今回は、
模試の復習に関する話です。
受験生なら、誰でも模試を受けると思います。
東進、河合、駿台の全国模試。
当然そこそこ難しい問題が作られるわけで、すべての問題で満点が取れる人なんて1人いるかないかでしょう。
つまり、
全国のすべての受験生が模試の復習するわけです。
そこで、
1つ言いたいことがある。いや2つかな。
目次
模試の復習の目的
まず、
模試の復習の目的は何でしょう?
簡単ですね。
模試を復習するのは、
「自分の穴を埋めるため」
模試を受けることで、自分ができていなかった部分、苦手な部分を浮き彫りにすること。
そして、
模試で見つけた穴を埋める。
模試の復習の役割はそういうことです。
模試の復習がムダな場合
一見、
「自分の穴を埋める」という模試の復習は効率的な勉強法に思えます。自分のダメなところを見直すわけですから。
しかし、
人によっては超非効率な勉強です。
例えば、
まだ習ってない範囲がある人。
当然ですが、
模試で間違えたからといって、まだ学習していなかった範囲を無理に勉強しようとするのは非効率です。
未習事項は、模試の解説書だけでは理解できないですから。
まあ、
さすがに未習範囲はみなさん飛ばしますよね。
でも、
例えば
「既習範囲だけど勉強してない範囲」
はどうでしょうか。
例えば、
学校では数学ⅡBを習っているけど、家では数学ⅠAの復習に時間を使って、勉強している人。
数学ⅡBは既習範囲でも、
しっかり定着させてないと全然解けないと思います。
既習範囲でも定着させていなければ、未習に等しい。
模試を復習するときも同じです。
指数対数の「+」「-」も分からない人が解説書を読みながら、指数対数の最大最小を考えても時間を浪費するだけ。
時間だけ経って、混乱して終わるだけです。
いつも言っていますが、
数学には段階があります。
1つ前のステージを習得していないと、次のステージには進めない。上のステージを理解するためには、前のステージが必要です。
それは模試の復習も例外ではありません。
模試でレベル5の問題を間違えたとします。(レベルはてきとう)
そのときの自分のレベルが3だったら、模試の復習は無駄です。
解説書を読んで何とか理解できるかもしれませんが、
どうせ次の参考書をやれば解けるようになる問題をわざわざ時間をかけて復習する必要はありません。
その問題を解くのはまだ早いです。
ポケモンやってた人は分かると思うのですが、
手持ちのポケモンがLv.30なのに運よくジム戦に勝利して、次の町のジム戦にいくと相手のポケモンがLv.50だった状態。
そのときは、
愚直に野生のポケモンと戦って、経験値タメてレベルアップしますよね。「何度でもジム戦行くぞ~」っていう馬鹿はサトシだけです。
自分の能力が足りないときは、出直して実力を付け直してからの方が結果として効率的に進めます。
ほとんどの人は模試の復習がムダ
上の説明を読んでくれば分かると思いますが、
間違えた問題をすべて復習してもいいのは、模試の点数が8割や9割を超えている人だけです。
ほとんどの人は、
先に基礎を固める必要があります。
基礎が固まっていない人の状況は、
「舗装されてない道路」
みたいな状況です。
色々な所に「穴」「凹凸」「裂け目」があるため、1つずつ丁寧に修復するのは非常に時間がかかります。
しかも模試で明らかになった「穴」「凹凸」「裂け目」は、ごくわずか。
次の模試では、
また異なる「穴」「凹凸」「裂け目」で間違えます。
それなら
参考書を1冊買って完璧にやり込むことで、全部まとめてアスファルト舗装した方が効率的。
というか、
それが成績UPの唯一の方法。
1カ所や2カ所だけ道路が修復されても、誰も気づかないレベルでしかない。目に見える変化は何も起こらない。
やっぱり参考書1冊規模でやり込んで定着させないと、模試のような広範囲はカバーできないし、すぐ忘れてしまう。
模試の問題を1問1問復習するのは、道路をアスファルト舗装した人がする点検作業です。
まだ凸凹ボッコボコの人達は、
大規模工事あるのみ。
模試の復習より大事なこと
模試には、
「模試を復習する」以上に大切なことがあります。
それは模試分析。
自分の道路舗装の仕方は正しいのか。それを確かめる。
「自分が勉強したこと」がどれだけ模試の結果に現れたか。
自分が勉強してないことはどうでもいいんです。
勉強してないのだから、
解けなくて当たり前です。
私が先ほど「模試の復習がムダな場合」で説明したのはこの部分。舗装していない部分がボコボコなのは仕方ないです。
今解ける必要はないと判断しましょう。
逆に、
勉強していたのに間違えた問題。
類題を解いたことがあったのに、
正解できなかった問題。
つまり
舗装したはずなのに壊れている部分。
「勉強した」範囲は超重点的に分析・復習すべきなのです。
間違えた問題を解けるようになるだけでは不十分です。なぜなら、勉強したのに解けなかったから。
勉強したはずなのに不正解
=勉強の仕方に問題アリ
こう考えてください。
例えば、普段の勉強で
- やり込みが足りなかったのか
- 苦手な問題を放置していたのか
- 丸暗記して対応できなかったのか
模試の活用法というのは本来こういうもの。
模試は普段の勉強法を見直すために受けていると思ってください。模試の復習は2の次です。
もし、
自分が勉強した範囲は完璧に点数が取れているのであれば、模試を復習する必要はまったくありません。
順調な成長です。
また次も目標を立てて、自分が正しいと思う方向へ進めば点数はドンドン上がります。
今の点数がたとえ60点でも、その60点は将来性のある60点です。
ただ「点数」を見て判断するのではなく、「期待点数」と「実際点数」を比べて判断してください。
今の自分は何点取れるはずなのか。(期待点数)
そして、
実際自分は何点取れたのか。(実際点数)
その差があなたの勉強法の不備です。
まとめ
今回伝えたかったのは2点、
- 模試復習は上級者向け
- 模試は分析に使うべし
模試の復習に価値がないとは思いませんが、「さきにやることあるだろ」という話をしたかった。
個人的な意見ですが、
読んでくれてりがとうございました。