みんな持ってる青チャート。
みんな大好き青チャート。
誰かのバイブル青チャート。
いつか、近所の小学生が歌いだしそうなくらいですよね(笑)。
それくらい有名な青チャートですが、
多くの人は非効率な使い方をしています。
最初から全部順番に解く??
いつまでたっても終わりませんよ。
青チャートを1周するころには、全部忘れてしまいます。それでは結果も出ず、時間だけを浪費してしまいます。
今回は、
青チャートの特徴やレベル、そして効率的な使い方を紹介します。
一緒に青チャートを極めましょう。
目次
青チャートの基本事項
※これは2022年2月発売です。新学習指導要領に対応してます。
青チャートの問題数
どれも改訂版です。
例題 (=練習問題) | exercise 総合演習 | 合計 | |
数学ⅠA | 329題 | 293題 | 951題 |
数学ⅡB | 420題 | 269題 | 1089題 |
数学Ⅲ | 271題 | 299題 | 841題 |
問題量….
ⅠAだけでも全部やったら1000題弱あります。
いったいどうなってるんだ。
各々1000題近くあり、理系の人は3000題も解くことになりそうです。
普通にキチってます。
青チャートのレベル
青チャートのカバー範囲は
教科書~早慶
完璧にした場合の到達レベルとしては、
基本例題:教科書レベル
重要例題:共テ〜MARCH
章末問題:早慶
※重要例題は、基本例題以外の例題を総称して使ってます。
※章末問題は、Exerciseと総合演習のことです。
偏差値でいうと、45~70レベルの問題が載っています。
チャート研究所が公表している↓のレベルは、ほぼ正しいです。入試上級のド真ん中が東大ボーダーくらい。
問題数が多いわけですから、当然レベルの網羅性も高いです。
(逆に高くなかったらメリットない)
青チャートのメリット
青チャートのメリットは
圧倒的な網羅度
青チャート一冊で大学受験は乗り切れると言われるほどの、膨大な範囲をカバーしています。
だから本当に、
青チャート1冊(ⅠA、ⅡB、Ⅲで3冊だが)を完璧にすれば、東大でもボーダー点数はもぎ取るポテンシャルは手に入ります。
進学校でもよく採用されていて、医学部への圧倒的進学実績が有名なラサールでも日頃の宿題に使用されています。
「青チャート一冊でいい」
「青チャートさえ極めれば無敵だ」
という凄い安心感。
これが青チャートの唯一かつ最大のメリット。
青チャートのデメリット
青チャートのデメリットは2つで
①量が多すぎる
②難易度の差が激しすぎる
まず「①量が多すぎる」について。
普通に量が多すぎてやりきれない。
何度も復習して習得できなければ、結局やってないのと同じことです。「完璧にした参考書の数」が数学力です。
青チャートはその問題数ゆえに1周するのに膨大な時間がかかります。そのせいで、もう一度最初の問題に戻ってきた時には、全てを忘れてしまっているんです。
そして、「②難易度の差が激しすぎる」について。
青チャートには
「基本例題」「演習例題」「重要例題」という3種類の例題と、「Exercise」「章末問題」という単元末についている2種類の問題があります。
例題は
基本例題<<演習例題<重要例題
単元末問題は、
重要例題<<Exercise≦章末問題
でレベル別に分けられています。
ちなみに基本例題が教科書の例題くらいのレベルです。だから章末問題とかクソ×9くらい難しいです。
初見で行ったら100%青チャートにやる気を殺されます。殺傷力が半端なく高い。
つい先日まで教科書の例題レベルを解いていた生徒がいきなり、国公立の入試問題を解くんです。そんなんできるわけないじゃないですか。
まだ公式もままならないのに。
青チャートを頭から順番に解くってのはそういうことになります。
青チャートをはじめから順番に解いてはいけない理由
青チャートは先ほど話したように、参考書内でかなりのレベル差があります。
これが理由です。
参考書内で大きなレベル差があるがゆえに、順番に解いていくのは非効率になってしまいます。
例をだすと
野球初心者が、
- 「キャッチボール、素振り」
- 「150kmの球のバッティング」
を同時に練習するようなものです。
キャッチボールや素振りを始めたばかりの人が、150kmの球のバッティング練習してもほぼ無意味ですよね。
まず、バットが振れないと思います(笑)。ワンチャン、ボールが存在を確認できない。
まだ、基本がない人が応用をやっても身につかないです。
青チャートをはじめから順番に解いていけば、基本例題も演習例題も重要例題も、色々なレベル帯の問題を順番に勉強することになります。
まだ、基本例題レベルの問題をマスターしていないのに、重要例題をやっても、150kmの球をバッティングするようなもんです。
難しい例題は
まず、身に付きません。
そうすると、効率が悪いですよね。
前レベルをマスターするまでは、次のレベルの問題を解いても効果が薄いです。順番に一個ずつレベルを上げていくのが最短ルートです。
仮に、基本例題をまだマスターしていないとして、下のように勉強すれば、
基本例題→基本例題→演習例題
→演習例題→重要例題
オレンジ色の文字は全然身につかないでしょう。(演習例題の中にも、一部できるものもある)
多くの人は、「オレンジ色は解いただけで、解説を読めば理解はできるけど….」って感じになってしまいます。
この状態で勉強していても、オレンジ色を勉強している時間がほぼ無駄になってしまいます。
これが理由で青チャートを順番に解いていくのはお勧めできません。
段階的にレベルを上げるためには、前のレベルの問題を完璧にマスターする必要があります。
解法暗記は暗記じゃない
青チャートを完璧にするための方法として、みなさん一度は聞いたことがある「解法暗記」です。(聞いたことがない人は下の記事でサラッと読んでください。)
ただ多くの人は間違った解法暗記を行うので、自分では青チャートをこれ以上なく完璧に学習したと思っていても、思いのほか成績が伸びない事態に陥ります。
何が間違っているかというと、
解法暗記が丸暗記すぎる
問題とその答えをセットで覚えているだけになってしまうんですね。英単語帳の暗記みたいに。
そのため、
少し問題文が変わっただけで解き方がわからなくなってしまう。
例えば「アルミホイル」について。
ただこれを「おにぎりを包むもの」としか認識していない人は、冬に被災したとき体にアルミホイルを巻き付けようなんて思わないですよね。
普段なぜおにぎりをアルミホイルで包むのか。
それはアルミホイルが遮熱効果を持っているからです。
アルミホイルには「遮熱効果」という特徴があるから、「おにぎりをつつむ」という使い方ができるわけですし、「体に巻いて暖を取る」という応用も効くんです。
大事なことは、
解法の使い方だけを覚えるのでなく、その効果や特徴を理解した上で使い方を覚えておくことです。
青チャート
例題だけ完璧にする使い方①
多くの人は順番に解いていくのは非効率だと言いました。レベルごとに順番にマスターしていくのが大事です。
基本例題がまだ不安な人
⇒青チャートの使い方①。
基本例題はほぼ解ける人
⇒青チャートの使い方②
でやってみてください。
私的には青チャートは②で使うべきだと思ってます。
※一応1日あたりの勉強時間は1〜2時間を想定しています。
ではでは、使い方①の紹介です。
- 基本例題を3周
- 例題全体を4周
- 重要例題を3周
で合計7周しましょう。
目安期間は6ヶ月。
まず基本例題をあらかた完璧にした上で、基本例題の復習と重要例題の習得を同時に進めます。基本例題が完璧になったら、重要例題に集中して勉強しましょう。
ほんの些細な工夫かもしれませんが、モチベや学習効率に大きな影響を与えます。
基本例題の1周目は4題/日で、解法の理解に努めましょう。難しければ、解説動画を見ましょう。後で紹介します。
基本例題2〜3周目は8題/日で理解の抜けを確認しましょう。ここは、100%の理解が求められるレベルです。
それ以降は12題/日でとにかく高速化を図りましょう。次復習するまでに忘れないことが大事。
問題それぞれのやり方は、
- 問題を自力で解く
- 方針と解説を熟読
これで青チャートの例題は完璧になります。
ワンポイントアドバイス
おそらく青チャートを進めていくときに、
「全然意味分からない。」「解説がウンチッチ」「1例題やるのに30分かかる」
となってしまう人がいると思います。
そんな状態で進めるのは非効率。
質問できる人がいるのが理想ですが、先生や友達にはなかなか聞きにくいですよね。
そんなときは、
「スタディサプリ」
「数研Library」
を使いましょう。
「スタディサプリ」は映像授業。「数研Library」は青チャート用の解説動画が上がっています。
どちらも有料ですが、検討するのもよいかと思います。
「スタディサプリ」は今なら14日間無料体験なので、ぜひ試してみてください。
ちなみにスタディサプリ中心でやっていこうと思ったら、↓の記事もおすすめです。
「数研Library」も2020.3.6~5.6までは無料公開中です。ぜひ試してみてください。
青チャート
例題だけ完璧にする使い方②
①は青チャートで数学を学習していく人。どちらかというと初学者向けの使い方です。
でも、青チャートの基本例題くらいスラスラ解ける。コンパス3も初見で解けることも。
くらいの実力者なら①の使い方は非効率。
だって、既に習得済みのレベルを何度も解くことになりますからね。
そういう人は違う使い方をおすすめします。
その名も、
例題だけ高速周回法
やることは非常に単純です。ひたすら高速で青チャートの例題を周回する。
- 問題を解く
- 解説を読む
- 次の問題を解く
一問にかける時間は5分以内。分からないと思った瞬間に答えを読んで理解する。次の周回のときに解ければよい。
こんな感じでできれば
15例題 / 日
やるのに1.5時間くらいです。青チャートの例題を一周するのに約20日で終わらせてください。大体4,5ヶ月で7周が終わります。
そんなこんなで周回しまくってると、
2周終了:だいたい全部理解
4周目終了:8割は解ける
6周目終了:ほぼ全例題を瞬殺
4,5ヶ月ほどで例題を完璧にマスターできます。
ただ唯一の欠点は
最初から5割くらいは解けないとキツイ。
1問にかける平均時間は5分以内にしたいので、分からない問題ばかりだとどうしても間に合わない。しかも丸暗記っぽくなってしまう。
それでは精神的にもキツイし、丸暗記じゃあ応用力が付きません。
だから基本例題くらいは解ける実力者でないと、この使い方はできないんです。
「例題だけ」を死ぬほど極めてください。
青チャートの接続
<青チャートの前の参考書>
青チャートは教科書レベルから網羅しています。レベル的には前に参考書はいらないので、上の勉強法を参考にしてもらえればいいです。
ただ、それは学校の数学なら余裕をもってついていける人の話。学校の数学もままならない人は↓を
- スタディサプリ
- 高校とってもやさしい数学
- 初めから始める数学
青チャートを半分復習でスイスイ進めていきたい人は「基礎問題精構」をやってから使うと、スイスイ進みます。(←実体験)
<青チャートの次の参考書>
- 一対一対応の演習
- 文系の良問プラチカ
- 新数学スタンダード演習4・5月号
- やさしい理系数学
レベル的には、青チャートの次に実践系の問題集をやったら、OK。しかし、東大・京大志望なら「一対一対応の演習」を間に挟んだ方が良い。
エレガントな解法。上級解法も習得してから、実践系の問題集に行った方が得点は伸びるでしょう。
まとめ
ここまで書いてあれですが、私はアンチ青チャートです(笑)。
青チャートはレベルの範囲が広すぎて、効率が悪いです。本当に。
網羅性なら「Focus Gold」の方が高いので、安心感に浸りたいならこちらを使った方がいいです。
私は青チャートみたいな超網羅系をやるなら、基礎問題精構+1対1対応の演習のほうが良いと思っています。(すぐ上で紹介していた2冊です。)
進学校の人で授業進度が速い人はフォーカスゴールドもおすすめ。
最近赤チャートが改訂されて、完成度がMAXになっています。こちらもどうぞ。
青チャート1Aのリンクまた貼っておきます。
こっち青チャート2B
これ青チャート3C。