この記事を公開する頃(現在1月18日)はちょうど中学受験真っ盛り、大学受験は私立大のメインシーズン初期といったところですかね。
だから、
主に現在高1・2年生に向けて書く記事です。
今回は「スクランブル英文法」を紹介しようと思います。
今までずっと記事を見てきてくれた方は分厚い文法問題集に私が反対派なのは知っていると思いますが、結局
「分厚い問題集を完璧にできるならそれが一番いい」
という結論に最近至っていまして、それで紹介記事をかくに至った感じです。
目次
スクランブル英文法の基本事項
今回は「スクランブル英文法」について紹介していきます。
スクランブル英文法の対象者
- 難関大学を目指す!
- 英文法のインプットは一通り終わった
- 文法問題をしっかり勉強したい
こんな人におすすめ。
国公立大学だったり、MARCHの英語メインの学部だったり、早慶の下位学部などいわゆる難関大を目指す人にはおすすめ。
早慶の英語が難しい学部や外国語大などを目指す人にも十分おすすめできますが、少し物足りないので追加でもう1冊欲しいところですが。
ただ
全く英文法がわかりませ〜ん
中学英文法ならギリわかります
みたいな英文法初学者にはあまり向きません。
中学英文法に不安がなく、高校英文法も一通り習って、
「仮定法」って何ですか?
どんなとき不定詞でどんなとき動名詞ガチですか?
くらいの質問には答えられる程度の英文法理解度が必要です。
仮定法は現在への仮定なら「if 過去形, S would V…」、過去への仮定なら「if 大過去, S would have 過去分詞」で基本的に表します。
とか。
未来への行為は不定詞、過去への行為は動名詞で表現することが多いものの、動詞によっては目的語の形が完全に決まっているものもあります。具体例は1,2個ずつ思いつきますが。
くらいは、
わかっていてほしい。
あとは文法問題をしっかり勉強する必要がある人。
例えば東大なら「文法問題」という形の出題はありますが、この大問は捨て問で勉強効率が非常に悪い大問になります。もし捨て問とするなら、
最低限読める文法さえわかればいいので、文法問題に対する勉強はしなくてもよく、そういう人には「スクランブル英文法」は不要となります。
志望校の出題傾向をしっかりと見極めておきましょう。
スクランブル英文法のレベル
英文法においては、
前提レベル:高校基礎レベル
到達レベル:早慶下位レベル
先ほども言った通り、高校英文法を一通りインプットし終わった状態が前提レベルになります。
高校/塾の授業で英文法を全て習い終わりました。
講義系の英文法参考書をやり終わりました。
という段階で使い始めて欲しいです。
「スクランブル英文法の対象者」でも言った「仮定法とは何ですか」「おおよそどんなとき不定詞/動名詞ですか?」「同格とは何ですか」くらいは答えられるインプットレベルにいて欲しいです。
それさえわからないと流石に厳しい。
到達レベルとしては基本的に文法問題にはすべて対応できるようになります。
ただ早慶の上位学部ではエグ詳細な文法知識を聞いてきたりするし、難関校で出題される「取れたら差をつけられる問題」など、そういったハイレベルな細かい部分への対応はできません。
逆に、それ以外の頻出の文法問題にはすべて対応できるようになります。
その他前提レベルとして、
単語レベル:共通テストレベル
解釈レベル:0
長文レベル:0
「システム英単語Basic」や「データベース3000」、「ターゲット1400」など共通テストレベルの単語力があれば、十分差し支えなく勉強できます。
スクランブル英文法の内容
問題数 :1690問
ページ数:504ページ
問題数エグい!
スクランブル英文法の中では6章に分割されていて、具体的な章の内容と問題数は下の表に明記してあるので参照してください。
1.文法 | 473 |
2.語法 | 252 |
3.語彙 | 152 |
4.イディオム | 429 |
5.会話表現 | 59 |
6.発音・アクセント | 325 |
合計 | 1690 |
実は文法問題だけやるとなれば「473題」しかなく、特別多いわけではないのです。
「3章 語彙」「4章 イディオム」は単語帳で覚えてしまうことがほとんどですし、「5章 会話表現」「6章 発音・アクセント」は志望校での出題が大きく分かれる分野です。出ないとこは99%出ません。
あとは「2章 語法」をやるか否かの問題になります。
スクランブル英文法の中身は↓画像のように進んでいきます。
基本的には、
左側に問題が、右側に解答解説が掲載され、見開き1ページで完結です。
左側の文法問題では4択・並び替え・穴埋めなどの大学受験の過去問から頻出のものが選ばれて、並んでいます。
問題番号の下には「基本/無印/発展」で3段階のレベル分けがされており、「無印/頻出/超頻出」の3段階で頻出度の仕分けもされています。
右側には問題の解答・解説はもちろんのこと、太枠で区切って、その範囲の重要ポイントも「Power up!」という形でまとめられていたりします。
スクランブル英文法の特徴
①圧倒的な解説ページ
スクランブル英文法と類似する文法問題集として、ネクステージやビンテージなどがありますが、その中でもスクランブル英文法の
解説は圧倒的に質が高い
と、
言ったら言い過ぎかもしれませんが笑、間違いなく頭1つ抜け出してはいます。スクランブル英文法の解説が一番丁寧です。
- 不正解の選択肢は何が間違っているのか
- 今回聞かれている文法知識は何か
を丁寧に過不足なくまとめてくれているので、勉強するときはっかり漏れなく、時間効率よく勉強することができます。
私は学校でスクランブル英文法を使っていたんですが、
右側のページを全部覚えるつもりでスクランブル英文法を周回したら、みるみるうちに文法の知識が固まって、そんじょそこらの文法問題では間違えなくなりました。
右側のページが非常に有益。
②高い網羅性
何と言ってもこれに尽きます。
非常に高い網羅性
分厚い参考書の一番の武器はやはり非常に広大な範囲を網羅できることです。
スクランブル英文法も収録している問題数は同系統の問題集の中でもトップ(ネクステとかは1500くらい)ですし、カバー難易度も共テ〜早慶下位と非常に広いです。
語法問題の完成度も非常に高く、基本的に文句ないです。
スクランブル英文法を完璧にしたら文法は完成する。
「これさえやり切れば大丈夫」っていう安心感をもたらしてくれるのが、スクランブル英文法の非常に大きな強みとなります。
スクランブル英文法の使い方
とりあえず「1章 文法」の473問を完璧にすることを考えましょう。
1日1時間程度の勉強時間を取れると仮定します。(というかそれくらい時間をとってサッサと周回しないと、やった側からドンドン忘れていきます。)
周回数 :10周
目安期間:3ヶ月
60問/日
1分/1問
<やり方>
- 問題1を解く
(10秒) - 問題1の解説を熟読
(40秒) - 問題1の内容を振り返る
(10秒)
これを問題1〜問題60までやったら丁度60分=1時間で毎日のノルマが終了します。
多分ずっとこのクオリティでやるのは鬼しんどいです。でも、合格する人はほぼこのクオリティでやるんです。60問を1時間10分とかで回すんです。
だから頑張りましょう♪
大事なことは、
1周目からすべてを頭に入れる必要はない、ということ。
まず問題を解くのに10秒。
英文を読んで意味を取って10秒弱でしょう。あとは正解である答えを選ぶだけなので、丁度10秒です。
それはわかる人の速度じゃん!
はい。
その通りです。
だから10秒でわからなかったら潔く諦めてすぐに解説を見てください。どうせ時間の無駄なので。
最終的に求める次元は「各選択肢の正解/不正解の理由を説明できる」というレベルの文法知識を身につけることです。
そうでなければ、
大学受験というプレッシャーの中で正しい答えを確実に選び抜くことはできません。
だから、
中途半端な知識も
うろ覚えの授業内容も
全部いりません。
正確な知識のみを頭にインプットしていくことを強く意識しましょう。
それが次の40秒。
40秒もあれば解説を熟読して、意識して頭の中で唱えたり、マーカー引くくらいは余裕でできるでしょう。
そして最後10秒で、その一問で大事だったポイントを頭の中で復元して授業してみましょう。それだけでだいぶ記憶の定着率が違います。
これを60回繰り返す。
とりあえず途中で挟まってるコラムとか、知識Boxみたいなのはフル無視でいいので、「左ページの問題と右ページ全部」を覚えることに集中しましょう。
10周もすればほぼほぼ身につくはず。
これが私の使い方です。
スクランブル英文法の接続
スクランブル英文法の前に使う参考書
- 学校/塾の文法授業
- スタディサプリ
- 大岩のいちばんはじめの英文法
- evergreen等
などなど。
文法のインプットが一通り終わって、基礎知識はインプットされている状態が目安です。
「スクランブル英文法Basic」や「アップグレード」「Engage」の後にやってもいいですが、被りが結構多いのであまりおすすめはしません。
「NextStage」「パワーステージ」とはほぼモロ被りなので併用しない方がいいです。
スクランブル英文法の後に使う参考書
- 全解説 頻出英文法・語法問題1000
- ファイナル英文法
早慶上位を目指すような受験生なら、これで最後の1冊となるようなレベル帯の英文法の参考書を選ぶと丁度いいと思います。
私はこの2つを両方やっていますが、英頻→ファイナルで進んでます。
スクランブル英文法の注意点
①オーバーワークじゃないか
まずチェックして欲しいのは、
- 志望校では文法問題が出題されるのか
- 文法問題のレベルはどれほどか
まず、
「文法問題が出題されない」or「出題されるが勉強する必要がない」場合は、こんな分厚い文法問題集やる必要がないです。
読むための英文法なら最低限アウトプットで知識の定着を図れればいいので、
- 総合英語beの某用問題
- 入門英文法問題精講
- Best400
とか薄いやつをササっと完璧にしてください。
絶対そっちの方が効率いいです。
そして、
文法問題のレベルはどれほどなのか。
ちょっと拾い画なんですけど、基本的にこんな感じの序列が付けられています。
※共通テストでは多分しばらくセンター試験みたいな文法問題は出ないので気にしなくていいです。
自分の志望校に対してスクランブル英文法がオーバーワークになっていないかをよく確かめてから使い始めてください。
思っているよりも、
スクランブル英文法ってハイレベルです。
②全部じっくりゆっくりはNG
よくいますが、
網羅系の分厚い参考書/問題集を全問題じっくりゆっくり解くのはNGです。
最後の問題を解き終わった時には、最初の方の問題全部忘れています。もう復習とかの次元じゃないくらい、綺麗さっぱり記憶がいなくなります。
だから、
まず解き方として、
短期間で何度も触れられるようなシステムで勉強してください。
高速周回でもいいし、適宜復習するシステムでもいいです。
そして次の必要な部分を見極める。
志望校に「発音・アクセント」が出ないならやらなくていいし、単語帳・熟語帳を使っているなら「語彙」「イディオム」はやらなくていいです。
せっかく単元別なんだから利用しない手はないでしょう。
しっかり自分に必要な部分に集中しましょう。
まとめ
今回はスクランブル英文法の紹介でした。
今まで分厚い参考書を批判してきただけに、昔からの購読者さんは少し驚いたかと思われます。ただ、大事なのは自分で考えること。
私が1年後にはまた別のことを言ってスクランブル英文法を批判する可能性だってあるわけです。
客観的に正しい部分
私の意見
それらをしっかり区別した上で参考にしていただければ幸いです。
新高2で大阪大学経済志望です。
参考書ルートを考えたので、アドバイスお願いします。解釈、長文、英作、リスニング等は良いものがあれば教えていただきたいです。また、どの程度まで高2で終わってればいいかもお願いします。
英語
単語 Database3300→4800
文法 真英文法大全とパワーステージ
国語
現代文→プラチナルール、キーワード読解
古文→古文単語315、岡本の古文法→Z会の問題集
漢文→早覚え速答法、漢文道場
数学
基礎問題精講→重要問題集
これらを考えています。
数学は重要問題集より一対一の方が阪大のできずに対してメリットがでかいと思います。終わらなそうなら重問でもいいです。他にいうことはあんまりなさそうです。いいと思います。解釈、長文はおすすめ参考書の記事を出しいているので、サイト内の検索欄に「解釈」「長文」と入れてもらえれば出てくると思います。英作文は新英作文ノートがおすすめ。リスニングはキムタツシリーズがおすすめで、共通テスト用にはプラチナルールがおすすめです。高2でどんくらい終わってればいいかは、正直よく分かりません。自分の高3などいろんな時期の勉強時間的に全部やりきれそうならいいのでは。
質問です
dioさんは、5教科7科目の勉強をそれぞれいつから本格的に始めましたか?
数学は中2夏、英語は高一、物理は高一夏、化学は高2、現代文は高2で一時的に?、古典と倫理政治経済は高3秋です。
高2 慶医志望
英語(特に文法)が苦手でスクランブルをやっているのですが文法だけでなく語法、語彙、イディオムまでやるべきですか
単語、解釈の勉強はある程度済ましたので長文に入るべきか悩んでいます(数学、理科の勉強は順調なのでそこそこ時間はあります)
慶應なら語法・語彙・イディオムまで勉強したいところですが、優先度としては読解演習の方が高いです。慶應の英語で戦うためには最低限「速読」の能力が成長していないといけないので、そちらが優先かなとは思います。
鉄壁をやりこんでたおかげでかなり早くできそうなので、文法•語法•イディオムをちゃんとやることにしました。
1年後また合格を報告しにきます
アドバイスありがとうございました
期待してます。頑張ってください
高2です。医学部志望で、順天堂や国際医療を考えています。
英頻1000やファイナル英文法はオーバーワークでしょうか?
費用対効果は薄いですね。国際医療福祉の文法で稼ぎたいなら英頻をやってもいいですが、順天では長文読解問題ばかりなのでほぼ意味はないかなと思います。別にやる予定はないが余裕があればやる、くらいの優先度でいいと思います。