ついにここまできました「東大への道 国語編」です。
私自身国語はずっと苦手でしたが、東大国語は努力でどうにかできます。だから、そこら辺の勉強法や対策を語っていきます。
総論編はこちらから。
目次
東大国語 対策
東大国語の基本情報
<基本情報>
配点:80点
時間:100分
<特徴>
- 大問1が現代文。漢字3つ。80字記述3つ。120字記述1つ
- 漢字は教養レベル
- 大問2,3が古文、漢文。それぞれ日本語訳3つと内容把握2つずつ。
- 古文・漢文は共通テストの記述式レベル
毎年確定なのは、大問1が現代文(評論文)であり、大問2が古文、大問3が漢文であることです。
現代文に関して、
近年は漢字3つ+80字記述3つ+120字記述1つとなっています。少し前までは、80字記述は4つでしたし、漢字の数も4つの時もありました。
ただ傾向はずっと同じで、漢字はすべて常用漢字で普通に教養ある人ならノー勉でも満点か1ミスに収まります。
読解は、80字記述の設問がそれぞれ本文の2〜4段落くらいを担当しており、すべての設問に答えることで本文全体を解釈できたことになります。
120字記述は、今までの設問を踏まえた上で、最後1〜3段落をまとめるような作りです。
古文は、最初の3問が短文の日本語訳です。とは言っても、解答字数は30〜40文字程度になります。残りは読解問題が2問。
文章レベルは共通テストと大差なく、そのまま共通テストに出題されてもおかしくないような作りです。ただ設問がすべて記述式になっている感じ。
問題文の長さも共通テストと同じくらいなので、本当にそんな感じです。
でも3,4年に一回エグい難易度の問題が出る時があるので、その時は正直日本語訳問題しか解けないです。
漢文は、最初の3問がただの日本語訳。それも漢字2〜6字程度の非常に短い文の和訳である場合がほとんどです。
残りは読解問題2問が主流。
こちらは完全に共通テストとレベル・長さ共にほぼ一緒であり、それが記述式になっているだけだと思ってください。
別に特段に難しい年はなく、いつも安定して簡単です。
東大国語の目標得点
合計:45点
現代文:20点
古文:10点
漢文:15点
※ちなみに東大国語は2022年にエグ厳しい採点になり、平均点が10点ほど下がりましたが、それは例外としています。
これは科類・得意不得意問わず、みんな目標にすべき点数です。
なぜならセンスも膨大な勉強時間も必要ないから。
2023年度の理1、理2の合格者平均点は40.8点と41.9点で、理3は46.4点になっています。一方で不合格者平均点は36.9点です。
国語で差がついていないようで実は5点前後の差がついています。
東大の他の科目、英語や数学なんかはセンスや勉強時間で大きく差がつきますが、国語はみんな日本人だし、誰もそこまで勉強していない。
本来そんなに大きく差がつくはずないんです。
圧倒的に間違った勉強法をしない限り。
だから、国語でもしっかりと正しい勉強法である程度の勉強時間を確保することが大事。
詳細な得点目安を記します。
配点は模試や講師の見解の中で一番多い妥当そうなものを選んでます。おおよそ正しいでしょう。
<現代文>
漢字:5/5点
問1~3:9/21点
問4:6/14点
まず漢字は取り切ること。
ここで失点しているとお話にならないです。なんのセンスもいらないし、難しい漢字もでないです。
一冊漢字の参考書を完璧にしておけばまず満点がとれる。
問1~3は解答範囲が狭い分、バチっと答えにあわせないと点数があんまり入らないです。
思ってるより稼ぎにくい。
だからそれぞれの設問である2~3要素中、一番大事な1要素は必ずとる。
あとは当たったらラッキーくらいで解きましょう。
問4は最後の2,3段落要約して、文章で大事そうだったこと盛り込めば勝手に6点くらいもらえます。
解答範囲が本文全体なので、割とアバウトに要素を書いていけば部分点もらえがち。
<古文>
問1:6/9点
問2,3:4/11点
問1の日本語訳3問は、文章理解なしでとれるので本当なら満点が欲しい。
だって重要単語と文法抑えてれば解けるんですよ。
ただ流石に未知の単語とか1つくらい出たりするので、6/9点としています。
で問2,3はほぼ読解問題です。
しっかり理解できてないと解答できないので、まあ難しいでしょう。
片方わかった方を4/6点くらい取って逃げ切りたい。
<漢文>
問1:7/9点
問2~3:8点/11点
問1は本当に簡単です。
重要単語とか文法を知っていれば解けるので、満点でもいいです。
問2,3も片方は長めの文の和訳、もう一方が読解という形が多いです。
和訳なら満点とれてほしい。
読解も簡単目なので、4/6はほしいところです。
東大国語の時間配分
現代文:50分~60分
古文:20分~25分
漢文:20分~25分
配点的にも、これが一番妥当でしょう。
「古文・漢文は簡単だから、なるはやで終わらせて現代文に時間を割け!」
というスタイルもあります。
ただ個人的には、むしろ簡単だからこそ古文・漢文に時間をしっかり使って高得点を狙う。
逆に安定しにくい現代文は最低限で乗り切る。
というスタイルの方が大失敗なく、安定して点がとれると思います。
だから解く順番も
古文→漢文→漢字→現代文
の順番でした。
古文・漢文の順序はノリですが、古典は先に解くべきだと思います。
実際、多くの受験生はそうしてます。
<現代文>
漢字:1分
問1~3:10分×3
問4:15分
見直し:4分
余剰分:0~10分
合計:50分~60分
がおすすめ。
私が現役のときはこれで安定してました。
まず漢字は悩んでもわからないので、1分で書きます。わからなければ、潔く諦めます。
基本は設問1つにつき10分で片付けていく目安で解いていました。
だから設問1が5分で終われば、設問2は最大15分かけるつもりでゆっくり解きます。
どこかで時間がおしたら、余剰分の10分を切り崩しながら闘う感じです。
ちなみに余剰分の10分は絶対に使い切らないよう、その設問が解き終わらなくても5分残して次に行きます。
一番怖いのは余剰分の時間も使い切って、解けるはずの問題が解けなくなること。
だから、
その設問が解ききれなくても「最後に戻って5分で何か書く」のスタンスが大事。
現代文は耐え忍べば勝ちなので、全設問を完璧に解く必要はないのです。
<古文・漢文>
リード文:1分
問1:8分
問2,3:8分×2
リード文を舐めないように。
あれがないと正確な読解ができないと東大が判断したから、つけているんです。
わざわざ「リード文:1分」と書いているのは、読み流さず、リード文を意識して読むためです。意識するのとしないのでは、頭への入り方がまるで違います。
そのあとは文章を頭から読みつつ、傍線部にくるたび問題を解きましょう。
一応文脈的齟齬がないか確認するためです。
傍線部分が文章の後半にあれば読み飛ばして、和訳だけしましょう。
問1が解けたら、あとは本文を頭から読み解いていって、傍線がくるたび解くだけです。
東大国語は捨てる?
ちなみに今回の記事、私の個人的見解、としましては「東大国語は相応の努力を持って対策するべき」というスタンスです。
なぜなら古典は簡単だし、現代文も読み方さえわかれば最低限の点数は取れるから。
でも中には東大国語を完全に捨てて勝負する人もいます。
私の理3の友達は現役ですが、そこまで勉強時間に余裕がなかったこともあり、理科に少しでも時間を割いたほうが効率的だと判断して東大国語ほぼノー勉で受けにきていました。
実際28点で耐えていました。
その人は共通テストも低く、750点程度です。
合格に一番大事な部分にすべてを注ぐやり方もある。
そのために東大国語を捨てる戦略も存在するよ、ということは伝えておきます。
ただ私は、共通テスト対策がてら1,2ヶ月勉強すればすぐできるようになると思うので、大した労力ではないと思いますが。
東大国語 勉強法
現代文の勉強法
<使う参考書>
- センター試験の過去問
- 東大の過去問
これだけにしましょう。
正直、良質な現代文の問題自体があまり存在していないです。詳しい話や具体的な現代文の勉強法はこっちで紹介しています。
実力養成期間はセンター試験の過去問をやりこみます。
これで現代文そのものへの実力が上がります。
ある程度解ける自信がついたら東大の過去問演習を行います。
時間配分や傾向をつかみましょう。
過去問は誰か採点してくれる人の元でやりたいところ。
私は学校の国語教師で信頼できる人が1人いたので、その人に添削してもらいました。
古文の勉強法
共通テストを記述式で解けるようなレベルを目指していきます。
<単語帳>
- マドンナ古文単語
- 重要古文単語315
- 頻出古文単語400
- 古文単語 ゴロゴ
一応収録語数の少ない方から書いています。
共通テストレベルで知らない単語がほぼ無ければ良いので、まあ300~400語程度覚えられれば大丈夫でしょう。
私はマイナーですが、頻出古文単語400をやり込みました。
学校配布の単語帳でしたが、網羅性も高く、語数もちょうど良かったので、喜んで使っていました。
古文の単語帳は語数くらいしか大差ないです。適当に有名どころを買って完璧にしてしまいましょう。
<文法>
- 教科書
- 岡本の面白いほどわかる
- やさしくわかりやすい古典文法
- ステップアップノート30古典文法 基礎ドリル
- ステップアップノート30古典文法 トレーニング
- 古文上達 基礎編45の基礎ページ
文法も、動詞・形容詞系・助動詞・助詞の接続・活用・意味がわかればなんでもいいです。
上から順に初学者向けの参考書になっていて、「ステップアップノート30古典文法 トレーニング」と「古文上達 基礎編45の基礎ページ」はインプット済みの人用です。
古典文法で大事なのは、
- すべての文法知識を覚えること
- 正しく判断する能力
のインプット&アウトプットです。
だから必要知識を覚えた後は、必ず意味の判別だったり、活用の見分けだったり、アウトプットの練習をしましょう。
<読解>
- 古文上達基礎編45
- 岡本梨奈の古文ポラリス1
がおすすめ。
文法知識の確認ページも活用して、完璧な古典文法を完成させてください。
一番の目的は読解力の向上。
主語の判別や、和歌の解釈、尊敬語の敬意の先なんかは、短文での演習では絶対に身につきません。文脈あってこそのものです。
そこらへん東大古文問2〜3に直結する能力を育てていきましょう。
読解の後の復習方法として、「全文訳」は非常に有効です。
それぞれの動詞・助詞・助動詞に対して、
- 他にどんな意味・活用があるのか
- 何を根拠にその意味・活用なのか
を確認しましょう。曖昧な部分も炙り出せるし、知識の確認にもなります。
後は常に主語を明示する。
全文訳は時間こそかかりますが、確実に古文の能力を向上させるので、とてもおすすめ。
量より質を重視しましょう。
漢文の勉強法
これはもう何を言おうと一択で、
「漢文早覚え即答法」
を超絶に推します。
「漢文ヤマのヤマ」も悪くはないですが、あんまりハマらず、私は「漢文早覚え即答法」をやり込むことにしました。
即答法は割り切っていて、9割型そうならもう「〇〇である」と断言してしまいます。
だからこそ覚えるべき内容が絞れて、結果として非常に文章が読みやすく、用法の判別がやりやすくなります。
共通テストでは9割が安定します。
付属の漢字集は多少網羅性に不安が残りますが、文法事項に関しては神です。
漢字は教科書の漢字集とかを印刷して緑マーカーで隠して覚えていました。
まとめ
東大国語は努力でどうにかなります。
英語や数学のように絶対的なセンスや勉強量には依存せず、少ない勉強時間でも周りと差をつけられないレベルにはすぐ到達できます。
軽視する人の多い東大国語ですが、ぜひキッチリ対策して点数を稼ぎましょう。
総論編
英語編
物理編
化学編
現代文ルートについてこれで進めて大丈夫そうか教えてください。
現代文は共通テストのみしか使わない中3です。
読解を深める現代文単語
入試現代文へのアクセス基礎
入試現代文へのアクセス応用
入試現代文へのアクセス発展
きめる! 共通テスト現代文
共通テスト過去問
そんなにいらないです。読解を深める現代文単語と、共通テスト・センター過去問10年と、あとは林修か、解き方インプット系の参考書か、私のnoteで十分です。
現代文インプット系の参考書はどのようなものを使用されていましたか?
私は林修です
単語ある程度覚えれば即センター過去問進んでも良いのでしょうか?
単語はしっかり覚えてからの方がいいでしょう。時間無ければ別ですが
質問失礼します。
数学の問題を解くとき なんとなくで手を動かしながら考えるか、最初に考えて最後まで解けると理解してから手を動かしていますか?
どちらの場合もあります。とりあえず確実にわかるところまで見通しをつけたらガーッと計算を進めます。そこで初めて気付くこともあるので、場合によるというわけです。1対1レベルなら全部最後まで見通してから解きます。というか、見通せます。
回答ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
受験生です。受験期でストレスがひどく、学校で何度もお腹を下してしまいます。
ですがだからといって勉強を辞めるわけにはいかないし共テも近づいているしとても精神的にしんどいです。
dioさんはこういうことありましたか?また、対処法教えて欲しいです、、。
私は体だけストレス感じていて、心は健全だったので、あまり役立手ないかもしれないですが回答します。やっぱりひたすら勉強するに限るでしょう。お腹を下しても単語帳をよむ。できることをする。すべて無視してひたすら勉強すれば、いつかそれが自信に変わり、ストレスも軽減すると思います。あとは、他の受験体験談を読んだり聞いたりする。探せばいくらでもあると思います。いろんな悩みの人がいます。仲間が見つかるだけでも楽にはなるかなと思います。