそんなに頭がいいのか?
自分で言うのもなんですが、宇宙人と称される理3合格者の私でもⅡは9周、それ以外は7周しています。間違いだけではなく、全問題です。
最後の方は答えも半分くらい覚えていましたが、正答率は98%になるまで、やりこみました。
参考書なんて可能な限り周回する方がいいに決まっているんですよ。
やればやるほどその解法の処理速度は上がり、解法に対する新しい理解も見えてきたりします。計算能力も向上し、他の問題にも好影響を与えます。
確かに効率は大事です。
一対一7周目にかける時間より、文系の良問プラチカの1周目にかける時間の方が実りあるでしょう。
ただ1つ見落としがあるんです。
解法のインプットを終えた人間に、もう大幅な成長はきません。
あとはアウトプットの練習。
覚えた解法をどう使っていくか、という思考力を鍛えていく形になります。思考力って、そんな簡単に伸びないですよね。
突然、すごい頭の回転がキレキレの人間にはならないですもんね。
だから、
一対一対応の演習の解法を習得していくという勉強は、あなたにとって数学の成績を大幅に上げる最後のチャンスなんです。
断言します。
一度プラチカに入った人間、一対一を卒業したと判断した人間は、もう一対一対応の演習の復習はできません。もししても表層的な学習に終わります。
もう脳が新たな知識は得られないと拒絶します。
後戻りできない勉強なのだから、死ぬ気で完璧にする。
それで結果が出るんだから、一度騙されたと思ってやってください。
<注意すべき点>
- 5分以上悩まない
- 前文や解説を熟読
- 例題を演習でアウトプットする意識
下手の考えやすむに似たり。
あくまで解法を学び、インプットする目的であることを忘れずに。
あなたが自力で解法を思いついて、新発見をする場ではないです。
だから1題につき悩む時間は5分まで。5分手が止まったら、解説を熟読して、頭で軽く再現して、次の問題に行きましょう。
また解法をただ暗記するだけにならないよう、できる限り前文のコンセプトや解説の細部も読み込みましょう。これは1周目だけでいいです。
理解を諦めないこと。
ただ常に「自力で解いてやる!」という意識は持ちましょう。「どうせ解説見ればいいし」とは思わないように。
また、
「例題で学んだことを演習でアウトプットするぞ!今度こそ自力で解いてやるぞ!」という気持ちで解くこと。
例題を先に3周する理由にも当たります。
例題と演習題を並行して解こうとすると、
- 元の問題に戻るまでの期間が長くなる
- 演習題でつまづきがち
という欠点があります。
1周する時間が長くなれば、当然前回その問題を解いた時に得た知見が失われやすくなります。
逆に、1周する時間が短過ぎれば、自分の思考や思い出す行為が介在するスキマがなくなり、解法の丸暗記に近づいてしまいます。
そこは個人差あると思いますので、適宜工夫を凝らせると学習効果は上がります。
また、演習題は例題に比べるとさすがに難しいので、同時に解いてるとおそらく演習題は全然解けない事態に陥ります。
そしてモチベを削がれます。
それよりは、例題を演習で発揮するスタイルの方が解法の定着、理解にはいいでしょう。
一対一対応の演習 他との比較
他の類似参考書と比較していきます。
標準問題精講
正直言います。
標問と一対一は差ないです。
レベル帯も問題数もほぼ同じ。
完全に好みですね。
人によっては一対一のあの縦割りレイアウトがどうしても気持ち悪くて、勉強がなかなか捗らないという人もいます。
まあそういう人は標問を使えばいいと思います。
特に基礎問題精講を使っていた人からしたら、レイアウトや構成が同じなので勉強しやすいとは思います。
チェック&リピート
これはレベル帯は一対一よりちょい下。
演習書になります。
いろいろな解法を整理して、体系立てながら習得していくには向きません。
ただ日東駒専などを受ける人が、基礎問題精講など網羅系の参考書を終わらせた後の演習教材として使うのはあり。
MARCH以上が志望校の場合は、迷いなく一対一に進むべきです。
一対一対応の演習 接続
一応、体系的に知りたければ上の記事を参考にしてください。
<一対一対応の演習の前>
- 基礎問題精構
- チェック&リピート
- 黄チャート
この中なら基礎問題精構がおすすめです。
一対一対応は基本的な問題の解法、の一段階上の解法を教えてくれます。
だから、
網羅系の基礎参考書で一通り学習していないと、いくら理解力に自信があると言っても厳しい部分があると思います。
<一対一対応の演習の次>
- 文系・理系の良問プラチカ
- やさしい理系数学
- 新数学スタンダード演習
- 上級問題精構
- 月刊「大学への数学」
新数学スタンダード演習は一対一と同系列なので使いやすいと思います。
一対一で得た解法を組み合わせたり、選び取って、それによって初見の問題を解いていく練習です。アウトプットの練習です。
私はプラチカと新数学スタンダード演習の2つがおすすめです。
まとめ
一対一対応の演習は絶対に良書です。難関校に必須の上級な解法をマスターできますし、エレガントな解き方も習得できます。
是非、一対一対応の演習で勉強して頑張ってください。
今日の名言
やる気があるときなら、誰でもできる。本当の成功者は、やる気がないときでもやる。
フィル・マグローアメリカの心理学者
受験勉強頑張ってください。