お久しぶりです。
多分記事を更新するのは開示報告以来とかなので、だいたい1年半ぶりくらいですかね。いや〜、全然まとまった時間が取れなくて申し訳ございません。
この一年半はですね、しっかり東大生として大学生活を楽しみました笑
毎日遊び呆けていたわけですが、
いよいよ教養学部が終わり仲間たちもみんなバラバラの学部に進むので、遊ぶ頻度が減って時間に余裕が出てきた次第でございます。
ということで、
今回はずっと書きたかった英作文の参考書紹介です!
※毎度のこと太字だけ読めば大筋はわかります。
目次
英作文で高得点をとるために
まず、英作文で高得点を取るために知っていてほしいことを語ります。
もちろん「自由英作文」と「和文英訳」で厳密には違いがありますが、前者のための勉強が結果として後者の勉強を含みます。
また最近の大学入試だと「自由英作文」の出題が増えてきています。
ので、
自由英作文を念頭に話していきます。
英作文の採点方法をしれ
最初に知ってほしいのは英作文の採点方法です。
自由英作文は基本的に
- 内容面の段階評価(A,B,Cなど)
- 文法ミスへの減点評価
の2方向から採点されることが多いです。おそらくは、大学受験でも多くの大学が同じ方式をとっていると思います。(それくらいしか正当評価の方法がないので)
例えば、
「ん〜この英作文の内容は論理的に完璧とはいえないしB評価で初期点16/20点として、文法ミスが3つあるから6点減点。総合10点。」
みたいな決め方です。
「内容面の段階評価」は英作文中の論理的妥当性や主張のわかりやすさ、読みやすさを評価する場合がほとんどです。
「主張→理由→具体例→まとめ」みたいな決まった構図に当てはめれば、よっぽど突拍子もない主張をしない限り問題ないはずです。
これで英作文全体に与える満点を決めます。
そして、
「文法ミスへの減点評価」はそのまま、文法ミスやスペルミスを減点していきます。
冠詞のつけ忘れ、三単現のs、前置詞のミスなんかがありがちです。これは先ほど決めた満点から適宜減点する形です。
和文英訳なら「文法ミスへの減点評価」のみで決まります。
これを踏まえるだけでも不透明な自由英作文で注意すべき点がだいぶ意識できますね。(ここを意識して普段勉強しているか、漫然とやるかの差が大きい)
英作文に必要な能力
「上を読んでたら、内容を考える力と、文法ミスしない力の2つに決まってるやん!」
って感じなんですが。もう少し細分化します。
内容を考えるにあたって
- 適当な理由や具体例を見つける能力
- ↑を見つけやすい簡単なテーマを見つける能力
の2つが大事です。
まあ慣れでなんとかなることが多いです。
ただこれも、しっかり構造を意識することで反省することができるので。とりあえず紹介しとく形です。
こっちが本題です。
「文法ミスをしない」と聞くと、知っている文法知識の数が大事な気がしてきます。しかし、実はそれはあんまり関係ないです。
そんな重箱の隅をつつくような知識は全部無視して、中学生レベルの文法さえわかっていれば書けます。
だって、普段英作文書いててそんな文法ゴチゴチの文書かないでしょ。
必要なのは、
- 確実に使える単語力
- ストックされた例文
英作文は、「知っている英文の単語を入れ替える」ことで一文一文作っていくのが基本です。まあ文単位でなくても熟語や大きな括りをコピペする感じです。
そんな0から生み出すことはあまりないです。
既存の英文を使えば文法ミスのリスクは0です。
だから、
ストックされた例文が多い人が圧倒的に有利です。見たことのある文しか書かないのが大事。そして、その文の単語を入れ替えるときにミスをしない。
それは他動詞なのか自動詞なのか。自動詞なら続く前置詞はなんなのか。そこまで確実に覚えている単語のみ、英作文で使えます。
だから「難しい単語や文法をただ知っている」くらいなら、「簡単な単語と例文を完全に使いこなせる」を目指すべきです。そして、後者で十分戦えるのです。
となると、
良質な例文をポイントとともに覚えていく方がいい。
自由英作文そのものの練習は構成や内容を練る意味では必要ですが、実はそんなにやりこんでも英作文を書く能力自体は上がりません。
だって、
自分の脳から知識が出てくるだけだから。つまりアウトプットだけだから。
英作文のおすすめ参考書①
「竹岡広信の英作文が面白いほどかける本」
おすすめ:★★★★★
ページ数:432P
対象者
- 時間に余裕のある人
- 英作文を独学の人
- ガッツリ深い解説してほしい人
- 誤答例や他の表現も気になる人
ゴリゴリにおすすめなのでぜひ!
特徴
「竹岡の面白いほど書ける本」の特徴として、
- 尋常じゃない量の別解紹介
- 注意すべきポイントをしっかり解説
- 良質な例題60個
まず1.「尋常じゃない量の別解紹介」、2.「注意すべきポイントをしっかり解説」について。
基本的に模範解答が1通りではないです。日本語の「〜〜」っていう表現は英語にすると3パターンくらいあるよねって紹介してくれます。
だから言い換え対策(表現が重複するのはよろしくない)にも生きてきます。
しかもついでに誤答例も紹介してくれるので、独学者には死ぬほど有難いです。
また「a few」は「少ない」という否定の意味より「少し〜ある」という肯定の意味で使い、「少ない」なら「few」ですよ。
みたいな毎回注意すべきポイントをまとめて解説してくれます。
独学者としては願ったり叶ったりです。
ほぼ塾の名物講師の板書や解説そのまま
みたいなイメージです。
こちら使用者のレビューですが、
神。
studyplusレビュー harukin.tのコメントより
1つの問題に対して、5つぐらいのポイントに3通りくらいの書き方が載っているから、合計243通りくらいの答えになる。それくらい答えが充実してるし、誤答例とかも載ってて、自分の解答の正誤がわかりやすい。これじゃダメなの?ってなりにくい。
和文英訳の勉強をしてこなかった自分としては目から鱗のことが多かった。これダメだったのか!って感じ。
和文英訳で点取りたいならやってみていいと思う。
(実はこのharukin.tっていうのが東大文系数学1位だった私の高校同期の親友なんですが、その話は割愛。はい、友達自慢です笑)
という感じで、
ちゃんと実力者からも評価されている良書になります。
もう時間あるなら全員使うべき!!!
使い方
2原則/day
目安期間:6ヶ月
- 例題を自力で解く
- 解説を熟読
- 模範解答を5回音読
(軽く解説しながら)
ひとまず練習問題はやらなくてもいいでしょう。例題だけでかなりの問題数があるので。
まず自力で解いて、自分の弱点はしっかり炙り出しましょう。間違えた経験も新しい表現を覚えるきっかけになったりもします。
そして解説を熟読します。
次見やすいようにマーカーなども適宜引いていきましょう。なんならノートに別解表現だけまとめてもいいと思います。(日本語とかまで書き始めると膨大な時間がかかるので)
最後に模範解答を音読。
「〜っていう日本語表現は〜で訳していく。この表現は〜と〜に置き換え可能。〜はこういう理由で使えない。」
みたいに自分で軽い授業をする感覚で。
そうすることで記憶はしっかり定着します。
最終的には例題の模範解答や原則、ポイントを全てインプットした形にしたいので、
5周回+音読
を目安にしています。
英作文のおすすめ参考書②
「新・英作文ノート」
おすすめ:★★★★★
ページ数:63P
対象者
- 時間が全然ない人
- 解説は簡潔なものがいい人
- 間違いやすい表現のまとめがほしい人
- 正しい英語表現をストックしていきたい人
特徴
- 25の超優秀例文を厳選
- 正しい表現を問題形式で習得
- 演習問題も充実
この参考書は死ぬほど薄くて安い(400円?)です。
でも私は東大受験本番までに15周くらいしてます。(高一でやって、高三でもう一度有能さに気づいてやり直したんですよね)
本当に品質は保証します!
まず「新英作文ノート」は見開き1ページで1テーマが簡潔して、全部で25テーマあります。
左ページは「例題→解説→演習問題」とよくある英作文の参考書を圧縮した構図になっています。
「ページ数も少ないし、左ページだけだし網羅性低いんじゃないの?」
と思うかもしれません。
しかし実際はそんなことないです。
もちろん、表現の多様性(別解の数)では多少劣りますが、1テーマに竹岡でいう原則を2,3個詰め込んでいるので、網羅度は同じか少し劣るくらいになっています。
そして、
右ページがとても優秀。いろいろな熟語表現や前置詞のパターン、動詞の使い分け(forgive,permit,allowなど)を練習できます。
英作文、特に和文英訳で狙われやすいようなフレーズや単語をまとめて整理できるので、これだけでも買う価値ありです。
各テーマに2問の練習問題がついているし、章末にも練習問題があるので演習には困りません。
唯一欠点を挙げるとすると、
多少解説が簡素なので、「この表現じゃあダメなの?」という疑問は生まれてしまうかもしれません。
ただインプット教材としては尋常じゃなく強いです!
使い方
2テーマ/day
目安期間:3,4ヶ月
- 例題を自力で解く
- 解説を熟読
- 音読5回
- 練習問題
- 右ページを解いて暗記
薄いので、章末問題以外は全てを吸収するつもりでやりましょう。章末問題は余裕があればやる形でも学習効果は損なわないはずです。
右ページが意外と重いので、やはり
5周回+例文暗記
を目安にします。
例文の日本語訳を読んだら、参考書のポイントを全て復元しながら解答できる。そして右ページの問題も解説しながら解答できるレベルがゴールです。
英作文のおすすめ参考書③
「英作文のトレーニング」
おすすめ:★★★★☆
ページ数:232P
対象者
- 英作の勉強はしたいけど、
特別重点的でなくていい人 - そこそこ時間がある人
特徴
- ちょうど「竹岡の面白いほど書ける本」と「新英作文ノート」の中間
- Z会での誤答例を添削する形をとる
- 生徒と先生の対話形式
50テーマ100例題なので、ボリュームはそこそこあります。が、竹岡ほど別解や別表現の解説はないです。1例題に対する解説は「新英作文ノート」くらいで、例題数が多いって感じ。
Z会の通信添削システムの方から、過去に存在した英作文の誤答例をそのまま引用して、それを解説するスタイルをとっています。
同じミスをしていた時の理解度は高いでしょう。
ただ特別他に特筆すべきメリットもないので、★4にしました。
「知識の整理」という点では、やはり上2つの参考書には劣るでしょう。他の参考書と比べれば、割と綺麗にまとまっているといえるのでおすすめしてます。
ちなみに「自由英作文」特化で勉強したい場合は↓で勉強できます。必修編や新英作文ノートなど例文と知識のインプット後にやれば効果は高いでしょう。
使い方
「竹岡の面白いほど書ける」と使い方はほぼ同じなので省略します。
英作文のあまりおすすめしない参考書
よく大学受験ブログやサイトで紹介されている「ドラゴンイングリッシュ」です。
例文が全部で100題載っていて、これを全て覚えてアウトプットすることで自由英作文などでもスラスラ書けるという代物です。
しかし私的には
例文の質がそんなによくない。
- 例文が3行とかで割と長い
- 例文の汎用性が微妙
- 上の参考書よりは整理されてない
例文は短く、重要ポイントをたくさん含んでいることが大事です。ただ「ドラゴンイングリッシュ」の例文は結構長くて覚えにくいし、重要ポイントが少なめです。
だから、
その例文が他のシュチュエーションでも使えるか、というのが微妙。
記憶量に対して得られるメリットの少ない例文が多いかなと思います。
また、
日本語の「〜〜」表現は英語の「〜」か「〜」で表す。みたいな知識の整理がそこまで丁寧ではないです。だから、頭の整理はなされないかなって思います。
まとめ
久しぶりの投稿でぎこちない部分もありますが、許してください。
またちょくちょく気が向いたら投稿していきます。
暇だったら見にきてください。
こちらはそもそも英作文をどう書いていくか、という内容の記事になります。よろしければぜひご覧ください。
以下、関連記事です。
高2です。
私の英語の前提レベルは、全統偏差値74、共テ9割5分です。
Polaris2をやってみたりしたんですが、簡単でした。
英語の長文の参考書で何をやればいいかわからないので教えてほしいです。
レベル別5,6と全レベル5,6とハイパートレーニング3とポラリス3とキムタツの難関大編とイチから始める700とrise4あたりはある程度演習になると思います
返信ありがとうございます!やってみます。
あと英文解釈の本についてなんですが、今のレベルで透視図できると思いますか?
英文解釈100とかやりましたが、簡単で挫折しました。
またdioさんは透視図やりましたか?やったならいつぐらいに取り組んだか教えてほしいです!
透視図できるか、という質問ですが、できると思います。基礎100が完璧なら、透視図の前提レベルとして大丈夫です。私は透視図はやってなくて、ポレポレで終わってます。透視図をやるなら、過去問の前に本番レベルの長文演習をやると思うので、それまでには終わらせておきたいです。
高三東大志望、英語90点目標です
長文の参考書
全レベル5,レベル別6,全レベル6,ポラリス3,キムタツ私大、キムタツ国公立
をやっていく予定ですが、
1、私立は早慶1学部ずつ受け、後期に東北大を受けます。
この受験校的に、どの順でやるのがいいのでしょうか。
(キムタツやポラリスを何処に入れればいいか不安で、かつて使用していたdioさんに聞いている次第です)
2.また、この他に代ゼミ、河合、駿台の模試過去問をやる予定です。
時間がなくて省くとしたどれを省くことをオススメしますか?
自分は全レベル6、ポラリス3を省こうかと思っています。模試過去問は省く予定はないですが、模試過去問を省いた方が良いのでしょうか。
3.dioさんは他にもsolution、英語長文出題パターン3をやっておられましたが、これらは上の参考書を変えて、やるべきでしょうか。(その位オススメですか?)
ここら辺の話は信頼できて、実際にやった人しか参考にしたくないので、dioさんに聞きました、
長々すみません。回答お願いします。
1.全レベル5、全レベル6、レベル別6、キムタツ国公立、キムタツ私大、ポラリス3。とかにしますね。基本、レベル別と全レベルで同じ番号なら全レベルの方が簡単です。あとキムタツ私大、ポラリス3は長文が1,000wordsくらいあって、しかもしんどい文章なので、本文そのものの難易度は結構えぐいです。一方国立対策の方は、設問的な難しさが少しあるだけなので、順当に英語力を培っていれば簡単に感じるはず。
2.優先度的には模試過去問<<ポラリス3<全レベル6くらいだと思ってますけど。模試の過去問は悪くないですけど、問題への慣れで上がる気配がないなら、問題集しっかりやりこんで英語力そのものを上げる方がいいとは思います。自分は英語の模試の過去問はやってません。
3.solutionや英語長文出題パターン3は全然上の参考書に及ばないので使わなくていいです。キムタツが演習教材としてはかなり優秀でした。音読いっぱいできるし、量確保されてるし。
ありがとうございました。
めちゃくちゃ参考になりました。
英作文の記事ありがとうございます!!
めちゃくちゃためになります、、ずっと待ってました!!
dioさんは受験生の神です、自分の受験が終わったのに私たちのことを考えて更新してくれるところも好感度高すぎます、、
お忙しいと思うのですが、これからもよければ記事更新してくれるとありがたいです!!
これを励みに勉強頑張ります。
おかえりなさい!
とてもうれしいです!!
現在中高一貫ですが、数学がめちゃくちゃ苦手で…
それなのにすでに学校が数Ⅰ・Aに入って途方に暮れてました。
でも、このサイトを見つけてdioさんのやり方を信じていたら
なんとか学校についていけるようになりました。
自分も東大理三志望です!
憧れます。
これからも更新していただけるとほんとに嬉しいです。
英作文の記事、待ってました。
これからも、記事の更新を
楽しみにしています!
久しぶりの記事更新、一読者としてとてもうれしいです!!!
例解和文英訳教本というシリーズが面白かったので見てみてください!!!