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【完成版】『現代文の解き方&勉強法』理Ⅲのすべてを晒します。

多くの人が現代文の解き方で悩む。
 
「現代文の点数が伸びない〜」
「現代文の正しい解き方がわからない。」
「現代文の勉強法がどれも参考にならん!」
 
 
そこで今回は、
現代文(特に評論文)の解き方&勉強法について解説していこうと思います。
 
センスやフィーリングに頼らず、論理的に思考することで正解を導き出すための解き方を伝えます。
 
 

理3合格までのすべてを晒したつもりなので、さすがに全無料コンテンツにはしてないです。

今回の記事を読んでみて、気に入った人は本チャンの記事を買ってみてください。今回の無料記事だけでも十分有益だとは思います。

 

本来の記事では

からなります。

https://note.com/high_child_dio/n/nbcb4ab27ae73

 

 

目次

現代文の解き方
ミクロ視点編

まず現代文(特に評論文)の解き方を考える上で、絶対に知っていてほしいコツを述べます。

現代文中の1文1文がどういった役割を持ちうるのか。

それを明確に意識するだけでもかなり現代文の読みやすさが変わると思います。

 

そしてこれは

 
いわゆる「現代文 読解のコツ」というものが、なぜコツとして成立しているのか。

どういった現代文の構造ゆえなのか、を解説することにもなります。

 

 

 

現代文のコツ①
「主張」か「説明文」か

一番大事なポイントは、

その文が主張か説明文か

 

現代文はそもそもどんな意図で作られた文章なのか。
 
それは筆者の主張を読者に伝えるためです。

 

 

 
それゆえ、
現代文には主張とその説明文しか存在しないのです。

 

「何を当たり前なことを、」

と思うかもしれません。しかし、これを意識するだけで現代文全体の理解に大きく役立ちます。

 

一番大きな主張があって、それを説明するための副主張が2つ3つあって、そしてその副主張をそれぞれ説明している。

 

現代文は必ず階層構造になります

主張①
 ∟副主張①ー説明文
 ∟副主張②ー説明文

主張②…

 

といった流れで現代文は進んでいきます。

もちろん、本物の現代文では主張があとに来たりしますが、脳内でこの階層構造を把握することが非常に大事です。

 

よく現代文では、
大事なところに線をひけ」 

と言われますが、

その大事なところというのが「主張」に当たります。大事じゃないところが「説明文」となるのです。

 

 

 

現代文のコツ②
説明の仕方は「類比」「対比」「因果」のみ

先ほど、現代文には「主張」と「説明文」しかないと話しました。

 

そして、

その「説明文」ですが

の3種類の方法でしか説明されません。

 

これは人の思考的に絶対です。

人はこの3種類でしか、論理的に思考することができないのです。

 

「類比」について

これはいわゆるストレートな説明です。

「言い換え」や「比喩」、「具体例」など、内容的には同質のものを言葉を変えて繰り返すことで説明します。

「言い換え」は前文を抽象化、「比喩」や「具体例」は前文を具体化します。

 

例を見ましょう。

私は左側に運転席のある車が好きです。つまり、外車に好んで乗ります。例えば、休日はフェラーリやランボルギーニ、ベンツに乗ったりします。

これは第一文と第二文が「言い換え」の関係で、第三文が第一、二文目の「具体例」になっています。

抽象度でいうと、

外車>左側に運転席のある車>フェラーリや…

 

だから構造としては、

2文目
 ∟1文目
  ∟3文目

という感じ。
(3文目は1文目の説明になっており、1文目は2文目の説明になっている。)

 

つまるところ、この3文で大事なのは「主張」である2文目だけである、ということ。

「類比」でよく出てくるキーワードは、

 

基本、

「言い換え」:前文より大事な文
「比喩」「具体例」:前文より価値の低い文

がきます。

 
「つまり」の後は大事なところだよ
「例えば」の後は読まなくていい

というのはそういうことです。

 

 

「対比」について。

これは2つの真逆のものを比べることで、差異を明確化し、その点を際立たせる説明になります。

例えば、

隣の家は3LDKで広い。しかし、私の家は1LDKだ。

 
この文章では、隣の家と私の家を対比していることが明確でしょう。

「私の家は狭い」と明言はしていませんが、広い隣の家と対になるのだから、私の家は狭いと言い切って問題ないのです。

「対比」の関係から、本文に書かれていない範囲まで論理的に推測・理解することが大事です。

 

などのキーワードによって、対比関係を明確に示すことが多いです。

ただ、接続詞なしで対比の関係になっている場合もあります。

上の文章で「しかし」を抜いても、「隣の家」と「私の家」を広さにおいて対比しているのはわかるでしょう。

 

 

「因果」について。

これは「原因→結果」や「理由→主張」など、根拠と結論の関係で説明します。

朝熱を測ったら37.0℃だった。だから学校を休んだ。

学校を休んだ。なぜなら朝熱を測ったら37.0℃だったからだ。

前者は根拠→結論。後者は結論→根拠。

 

キーワードとしては、

が多いです。

 

 

ミクロ視点のまとめ

「主張」か「説明文」か。
「類比」「対比」「因果」のどの関係か。

この2つのポイントを意識しながら、

をしっかり理解したいです。

 

「主張」が「類比」によって説明されるとき、おそらく一番抽象度の高い文が「主張」であり、残る抽象度の低い「説明文」は価値が低い。

また「主張」が「因果」によって説明され、理由が説明されるなら、「主張」とその理由の「説明文」の関係(因果関係)を抑えたい。

 

と言った感じです。

 

 

 

現代文の解き方
実践編

今回は2012年のセンター試験第一問評論文を解いていきます。
http://www.toshin.com/center/2012/kokugo_mondai_0.html

今まで紹介した現代文のコツ①〜⑧を踏まえた上で、私の思考を逐一記していきます。

それが現代文の解き方となります。

ぜひセンター試験2012年の評論文を解いてから、以下の文章を読んでみてください。

 

※価値の高い文はマーカーしてあります。黄→赤→青の順番でマーカーしているだけで、色に意味はありません。

 

 

問2

まず第1段落から読んでいきます。

センター試験2012

 

<第1段落について>

第一文「人間だけでなくすべての生きものは、その環境との境界面で、環境との最適な接触を維持することによって生命を保持している。」

とあり、いきなり筆者の主張にあたると予測できます。

言い切りの形であり、抽象度もなかなか高いことから第一文は「主張」だろうと予想して読み進めると、

 

第二文「子孫を残すために…生命維持の目的に沿ったものである。」

とあります。

前半部分の子育てや居住地、競争相手の話はすべて第一文で言った「環境との境界面で、環境と最適な接触を維持する」ことの具体例になっています。

そして、それらが生命維持の目的に沿っているというのです。

第一文と同じ内容ですね。

つまり第二文は第一文の「類比(具体化)」としての説明文であり、文の価値は第一文に劣る。

つまり第一文がわかっているなら、第二文は省略可能な文章になります。

 

第三文「しかしなんと言っても…異論のないところだろう。」

これも第一文の「類比(具体化)」ですね。

第一文前半部を食行動に具体化して話しています。

食行動という「環境との境界面で、環境と最適な接触」が「生命維持を目的とした行為」であり、最も基本的な営為であると。

新しい情報があるとすれば、食行動は最も基本的な営為であり、その他の環境との接触と比較がなされている点です。

この後の文章で大事になってくるかはわかりませんが、一応マーカーを引いておきます。

 

つまるところ、
第一段落は第一文の「主張」と、第二第三文の「説明文」からなることがわかります。

第一文 主張「全生物は環境との境界面で最適な接触をして生命維持する」
 ∟第二文 具体例
 ∟第三文
具体例

という階層構造。

「第一段落=第一文」です。

 

第二段落について

結論から言うとこういう構造になってます。

第三文前半 理由①「関係を持つ周囲の個体も環境」
 ∟第一〜二文


第三文後半 理由②その個体自身も内部環境

第四文 主張「個体と環境の境界線決定は困難」
 ∟第五〜七文

 

第一文から見ていきましょう。

 

第一文「生きものがその生命維持の行動を遂行するのは、いうまでもなく個々の個体としてである。」

第一段落を踏まえて、新情報が出ました。

個々の個体として」生命維持の行動をしていると。

新しい「主張」となりそうです。実際ここを「主張」ととってもいいですが、まだ少し意味が掴めないので読み進めると、

 

第二文「各個体はそれぞれ固有の環境との接点で、…自己自身の生存を求めて行動する。」

なるほどと。

個体間の協力関係や競争関係も環境の1つとして数えられる、ということです。

自分という個体と、相手方の個体と、それぞれ個々であり、別々であることを意識づけるための第一文であったということです。

第一文を詳しく解説しているので第二文は「類比」にあたりますが、第二文の方がわかりやすいので第二文にマーカーを引いています。

 

第三文「その場合、ある個体と関係を持つ他の個体たちもやはり当の個体の環境を構成する要件となることはいうまでもないし、さらには当の個体自身の諸条件…も『内部環境』という意味で環境側の要件に加わってくる。」

まず注目すべきは「その場合」つまり、第二文を踏まえての内容となっています。

第三文の前半部分は第二文の「類比(抽象化)」であり、同じ内容を繰り返しています。

そして、第三文の後半部分では「さらに」により、「個体自身の内部環境も環境要因の1つである」ことが追記されています。

 

第四文「そう考えると、個体と環境の接点あるいは境界というのがなにを指しているのかを一義的に確定するのはかなり困難なことになる。」

「そう考えると、」っていうのは、

という2点についてです。

「自分と他の個体との間に境界をひこうと思ったけど、実は自分の中の要因も環境の1つだよな。じゃあどこに境界ひこう?」

ってことです。

このとき「個体と環境の境界を確定させるのは困難」という結論が導かれるわけです。

 

第四文は2つのポイントを「根拠」とした「結論」にあたります。つまり「因果」の関係にあります。

 

第五〜七文「なによりもまず、…おくことはできそうもない。」

ここでは第四文の内容をより具体的に説明しています。つまり、第五〜七文は第四文の「類比(具体化)」にあたる文ですね。

第四文がわかっているのなら、読み飛ばしても構わない文章です。

 

第三文前半 理由①「関係を持つ周囲の個体も環境」
 ∟第一〜二文


第三文後半 理由②その個体自身も内部環境

第四文 主張「個体と環境の境界線決定は困難」
 ∟第五〜七文

という構造になってます。

 

 

<問2> 

ここで問2を見てみましょう。

「ある個体と関係を持つ他の個体たちもやはり当の個体の環境を構成する要件となる」とあるが、どういうことか。

 

この傍線部は第二段落の第三文前半です。そして設問は、「どういうことか」系の設問であり、解答文字数は40字前後です。

つまり、

第二段落第三文前半と「類比」関係になっている内容が一番重要なポイントとなり、それがおそらく唯一の解答要素となります。

 

それは第二段落第二文の個体間の協力関係や競争関係も環境の1つとして数えられるという内容になります。

また傍線部の「もやはり」という表現に注目すれば、「ある個体と関係を持つ他の個体たち」以外の環境要件(第一段落で出た環境)にも触れるべきだろうとわかります。

この点を踏まえて各選択肢を見ていくと、

①前半の「種の存続を担う子孫のような存在」というのが、黄色に適さないし、その上赤色の協力関係の具体例としても採用しかねる。後半は○。

②まず黄色がない時点で即決とはならない。また細かいが、協力関係を築く例として異種は挙げられていない。(第二段落第二文)

③焦点のズレ。前半の「空腹や疲労のような生理現象」は第二段落第三文後半の内容。後半は多少限定的ではあるが黄色の内容。内容自体に誤りはないが、最重要の赤色がないので×。

④前半は自然現象と言っており黄色と合致。後半の内容はやや説明不足ではあるが、元にしている内容は赤色であるため正解になりうる。

⑤焦点のズレ。空間の話をしており、関係性という環境の話をする赤色や、環境の話をする黄色の内容と全く異なる。

 

よって正解は④

 

 

このように答案に盛り込むべき内容を先に明らかにしてから選択肢を参照すると、非常に素早く選択肢を選べます。

 

 

現代文の勉強法
「教材の使い方」

じゃあ、どうやってセンター試験の過去問を使っていくか。

使い方は現代文に対する習熟度で2種類あります。

使い方①:現代文初学レベル
使い方②:センター8割は安定レベル

 

現代文の勉強法
使い方①

やることは非常に単純で

現代文のコツ①〜④を特別意識して、センター試験を選択式で解く

※⑤〜⑧は余裕があれば

 

ただ注意してほしいポイントは

の3つを必ずやりましょう。

 

まず選択肢を選ぶとき、消去法を使ってもいいですが、必ず答案に盛り込むべきポイントを2〜3つ見つけてから選んでください。

そうしないと絶対に成長しません。

 

次に「意味段落で分ける」こと。これは、文章全体の論理を追うために必要なことです。

どの段落がどういうトピックで話しているのか。
どこで話が大きく展開されるのか。

しっかりと論理を追えていればできることです。

確認のためにやってください。論理を追えなくても選択肢を選べてしまうことは十分あるので。

 

最後に「段落ごとに要約をつける」こと。

これは論理を追うための補助です。正しく要約できれば、一つ上の「意味段落で分ける」ことは容易なはず。

要約というのは、

その段落内の1要素につき20〜30文字くらいでまとめましょう。できるだけ短くすることに意味があります。

 

 

マクロ度で言えば、
「解答要素を見つけ切る」<「段落の要約をつける」<「意味段落で分ける」

この3要素を守るだけで、現代文の論理を追わざるを得なくなるので、必然的に現代文に対する理解が深まります。

 

 

 

 

まとめ

今回は現代文の解き方、勉強法について紹介しました。

この記事は実際の記事の2,3割しか載せていないので、気に入った人はぜひみてみてください。

国語が嫌いだからという理由で計画を達成できなかった。自分に甘かった。 現代文はdioさんの記事を見て丁寧にやって行ったらセンター過去問9割越えた。しかし共テは失敗した。1000円の記事をケチらずに買って素直に勉強しといたらもっと高かったのかも、と後悔した。

合格・不合格体験記#6 O.P.さんより

 

しっかりと現代文の実力が伸びている人もいます。残念ながら本番はうまくいかなかったようですが、これで勉強する価値はあるようです。

https://note.com/high_child_dio/n/nbcb4ab27ae73

「よくわからない参考書に払う1,000円をここに使ってみたら、現代文に革命が起きる」と思えたなら、ぜひどうぞ。

返金にも対応しているので気楽に。

 

 

数学に関しては下がおすすめ。

 

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