浪人シリーズです。
やっぱり後期試験の後から悩み始めて資料請求しても、枠が埋まって希望のコース/校舎に入れなかったりするので、浪人の予備校選びは早め早めに考えましょう。
選択肢だけでも絞っておくとベストです。
で、
今回は通信教育対決。
進研ゼミ vs Z会
目次
進研ゼミ/Z会の浪人の比較
合格実績
進研ゼミは現役生のみの合格実績、Z会は購読している人全体の合格実績になります。
進研ゼミ | Z会 | |
東大・京大 | 152 | 2,273 |
旧七帝大 | 830 | 4,142 |
国公立 | 8,246 | 6,980 |
早慶上理 | 1,181 | 7,284 |
MARCHG | 2,674 | 5,688 |
関関同立 | 2,356 | 3,870 |
日東駒専 | 2,091 | 記載なし |
※大差のある部分は黄色
Z会は駿台と協力関係にあり、駿台の一部講座にZ会の添削機能を付けることで、駿台の一部の生徒の合格実績を横取りしていること。
進研ゼミに浪人生がいないこと。
を考慮しても、
難関大学の合格実績には大きな差があります。
旧七帝大や早慶上理レベルでは5〜10倍、MARCHGや関関同立でも2倍近く、合格実績の差があります。MARCHG以上を難関大とするならば、
難関大学は圧倒的にZ会が強い
ただ逆に、
Z会は早慶上理以下の大学になると合格者数が一気に減っていき、日東駒専に至っては合格実績の記載がありませんでした。
おそらく合格者数が非常に少ないのでしょう。
日東駒専以下は圧倒的に進研ゼミが強い
難関大学に合格したくて浪人する人が多いでしょうから、合格実績から、一般的に浪人生はZ会の方がいいという結論が得られます。
もちろん、
日東駒専レベルを第一志望校に浪人する場合は進研ゼミの方が合格実績があるので、進研ゼミの方がいいでしょう。
設置コース
〇〇大学に強い/弱いの前に、そもそも対策コースが設置されてなかったりするので説明します。
進研ゼミは、
コース | 対象大 |
---|---|
東大・京大 | 東京一工・国公立医学部 |
難関国公立 | 旧七帝大・国際教養大・筑波大・千葉大など |
国公立スタンダード | その他国公立 |
早慶上智 | 早慶上理・国際基督教大 |
難関私大 | MARCH・関関同立 |
私大スタンダード | 日東駒専 |
受験ベーシック | 日東駒専未満 |
共通テスト専用 | 共通テスト用 |
合計8コースで基礎〜東大まで様々なレベル帯に対応しています。
特定の大学専門のコースというものはなくて、大雑把にレベルで分類されているだけです。そのため大学によって個性の強い問題が出る難関大学への対応力が低いと思われます。
逆に言えば、
日東駒専レベルまでなら同じような典型問題が出題されやすいので、1コースの勉強で一気に複数の大学を取れる可能性があります。
下位国公立・MARCHクラスでも基礎を固めるには最適でしょう。
Z会は
コース | 対象大 |
---|---|
東大・京大 | 東大・京大 |
早慶 | 早稲田・慶應 |
最難関 | 一橋大・東工大・旧七帝大・上位国公立 |
難関 | 下位国公立・MARCH・関関同立 |
合計4コースと少ないですが、ハイレベルな大学に絞って展開しているので、むしろ難関大に関してはレパートリーが豊富。
東大・京大と早慶は特別扱いで、わざわざ別にコースが用意されています。
日東駒専以下の大学には一切対応しておらず、もしするなら「難関コース」を受講するしかないという状況です。
進研ゼミは広く浅く
Z会は難関校に狭く深く
対応しています。
志望校別で言えば、
東大・京大・早慶を目指すならZ会
下位国公立・MARCHを目指すなら進研ゼミ
下位国公立やMARCHなど基礎〜標準的な典型問題を多く出題する大学では、進研ゼミの方が対応できると言えます。
逆に、
東大・京大・早慶などハイレベルで特徴的な問題を多く出題する大学では、大学それぞれへの集中的な対策が有効なのでZ会の方が適しているでしょう。
費用
進研ゼミの費用は↓
科目数 | 1科目の料金 (合計料金) |
1科目 | 10,860円 (10,860円) |
2科目 | 5,945円 (11,890円) |
3科目 | 4,266円 (12,800円) |
4科目 | 3,402円 (13,610円) |
5科目 | 2,858円 (14,290円) |
Z会の費用は↓
「高校生〇〇コース」となっていますが、「受講会費・受講環境(2024年度大学受験生向け講座)」に記載されていたので、浪人生も受講できるはずです。
1〜2科目取るならZ会
3科目以上取るなら進研ゼミ
の方が安い
得点分布に偏りがあるタイプ。自分の弱点が明確になっており、ピンポイントで苦手な科目のみ狙い撃ちで強化したい場合はZ会の方が優れています。
一方で、
全体的にダメなタイプ。すべての教科を全体的に押し上げていく必要がある場合は、進研ゼミの方が安上がりになるでしょう。
教材の質
進研ゼミ | Z会 | |
教材の質 | ○ | ◎ |
レベル | 基礎〜標準 | 標準〜応用 |
Z会の教材の質は非常に高いです。
Z会の1題は市販の問題集3題分に匹敵すると言われるほどに、問題を厳選して作られたテキストです。
これは私自身駿台のZ会付属講座に在籍していたからわかります。Z会の問題は非常に学習効果が高く、復習しがいのある問題を厳選してきます。
そのため問題数こそ少なくなりますが、
逆に集中的に勉強すればいい問題が明確になり、効率的に成績を上げることができると言えます。
Z会の教材は比較的ハイレベルで、教科書レベルの勉強は既に完璧だという前提の上で進んでいきます。
そのため、
基礎から不安な人がZ会の厳選された問題を使っても、普通に意味不明で時間の無駄になります。
Z会の問題が最大限その効果を発揮するのは、基礎〜標準レベルの内容をしっかり学習して定着している受験生になります。
一方、進研ゼミの教材は良くも悪くもクセのない問題です。
基礎〜標準レベルの問題を比較的大量に解かせていくシステムです。
質より量を。
実際基礎〜標準レベルの内容を定着させるにあたって、それは適切であり、細かい質はいいから類似問題をひたすら解きまくる方がいいです。
基礎は定着済み→Z会
基礎から復習希望→進研ゼミ
サポート体制
進研ゼミ | Z会 | |
添削の質 | ○ | ◎ |
質問返答時間 | ほぼ翌日 | 9日 |
質問方法 | ・ネット上 ・郵送 | ・郵送 |
添削の質は圧倒的にZ会が強いです。
Z会はほぼほぼ予備校の模試の次元で記述答案を採点してくれて、採点基準も明確です。採点者がどこがダメなのか、事細かに丁寧に書いてくれます。
Z会のHPに載ってるやつなんですけど。
添削結果はここで見てください。
Z会はこの添削の質を売りにしている部分があるので、さすがにクオリティは高い。
どこがどうダメなのかを逐一丁寧に教えてくれるのが、独学者としては本当にありがたくて、私も現役時代に重宝しました。
進研ゼミも赤ペン先生に「ここがわからなかった」と書けば、丁寧な回答はもらえますが、基本的にはZ会の方がいっぱい書いてくれます。
質問のしやすさは断然進研ゼミ。
まずネット上で質問できる進研ゼミの方が圧倒的に強い。
問題を写真で撮って送信するだけで、基本的には翌日に回答が返ってきます。郵送もできますが、あまりメリットはないかも。
一方、
Z会は郵送でしか質問できず、回答が返ってくるまでに約9日間かかります。
遅い!
質問内容を忘れてしまいます。
添削の質はZ会
質問の容易さは進研ゼミ
です。
比較のまとめ
今までの話をまとめると、
進研ゼミ | Z会 | |
合格実績 | 日東駒専以下 ◎ 国公立○ | 旧七帝大◎ 早慶上理◎ MARCH◎ 関関同立○ |
コース | 下位国公立 MARCH・関関同立 日東駒専以下 に強い | 東大京大 早慶 上位国公立 に強い |
費用 | 3科目以上なら 〜4,200円/講座 | 約5,000円/講座 |
教材 | 質より量 | 量より質 |
サポート体制 | 添削○ 質問回答 翌日 | 添削◎ 質問回答9日間 |
基本的には、
志望校のレベルで進研ゼミにするかZ会にするか決めていいかな
というところ。
ただ、
個人的に「質より量/量より質」や「添削が丁寧な方がいい」「質問がすぐ返ってこないと無理!」などの事情があれば、適宜考える感じですかね。
費用の差額はさほどないので、
気にしすぎる必要はないかなと思います。
難関大→Z会
中堅以下→進研ゼミ
が基本でしょう。
進研ゼミ/Z会の浪人の共通点
今までは進研ゼミとZ会の相違点ばかりに注目してきましたが、そもそも進研ゼミ/Z会で浪人するメリット/デメリットを確認しておきましょう。
進研ゼミ/Z会での浪人っていうのは、
宅浪と予備校の中間
です。
自宅で予備校のテキストを進めていく、みたいな感じです。
進研ゼミ/Z会の浪人
メリット
- 費用が圧倒的に安い
- カリキュラムを管理される
- 時間的自由度が高い
- サポート体制がある
まず費用は圧倒的に安いです。
予備校に通うとなれば、浪人生は150万円程度を覚悟しなければいけません。医学部を目指すと平気で500万円くらいかかります。
国公立志望で全科目受講するとなっても、進研ゼミ/Z会はせいぜい30〜40万円には収まるでしょう。
費用面では圧倒的に安いです。
これは間違いなく大きなメリットでしょう。
次にカリキュラムを管理してもらえること。
Z会/進研ゼミ側が毎月指定の教材を送りつけてくるので、どの時期になんの勉強をすれば志望校に合格できるのか考える必要がないです。
自宅浪人では何を勉強するか、どこまで勉強するか、というのを自分で調べて決定し、参考書を選んでこないといけません。
現役時に不合格をもらった身で自信を持ってカリキュラムを作成できるような、鋼に毛の生えたようなメンタルを持っている浪人生はいないでしょう。
絶対に途中で疑心暗鬼になります。
あと単純に正しいカリキュラムを作成できない可能性が高いです。
勉強計画の立て方は↓の記事で解説していますが、やはり素人の限界はあるもので。特にメンタルが不安定な浪人生が自信を持って作り切れるとはなかなか思えない。
やはり受験指導のプロにカリキュラムを作成してもらえる安定感は大きいでしょう。
そして、
時間的自由度が高い。
Z会/進研ゼミから届く教材は1週間で全部やりきって残りの3週間は他の参考書をやっていてもいいし、コツコツZ会の教材を何周も復習してもいいし。
午前中にZ会をやってもいいし、夕方にやってもいいです。
自分にとって一番効率がいいと思えるスケジュールで勉強することができます。
予備校では毎日の時間割が決定されて、朝型・夜型問わず8:00〜15:00とかで拘束されるわけですが、進研ゼミ/Z会ならいつやってもいいです。
大枠は決めてもらっているので、あとは自分の好きな時間に好きな量だけ進めればいい。
非常に勉強しやすいでしょう。
で、最後に、
サポート体制がある。
浪人生はどうしても不安になるし、自宅浪人では勉強についての質問さえ回答してくれる人がいなくなってしまいます。
でもZ会/進研ゼミに入っていれば、
受験上の不安や悩みを相談することだってできるし、勉強についての質問もすることができます。
強い味方ができる点で自宅浪人より圧倒的にいいでしょう。
進研ゼミ/Z会の浪人
デメリット
- 自力で教材を進められること前提
- サボらないこと前提
- 疑問点の解消に時間がかかる
- モチベーションが少ない
まず進研ゼミ/Z会を自力で進められることが前提条件です。
一人で解説を読んだらどの問題も理解できる。
添削内容も読めばわかる。
そういうレベル帯の人でないと、いちいち疑問点の解決に無限に時間がかかってしまうので、かえって非効率となります。
最低限の理解力と基礎力
というのが大事になってきます。中学レベルはさすがに大丈夫でないと、天下の進研ゼミさんも手に負えません。
またサボらないことが大前提。
別に進研ゼミ/Z会って定期的に教材が送られてくるだけで、サボろうと思えばいくらでもサボれます。添削期限も結構あるし。
自律心がない人が誰の監視もない家で勉強すると、間違いなく堕落します。
楽な方へ逃げます。
教材が溜まって。添削問題も溜まって。一日中スマホ触って、罪悪感の中ベッドに入る毎日を繰り返すことになります。
現役時代に自分で勉強できないな、って思った人はすんなり予備校に入りましょう。
最後にモチベーションが少ないです。
隣で勉強している仲間もいなければ、判定を競い合う模試もない。発破かけてくれる講師もいないし、志望校に合格したチューターから話を聞く機会もない。
一人で黙々と勉強しないといけません。
多分想像以上に辛いです。
普通の予備校で浪人している人でさえ、あんなに苦しんでやっと志望校に合格するのに、通信教材のみで浪人するのは茨の道。
模試は外部のものを受けるとしても、
日々の勉強の支えになるようなちょっとしたモチベーションが少ないのがデメリット。
まとめ
進研ゼミ/Z会での浪人を比較しました。
どちらにも一長一短あるので、ぜひ自分に適した方を選んで浪人できたらいいと思います。
そして、
そもそも進研ゼミ/Z会で浪人することがベストな選択なのか。
もじっくり考えてみてください。
では。
こんばんは、自宅浪人生です。数学の勉強についてお聞きしたいことがあります。
元々は参考書を使って最初からやり直していたのですが、Z会に入れさせてもらいタブレット学習メインに変えました。 そこでZ会のタブレットで高1の範囲からやり直したいと考えたのですが、参考書と内容が被るかもと思うとどちらを選べばいいか決められなかったため、dioさんのご意見を参考にしようと思いコメントしました。
参考書は 基礎問題精講→1対1→発展系問題集(プラチカ、やさ理など)の予定でした。
志望校は旧帝大です。
私は参考書の方がいいと思いますが、結局どちらかに絞って極めることが大事です。どちらを選んでもしっかりやりこめば結果は出ると思います。
承知しました。参考書学習で通そうと思います。大先輩のご意見ありがとうございました。
一応、気になるので参考書学習の方を選ばれた理由も教えて頂けないでしょうか?よろしくお願い致します。
Z会単体で難関校に合格するサンプルを見たことがないからです。