この記事を公開する頃には、受験シーズンも終盤を迎えているはずです。
(書いてるのは2024.01.28なんですけど)
そこで、
保護者様は特に、そろそろ浪人の準備をしておかなければいけません。
備えあれば憂なし。
浪人情報は少しずつ集めておきましょう。
もちろん、
受験生本人に伝えては悪影響もあると思うし、何より気を悪くすると思うので、内緒です。子供が頑張っている今こそ、親も頑張りどき。
目次
東進は浪人できない???
東進ハイスクール/東進衛生予備校は一般的に現役生のみというイメージが非常に濃い塾/予備校となっています。
実際、
浪人といえば駿台や河合塾で東進という名前はあまり聞かないでしょう。
だから「東進は浪人できない」という根も葉もない噂が出回っているわけですが、
東進には浪人コースあります!
東進のHPにバキバキに宣伝広告が出ています。
まあタイトルでネタバレしてるんですけど。
あと東進に浪人コースがないと記事が成立しないっていう笑
じゃあ
東進の浪人コースとは、なんぞや/どんなもんや?
ということで、
説明していきます!
東進の浪人コース
東進の浪人コース
概要
まず、東進には2種類あります。
いわゆる東進直営の予備校である「東進ハイスクール」と、その他の塾がフランチャイズ契約で東進の名を借りている「東進衛生予備校」の2種類です。
んで、
浪人生用のコースはどちらにもあります。
東進ハイスクールでは、
「高卒生本科コース」
東進衛生予備校では、
「高卒生総合コース」
という名前でやっています。
※東進衛生予備校でも「高卒生本科コース」を設置しているところがあるっぽいですが、割高なのであんまりおすすめしません。
ただ東進衛生予備校の方は結構それぞれが勝手にやっているので、値段設定とか設置校舎とかバラバラなんですね。だから、ちょっとまとめきれない部分がありますがご了承ください。
東進の浪人コース
費用
高卒生本科コース (東進ハイスクール) | 高卒生総合コース (東進衛生予備校) | |
入塾金 | 101,200円 | 165,000円 |
基本料金 | 682,000円* (24講座まで) | 495,000円 (15講座まで) |
担任指導費等 | 基本料に込み | 77,000円/年 |
模試費 | 基本料に込み | 29,700円/年 |
講習費 | 19,250円(90分×5回) 38,500円(90分×10回) | 19,250円(90分×5回) 38,500円(90分×10回) |
追加費用 | 77,000円/1講座 (大学別対策講座など) (15コマの講座は57,750円/講座) | 77,000円/1講座 (大学別対策講座など) (15コマの講座は57,750円/講座) |
合計目安 | 国立:1,367,000円 私立:1,129,400円 | 国立:1,344,200円 私立:1,113,200円 |
※合計目安は、夏期講習・冬季講習・志望校別講座を国立5科目・私立3科目だけ受講し、共通テストは自力で対策する想定で計算してます。講習講座は19,250/講座、志望校別講座は77,000円/講座で計算しています。
※高卒生本科コースの基本料金は新宿校大学受験本科(東大・国公立医学部・難関国立)では763,400円(税込)。新宿校大学受験本科(私立医学部・早慶)では742,500円(税込)です。
高卒生本科コース(東進ハイスクール)も高卒生総合コース(東進衛生予備校)も
基本的に、
入塾金+基本料金+担任指導費+模試費
で通期講座を受講して予備校に通うことができます。
しかし、
夏期講習・冬季講習や、志望校別対策講座・過去問演習講座などは基本料金に含まれていないので、これらはオプションとして付けていきます。
オプションも含めて国立・私立志望の受験生がおおよそ受講するであろう講座を考えて、計算したのが合計目安になります。
見ていただければ分かるように両者に
費用の差はほぼない
です。
ただほぼ同じ費用で高卒生本科コースは24講座まで、高卒生総合コースは15講座まで受けれるので、高卒生本科コース(東進ハイスクール)の方がお得か。
私立でそんなに講座を取ることはあまりないでしょうけど。
国立なら科目数が多いので、高卒生本科コースの方がいいかもしれません。
1つ注意しておくと、
高卒生総合コース(東進衛生予備校)では、「〇〇講座まで受講し放題プラン××円!」みたいな感じを基本料金として売り出しています。
何講座までで何円なのか
が東進衛生予備校は経営母体によって違います。
でも
どの校舎もパックプランはすべてお得。(↑なら、もし15講座受講したら115.5万円かかります。だから50万円ほどお得。)
基本的にMaxプランでも50〜60万円ほどなんですけど、春と秋に1科目につき1講座ずつ受講すると考えると、私立でも6講座はかたい。
その上英語は長文読解やら英文解釈やら文法やら分かれているし、数学も1Aと2Bと3Cで分かれていますから、10講座前後は当然のように受講します。
そう考えたら、
推定77万円かかります。
東進で最後まで浪人しようと決めたら、大きめのパックで購入しておくことをお勧めします。
ちなみに駿台や河合の浪人コースでも140万円ほどかかります。東進はリアル授業じゃない分まだ安い方です。詳しくは↓で。
東進の浪人コース
設置校舎
すべての校舎で浪人コースを設置しているというわけではなく、
東進ハイスクールの高卒生本科コースは
- 新宿校
- 北千住校
- 町田校
- 横浜校
- 柏校
- 津田沼校
- 南浦和校
- 静岡校
- 奈良校
の合計9校舎で設置されています。
新宿校でのみ「新宿校大学受験本科(東大・国公立医学部・難関国立)」と「新宿校大学受験本科(私立医学部・早慶)」の選抜コースが存在します。
東進衛生予備校の高卒生総合コースは、経営母体によります。
- ティエラコム東進衛生予備校
- 東進サテライト
- NSGアカデミー
- 松尾学院グループ
- etc
本当に地元の予備校がフランチャイズ化してたりするので、挙げ始めるとキリがないんですけど、結構多くの東進衛生予備校で設置されています。
「近所の東進衛生予備校の名前 高卒生総合コース」
で検索してみてください。
これでヒットしたらあります。
東進の浪人コース
入塾条件
東進の浪人コースには鬱陶しいことに入塾条件があります。
- 原則1浪のみ
- 入塾テスト(東進ハイスクールのみ)
まず東進の浪人コースは原則1浪の人しか入塾できません。これは高校卒業年度で指定されているので、再受験生はおそらく入塾できないです。例を見たことないのでなんともいないですが…
そして、
東進ハイスクールの方のみ入塾テストを課せられます。(東進衛生予備校も勝手気ままにやっているので、校舎によってはテストあるかも)
ハイスクール限定ではあるが、入塾テストを設けており、それに合格しないとそもそも入塾すらできないことである。ただし、共通テストの答案再現の点数で代用可能。ボーダーも5割(国公立志望の人であれば900点中450点以上,私大志望なら500点中250点以上)であり、入塾テストも3回まで受験可能なので決して難しいボーダーとは言えない(新宿校については後述)。入塾テストは複数パターン(恐らく3パターンほど)存在し、基本的にセンター試験の過去問(旧課程のものも含む)の混ぜ合わせである。時間や配点もセンター試験に準ずる。リスニングはなく、答案再現のリスニングの点数も利用しない。ただし2021年より共通テストに変わったため、問題構成などが変更されている可能性があるので注意。問題はテスト後回収される。
<新宿校>東進ハイスクール&東進衛生予備校wikiより
- 完全選抜制と言うだけあって、ボーダーも他の校舎とは全く異なる(こちらも共通テストの答案再現の点数で代用可能)。
- 東大クラス : 900点中675点以上
- 医学部クラス
- 国立 : 900点中630点以上
- 私立 : 600点中420点以上
- 難関国立クラス : 900点中540点以上
- 早慶クラス
- 文系 : 500点中300点以上
- 理系 : 600点中300点以上
ということで入塾条件は、
東進ハイスクールなら、
- 1浪であること
- 入塾テストで合格すること
(共テレベル5割以上。受験回数3回以内)
東進衛生予備校
- 1浪であること
となります。
現役時に難関校に割と僅差で不合格だったタイプの浪人生は東進ハイスクールに、難関校に大差落ちしたタイプの浪人生は東進衛生予備校に入るべきでしょう。
東進は例によって特待制度があるので、現状の成績に自信がある浪人生は入塾テストを受けた方がお得です。
↓は多分現役生限定なんですけど、一応参考までに。
東進の浪人コース
メリット
東進の浪人コースのメリットを書いていきます。
①質の高い映像授業
東進の授業の質は業界1です。
かつての予備校全盛時代に代ゼミや河合塾など大手予備校からカリスマ講師を引っこ抜きまくり、現在東進に所属する講師は他塾の元エース講師ばかりです。
物理の苑田は元河合の超名物講師ですし、数学の志田晶は全統模試の監修長でした。他にも英語の参考書で一番執筆数多い説のある安河内先生なんかもいて、正直エグいです。
映像授業メインの塾と比較しても、対面授業メインの塾と比較しても、間違いなく東進の講師がNo.1です。
だから、
授業の質は異常に高いです。
正直、
これで理解できないなら集団授業に対する適性が全くないと断言していいほどには、授業の質が高いです。
東進は映像授業形式なので、対面授業では考えられないほど授業の種類も充実しており、自分に最適な授業が見つかる可能性は高いです。
②地理的自由度が高い
そして、
その高品質な授業を場所問わず視聴できる。
これが映像授業の1番の利点。
普通の浪人生向けの予備校ですと、どうしても校舎によって差ができる。特に地方の受験生がいわゆるカリスマ講師の授業を受けることは難しいです。
駿台のように寮に入るか、一人暮らしして都会に出てくるしかないです。
地方の校舎には基本的に人気のない講師しか集まっていないので。
しかも、
授業が自宅でも受けられる。
これによって予備校までの通塾時間の短縮が図れます。通塾時間が短縮できれば、その分勉強時間に充てることができます。
1日往復に1時間かければ1年で365時間。一対一対応の演習を3冊は終わらせることができます。結構な差でしょ。
普通の浪人生は通塾して対面で授業を受けるし、志望校別講座ともなれば開催してくれる校舎まで毎週ちょっとした遠征になります。
ここで他の受験生と差を付けれるのはデカい。
浪人生の「豊富な勉強時間」という大きなメリットを最大限活かせます。
別に家でやる気が起きなければ東進の自習室に行って受講すればいいので、悪いことなし。
③時間的自由度が高い
授業の時間的自由度がエグい高いです。
- 授業中の視点
- カリキュラム上の視点
の2つから話します。
授業中の視点について。
「一時停止」「倍速再生」が有能
東進の映像授業なら、「授業内容がちょっと理解しきれない」「板書をとるスピードが追いつかない」ってなったら一時停止すればいいんです。
理解できるまで思う存分考えればいいし、板書が取り終わるまで画面を停めてしまえばいいんです。
普通の対面授業ならありえないでしょ。
序盤で理解できなかったから、結局1コマ丸ごと理解できなかった
板書を取りきれなくて復習できない
なんて悲劇は起こりません。
逆に、「ここ分かるな〜」「わざわざ解説聞かなくても大丈夫」って思ったら、倍速再生で飛ばせばいいんです。
完全に理解している内容を解説されても時間の無駄でしょ。
一般的な予備校の授業だったら、まず無駄になってしまう時間を有効活用できます。
そして、
カリキュラム上の自由度が高い。
例えば、
大手予備校で「数学1Aと数学2Bを丸々復習したい」と思うと、数学1Aと数学2Bの復習を同時進行しないと時間的に間に合いません。
毎週1回ずつ数学1Aと数学2Bの復習講座を受けることになります。
でも、
これ非効率でしょ。
数学2Bは数学1Aが全部理解できてた方が絶対的に理解しやすい。勉強しやすい。腑に落ちやすいわけですから。
でも東進の映像授業なら、1週間に2回数学1Aの講座を受けて、終わり次第数学2Bに入ることができます。
同じ期間でもより効率的な勉強をすることができます。
夏期講習・冬季講習期間でも普段の通期講座を進めることができるので、夏までに一気に基礎を終わらせて秋は演習に専念することもできます。
つまり自分に今一番必要な勉強を集中的にすることができます。
時間的自由度が高いので、
より個々に効率的な勉強計画で進める。
それが東進の映像授業の圧倒的な強みになります。
④人間関係が希薄
東進はいい意味で友達ができません。
基本的に、
授業を受けるスペースも自習するスペースもすべて自習室型なので、誰かと喋ることがほぼほぼないです。口説きに行けば別ですけど。
だから、
煩わしい人間関係に翻弄されることは滅多にないです。
偏差値がどうだ
この時期でC判定はやばいだ
その志望校はやめとけだ
浪人してそれは意味ない
参考書はこれがいい
講座はこれがいい
そういう余計な他人の声に邪魔されないです。
自分のペースで勉強を貫ける環境は、基本的にどの校舎でも備わっていると言えるでしょう。
でも別にチューターは優しいので悩みをずっと聞いてくれるし、担任はしっかり講座の受講計画を一緒に考えてくれるし、
必要最低限の人間関係は存在します。
邪魔になりうる人間は排除しやすい環境です。
⑤模試の利便性が高い
東進模試の大きな特徴は、
- 返却スピード
- 基本すべての模試を受けられる
東進模試の返却スピードは凄くて、共通テスト型だと中5日とかで返却されたりします。
河合や駿台の共通テスト型の模試だと返却まで1ヶ月以上かかることが珍しくなく、復習はもちろん分析さえもやりにくいです。
期間が空きすぎて問題内容をすべて忘れてしまいます。
しかし、
東進の高速返却ならすぐに勉強計画に活かせるし、復習の効率も高いです。
また
河合や駿台になってくると、浪人生でも受けられる模試が非常に限られてきます。(どういうわけか)
しかし、
東進の模試は「全国統一高校生テスト」を除けば、基本的にすべての模試が浪人生に開かれています。
模試の結果が浪人生の大きなモチベーションになるので、ここは結構重要なポイントで、受けられる模試が多いというのは非常にデカい。
しかも29,700円で受け放題だし。
河合塾や駿台は適宜課金のシステムです。
東進の模試は母数こそ少ないものの、勉強の指標に使うには非常に良い模試です。
東進の浪人コース
デメリット
次は東進の浪人コースの悪いところを挙げていきます。
①自己管理能力がないと絶対ムリ
東進は自分でスケジュールを立てられるし、チューターの先生に手伝ってもらいながら妥当な勉強計画を立てていきます。
でも、
最後に授業を受けるのは自分
授業をサボってしまって、まるで計画通りに進まなかったり。
授業を垂れ流すだけで頭に入らなかったり。
一時停止して居眠りしていたり。
自律心を持って勉強に取り組める人でないと、無限に勉強時間が減っていきます。ミルミル減って、最後には0になります。
現役生用の東進衛生予備校でもそうでした。(私がいたところです)
もうダメな人は本当にダメで、毎週自習室にはくるもののずっと寝てます。来るだけマシなのかもしれませんが。
②自己分析できないと厳しい
東進って講座が星の数ほどあるので、東進側におすすめされるがままに受講していくとエグい金額になります。
余裕で150万円を超えます。
私の母のパート先のお子さんが名古屋の東進で浪人していたらしいんですけど、国立志望で科目数が多いことも相まって、冬季講習前に150万円超えたそうです。
金銭的な問題もそうですし、
単純に消化不良になります。
授業ってのは取れば取るだけいいわけではなくて、しっかり復習できる範囲内で取れば取るだけ伸びるという仕組みです。
自分に必要な勉強をしっかり分析できていないと、
無駄の多い不適切な講座をたくさんとるハメになって、結果として勉強が思うように結果に結びつかず、不合格という結果に終わります。
自分の不足分を分析できる人
でないと東進に搾取されて終わります。
まとめ
現役時代に東進で失敗した人は、違う予備校にしましょう。
1年間維持できる強い意志と自分に不足した能力を補うための明確なビジョンを持って浪人した人は東進を使いましょう。必ず効率的な勉強ができます。
資料請求リンクを貼っておきます。
あと駿台と河合の比較記事も。