高1の数学で習う「背理法」。
高校数学では数学的帰納法と同レベルに嫌われる「背理法」ですが、実はとっても簡単。
みんな毎日「背理法」を使っているんです。
それをちょっと難しく言っただけ。
今回は「どんな馬鹿でもわかる」ように背理法を解説するので、安心してください。
この例と説明で分からなかったら、上野動物園のチンパンジーと一緒に一生を過ごしてくださいw
(それだけ自信があるのでw)
目次
背理法とは?
まず「背理法」とは何でしょうか。
まあ、難しく言えば
背理法とは、ある命題 P を証明したいときに、P が偽であると仮定して、そこから矛盾を導くことにより、P が偽であるという仮定が誤り、つまり P は真であると結論付けることである
ウィキペディア
背理法っていうのは、私の理解だと
「Yes」or「No」、2つの道がある。
「No」の道を進んでいくと、行き止まりが現れてしまい、進めなくなってしまった。(矛盾)
だから「Yes」の道を進むのが正解だったんだ!
そんな感じです。
「Yes」か「No」のどっちの道を進めばいいか分かれば、それで終了です。
「Yes」で進んでいくと、ゴールにたどり着くまでが長い。でも「No」は行き止まりが近い。
そんなときは「Yes」で長い間進むより、「No」ですぐに行き止まりについてしまえば、「Yes」が正解だったと分かる。
そんな状況のときに使います。
背理法の具体例を紹介
背理法の流れとしては、
Aを証明したい
↓
「Aでない」で話を進める
↓
矛盾
↓
「Aでない」は間違い
↓
Aが正しい
背理法の具体例① 俺のアイデア
「私は男性である」という命題を証明しよう。
背理法で証明する。
「私が男性でない」つまり「私は女性である」と仮定する。
しかし、私には男性にしかないはずの「アレ」が付いている。
よって矛盾。
「私は女性である」という仮定が誤りであった。つまり、「私は男性である」
(証明終)
別に引用したわけではないですが、見やすいので
今回の証明は「私は男性である」を直接証明することは簡単だったので、わざわざ背理法を使う意味はなかったですが、
たまたま思いついたのでw
すいません。急に下品なの思いついてw
一番最初に書こうと思っていたのは例②です。
背理法の具体例② よくドラマで見る
<状況>
A容疑者は「18:00まで横浜で友人のパーティーに参加していたこと」が分かっている。
そして殺人事件は18:50に八王子で起こった。
ここから「Aさんは殺人犯でないこと」を証明する。
背理法で証明する。
「Aさんが殺人犯である」と仮定する。
そうすると、Aさんは18:50に八王子にいる必要がある。
しかし、横浜-八王子は横浜線でも最低1時間かかる。つまり、Aさんが八王子に到着するのは、最短でも19:00。
18:50に八王子にいることは不可能。よって矛盾。
「Aさんは殺人犯である」という仮定が誤り。「Aさんは殺人犯ではない」
こういうの推理ドラマでよく見ますよね。コナンみたいな探偵漫画でもよく出てきます。
実は、みんな日頃から慣れ親しんでいる推理は「背理法」なんです。
背理法 証明問題①
「有理数=q / p」パターン
√2が無理数であることを証明しなさい。
√打つと見にくいので、写真で行きます。
今回のポイント「有理数は q/p(pは自然数。qは整数)」とおける。
ここでキーとなるのが「pとqは互いに素」。つまり、pとqは公約数を持たないわけです。(1は除きます)
(偶数)²=(偶数)
(奇数)²=(奇数)
だから(偶数)=x²のとき、xは偶数なんです。
pとqが公約数2を持ってしまうと、互いに素(公約数を持たない)に反してしまいます。
つまり矛盾です。
そして最後に決め台詞。
背理法 証明問題②
「有理数=R」パターン
「2+√3」が無理数であることを証明せよ。
途中の「左辺は無理数、右辺は有理数」となるとき、右辺は有理数の単純計算だけから成るわけです。
有理数の「和・差・積・商」だけから成るものは有理数です。
そしていつものように、矛盾。
「不条理」ってのは「間違い」ってことです。
背理法 証明問題③
恒等式パターン
x、yは有理数とする。
x+y√2=0のとき、x=y=0となることを証明せよ。ただし、√2は無理数である。
「x+y√3=0のとき、x=y=0」の反対は、
「x+y√3=0のとき、x≠0 or y≠0」
ですが、こんなに全体を否定する必要はないです。
「y=0」の反対は「y≠0」という狭い範囲で背理法を使ったわけです。y=0だとyで両辺を割れないので。
「y≠0」で矛盾が起きたので、y=0だね。
y=0だと、x=0になっちゃうね。
いつの間にか証明終わってた。
そんな感じ。
x+y√2=a+b√2
みたいなやつは、右辺を左辺に移行して
(x-a)+(y-b)√2=0
にしてしまえば、同じように解けますよね。「y-b≠0と仮定する」から始めればいいのです。
まとめ
定期テストなんかで出てくる「無理数・有理数の証明」の問題はだいたい↑の3パターンで解けます。
「~~=q/p」と置くか、「~~=R」と置くか、「~~≠0」と仮定するか。
√aが無理数であることの証明は、①。
√どうしの和・差の証明は、②。
係数が文字の証明は、③。
あくまでも目安ですが、だいたい↑の識別でOKです。
他は応用問題となるので、パターンはなく、その場で頭を使って考えてください。
背理法は使いこなせば、強力な証明法なのでぜひとも習得してください。