サイトアイコン 学生による、学生のための学問

【東大生 日記#4】本当に完璧?”一冊を完璧にする”の基準とは。

 

独学や参考書による勉強法での正解として、

一冊を完璧に極める

というのが現在の通説です。

そして実際そうだと思います。

 

ただ本当に「完璧」や「極める」という単語の意味をわかっているのか?もしかして舐めてるんじゃないか?とコメント欄を見ていて思ったので書きます。

 

 

”完璧”の基準

例を出しましょう。

解かなくていいです。(数値は適当なので多分エグい数値になります。)

 

<数学1A>
m,nはm<nを満たす自然数として
1/m+1/n=1/4
を満たす自然数(m,n)をすべて求めよ

<数学2B>
空間内に点A(1,2,0)、点B(2,1,2)、点C(3,3,3)がある。原点Oから3点ABCを通る平面に下ろした垂線の足Hの座標を求めよ。

<数学3>
複素数zに関して、
|z|=1
w=(1-z)/(8z+1)
となる時wの範囲を求めよ。

 

 

これを見た時に一瞬で解法が頭に浮かぶか否か。

迷わず最後までの方針が立つかどうか。

 

 

 

仮にもあなたが数学の参考書を1冊以上完璧にしたと判断し、2冊目以降に進んでいるのなら絶対に解法が思いつかないといけません

すべて基本の典型問題です。

基礎問題精講に数値替えの類題が載っています。

 

もしわからないなら数学を受験科目から除いたほうがいいです。

向いていません。

 

 

全部無意味な言い訳です。

受験を舐めています。

 

一度卒業を決めた参考書はもう何があっても、戻らない覚悟が必要です。

絶対に完璧であり、忘れるわけがない。

そんなレベルだと周りの受験生に大声で宣言できるほどの覚悟と自信が必要です。

 

 

受験1週間前になって、受験本番の不安でいっぱいになって、「あ、この問題どうやって解くんだっけ」となったとします。

その問題は昔完璧にしたと思っていた参考書に載っていたとします。

あなたは不安に押しつぶされますよ。

 

「じゃあ完璧にしたはずの、参考書も、問題集も、実は自分が気づいていないだけで穴だらけなんじゃないか。今から復習するのか。そんな時間はない。」

そうなったら終わりです。

疑心暗鬼になった受験生に未来はないです。

 

 

完璧の基準が低いから他人のおすすめ参考書に流される。

完璧じゃないと本心でわかっているから、毎日不安になる。

完璧じゃないから成績が伸びなやむ

 

 

全部水準が低いせいなんですよ。

そりゃあ、ガタガタの基礎の上に立派な建物はたちません。

どこかでバランスが崩れて、そのバランスをとるために余計な作業や部品が増えて、日々過去の尻拭いに追われて、結局高さは一生上がらないわけです。

 

死ぬ気で極めるんです。

もう次はないというくらいの覚悟で。

 

基礎がガバガバだった。 まあ、人には人のやり方あるし。というテンションでdioさんのやり方を軽視し、基礎問も完璧じゃないのに新スタへ。 結果共テ5割。この反省を踏まえて2次試験まで1対1をなるたけ周回した。珍紛漢紛な問題はほぼ無かった。圧倒的苦労不足だった。

合格・不合格体験記#6 O.P.さん

 

基礎を軽視するとこうなります。

 

正答率9割なんてまだまだ折り返し地点です。

そこからが本番。

 

 

一冊を完璧にするのは非効率?

こういうことを書くと非効率だと言われます。あと1割を習得するためにどれだけの時間を犠牲にするつもりだと。

 

 

いいえ。

今その1割にかける時間を惜しんで、あとあと原因不明に伸び悩み、どれだけ勉強しても成績が上がらない地獄を見るか。

今その1割も完璧にして、伸び悩みうるリスクを可能な限り排除するか。

 

本当に怖いのは、現在の非効率より、将来の停滞です。

将来停滞してしまった時に「受験間際という焦り」「ここまで少なからずやってきたことへのプライド」「どこまで戻るかの不透明さ」というものが邪魔して基礎に戻ることができません。

基礎に戻っても効率的な学習とはなりにくいです。

だから、

現在の多少の非効率には目を瞑って、将来へのリスクをなるべく減らすんです。

 

あとよく勘違いしているのは、

「解ける」はゴールではない

ということ。

 

 

「もう前回解けたからこの問題はいいや」

はダメです。

 

問題において、

「わかる」<「解ける」<「瞬殺できる」

の3段階です。

 

典型問題や基礎的な部分は「瞬殺できる」レベルになっていないと、正直上のレベルではお話にならないです。

そんな悩んでやっとの思いで「解ける」知識なら最初からいりません。貴重な試験時間をそんな中途半端な知識のために使うのは勿体無いです。

 

問題の解説が「わかる」のは当たり前。というか、「わかる」ような自分に適した参考書を選ばないとダメです。

そして「解ける」ようになるのも受験生のスタンダードです。解けないんじゃあ、絶対に点数になり得ないので。

そんで最後に「瞬殺できる」レベルにまで昇華させる

 

難しい問題を解くときに、何度でも出てくる解法なんだから速く正確に解ければ解けるほどいいんです。

そして速度と精度が低ければ低いほど、周りの受験生に差をつけられていくんです。

 

初見の問題に対するヒラメキとか、場合の数を天才的な捉え方で一瞬で解いてしまう人。そういう才能ある人種に差をつけられるのは仕方ない。

でも処理速度とか精度の問題で差をつけられるのは本人の努力不足でしかないです。

 

そして想像以上に処理速度や精度には差があります

できない人からしたらわからない。けど、できる人からしたら本当に1つ計算するごとに1分以上差をつけられていきます。

長い試験時間の中で、少しずつ、でも着実に差が開きます。

そして終わってみたら20点も30点も差がつくわけです。

 

 

理由つけて楽しようとして。

努力から逃げて、好きなことして。

 

そんなんで受かるわけない。

 

内心頑張ってるつもりでも、実は頑張ってないんですよね。細かい部分に対するこだわり、覚悟がまるで足りてない。

それで受かる大学に行けばいいってなら、好きにしてくださいって感じですけど。

一丁前にも難関校を目指すっていうなら、血の滲むような努力は必要なんじゃないですか。

 

1冊にかける周回数を増やすことで、増えた勉強時間を毎日消化していく。

まずはそこから頑張るべきなんじゃないですか。

 

 

みんなが思ってるより、参考書の内容って頭に入っていません。

脳が都合よく読み飛ばして、それを無意識下で捨て去っています。

 

隅々までに完璧にする”努力”を始めてみましょう。

 

 

まとめ

今回の内容は、

という話です。

 

もちろんわかっていた人はいいんです。

ただ認識の甘い人がちらほら見受けられるので、是非ともこれを機に意識改革を進めていってください。

 

 

 

モバイルバージョンを終了