大学受験 英語

英文解釈の革命!『肘井学の読解のための英文法』の使い方&レベル。

投稿日:

 

私が大学受験をした時には一切有名でなかった英文解釈の参考書、

肘井学の読解のための英文法

という参考書を紹介します。

 

非常にエグい。

素晴らしい参考書。

大学受験界隈では英文解釈の革命と言われているレベルで、完成度の高い英文解釈の参考書となっております。

 

自分が現役時代なら間違いなく使っていたので、ぜひ見ていってください。

 

 

 

目次

肘井学の読解のための英文法
基本事項

肘井学の読解のための英文法
対象者

「肘井学の読解のための英文法」がおすすめな人は以下のような人になります。

  • 英文解釈の初学者
  • 文法は勉強済み
  • 長文や和訳問題が伸びない

 

英文解釈初心者に非常におすすめ。

英文解釈って英文法と何が違うの?
SVOCとかからわからないんですけど
小難しい文法用語だけでの説明が嫌い!

などなど、

英文解釈に対してまったく経験・免疫がない人でも非常に使いやすい参考書になっていますので、非常におすすめ。

「所有格が〜〜」とか「関係代名詞の制限用法が〜〜」みたいに文法用語ばかりで解説されるのが苦手な人には、ぜひ使ってほしい1冊。

 

ただ文法は既習済みの人が対象です。

「英文法の知識0です!」という人が使用しても、そもそも英文解釈の勉強を進められないので、大きな効果は得られないでしょう。

早慶レベルの難しい文法知識はなくていいので、読解に必要最低限の知識

つまり、

教科書レベルの英文法知識は最低限習得してから使うようにしてください。

文法問題集を1冊仕上げているとベストです。

 

長文や和訳が伸びない人!

それは英文解釈の勉強がうまくいっていないからかもしれません。

英文解釈とはいわゆる「精読」の勉強。英文1文1文の構造を正確に理解し、正しい意味を判断していく勉強になります。

「速読」とは「精読」を考えなくてもできるようになるまで高速化したもの。

これができれば伸び悩んでいた英語の点数も飛躍的に伸びるでしょう。

 

 

 

肘井学の読解のための英文法
レベル

英文解釈について

前提レベル:0
到達レベル:MARCH合格

 

英文解釈の前提知識は本当に一切なくていいです。「基本はここだ」もいらないです。英文解釈の初歩の初歩から教えてくれるのでご安心ください。

英文解釈としての最初の1冊にあたる参考書です。

 

到達レベルはMARCH合格レベル。

共通テストの長文は難なく読めて、MARCHの英文も合格点レベルでいいなら読解できる、という英文解釈のレベルになります。

早慶は少し厳しいくらい。

大学受験標準〜やや難レベルの英文解釈問題は解けるようになります。

 

その他前提レベルとして、

単語レベル:中学英単語
文法レベル:高校教科書レベル
長文レベル:0
リスニング:0

 

単語は中学英単語が完璧なら普通に理解でき、高校1年生レベルの単語力があれば十分なので、ちゃんと高校受験で勉強した人ならすぐ使い始めて大丈夫です。

速読英単語入門編やシステム英単語Basicの前半、ターゲット1200が完成していれば、単語で困ることはないでしょう。

文法も最低限、高校レベルの英文法を一通り勉強し終わっていればいいです。

スクランブル英文法を完璧になっている必要はなく、入門英文法問題精講や総合英語Beの付属問題集レベルができていれば理解できます。

 

 

 

肘井学の読解のための英文法
内容

ページ223ページ
章/テーマ5章/33テーマ
例題183題
確認問題137題
発展問題38題
合計358題

一見すると非常に問題数が多く感じますが、英文解釈の技術やポレポレなどと違い、短文での英文解釈練習なので想像以上に軽いです。

詳細を見ていきましょう。

 

「肘井学の読解のための英文法」は5章・33テーマからなります。

 

上の画像を見てもらえればわかると思いますが、英文解釈的に大事な要素33個に分けて、個別に解説してくれます。

 

それぞれのテーマは、例題・確認問題・発展問題からなります。

各テーマ例題4〜7題、確認問題3〜5題、発展問題1〜2題で構成されています。短文の例題を解説しながら、英文解釈のポイントを解説していく形式です。

解説の途中では合計50の重要ポイントがまとめられているので、知識の整理もしやすいです。

また「英文図解」という太枠の中で英文構造が視覚的にわかりやすいように、図でわかりやすい説明がなされています。

解説が終わると、そのテーマで学んだ内容をアウトプットする確認問題と、少しハイレベルな発展問題が列挙される形になります。

これで1テーマ終了。

 

 

 

肘井学の読解のための英文法
特徴

「肘井学の読解のための英文法」は、

「基本はここだ!」と「入門英文解釈の技術70」を合体して、単語レベルを下げ、解説のクオリティを上げた感じです。

というのは押さえて帰ってほしいです。
(書くとこなかったので、ここに書いておきます。)

 

①基礎から応用まで丁寧

「肘井学の読解のための英文法」では本当に基礎の基礎から教えてくれます。

一番最初の章は「SVの発見」ですよ!
これに12ページ割いてます。

こんな英文解釈の参考書は滅多にないです。

例えば、テーマ09の「-ingの識別」では
Learning to read a language is best taught in the classroom. 
という基本的な例題からスタートします。
最終的には、上にあげている
There are significant differences between learning and teaching existing mathematics and creating new mathematics. 
という、最難関のひとつである京都大学で実際に出題された英文の -ingをすべて識別して、
正確に英文を理解できるようになります。

Amazon商品紹介より

 

しっかりと使用者のレベルを引き上げてくれる参考書になっています。

 

解説する内容も基礎から始めてくれるし、何より

例題が中学英単語で構成

だから、

初学者でも簡単に内容を理解することができる。

 

通常の英文解釈の参考書って英語の勉強をある程度してからスタートすることを想定して作成されているので、扱う解釈レベルに対して単語レベルが比較的高いものが多いです。

特に、

「基本はここだ」なんかは0〜共通テストレベルの英文解釈の参考書ですが、単語レベルはそこそこ難しく、システム英単語Basicは終わっていたいくらい。

英文解釈の技術シリーズも大学受験レベルの単語帳は完成している前提で進みます。

だから英文解釈を効率よく勉強するには1工夫必要でした。

 

しかし、

「肘井学の読解のための英文法」は単語レベルを抑えることで、英文解釈そのものに集中して勉強できるため、非常に勉強効率がいい。

英文解釈の革命と言われる理由の1つです。

 

 

 

②革命的な短文大量式

これも素晴らしい。

短文大量式

だから、

  • 解釈の本質をピンポイント学習
  • 暗唱/復習しやすい
  • カバー範囲が広い

 

「肘井学の読解のための英文法」は、1~1.5文の短い例文を350題ほど大量に用意することで、幅広く勉強できる仕組みを構築しています。

対して、

昔の英文解釈の参考書は、3~5文の長い例文を50~150ほど集めて、解釈の解説をしていました。

 

例文が長いと、解釈の本質と関係ない部分が増えるデメリットがあります。

本当は「so that」構文が理由か結果かを勉強すればいいテーマなのに、そのほかの関係ない前置詞句や名詞句などの解釈に時間や意識を取られます。

逆に、

例文が短ければ効率的に解釈の本質を勉強できる

余計な部分の解釈や和訳に時間を取られないで済む。

 

また、

例文が短ければ復習しやすくなります。

例文が1文なら、音読もしやすいだろうし、暗唱もしやすいでしょう。5文もある例文を暗唱するのはなかなか骨が折れます。

構文を丸ごと頭の中に入れれた方が絶対に、次同じ構文が出てきたときの処理速度は上がるので、暗唱しやすいというのは圧倒的なメリットです。

 

あとは単純に問題数が多いのでカバー範囲が広いです。

先ほどの例を使うなら、

「so thatの結果か理由かの判別」がテーマのとき、普通は例題では「結果のパターン」もしくは「理由のパターン」どちらか一方しか扱いません。

他方は解説のみに留まるか、解説の乏しい確認問題に回されます。

しかし、

「肘井学の読解のための英文法」はすべてに触れていく

圧倒的なカバー範囲。

これを完璧にしたら、相当なボリュームの基礎力がつきます。

 

 

 

③英文図解が効く

先ほど「肘井学の読解のための英文法 内容」でも紹介しましたが、解説すべてに英文図解が付属しています。

文法用語や解釈用語の文字表現のみで構文を解説されても、独学者はいまいち構造を感覚的に理解しにくいという欠点をしっかり補う、

視覚的解説。

 

図的に、どこがどこを修飾しているのか、全体で見たときにこれの役割は何か、主語は何か、関係代名詞の先行詞は何か。

これを()や→を上手に使って図でまとめてくれます。

周回していくと、時間をかけて何度も同じ解説を読むのが馬鹿らしくなります。

でも、

英文図解のある「肘井学の読解のための英文法」なら、復習時はこの図を見て構造を頭で思い浮かべるだけで十分構造をとる復習になるのです。

復習の効率化。

 

そして、

解釈が苦手な人
独学の人
初学者の人

正しい英文解釈のイメージを植え付けてくれます。

英文解釈は確かに論理的思考を積み重ねることで勉強していきますが、忘れてはいけないのは目的は「速読」であること。

最終的には感覚的に内容を理解できるようにならないといけません

つまり、

理屈以上に感覚でも理解できるようにならないといけない。

それを丁寧に補助してくれるのが「肘井学の読解のための英文法」です。

 

 

 

肘井学の読解のための英文法
使い方

「肘井学の読解のための英文法」の使い方として、

総時間 :80~90時間
目安時間:1周目:45分〜60分/1テーマ
    それ以降:30分前後/1テーマ
周回数 :4周
音読回数:例題20回

  1. 例題にSVOCをふり和訳
    (5~10分)
  2. 解説を熟読
    (15~25分)
  3. 確認問題にSVOCをふり和訳
    (5~10分)
  4. 確認問題の解説を熟読
    (10~20分)
  5. 例題を5回ずつ音読
    (5分)

※「2.解説を熟読」と「4.確認問題の解説を熟読」は2周目以降、必要に応じてでいいです。毎回読む必要なく、「英文図解」「ポイント」をみてわかればそれでOK。

 

 

を目安にしてください。

 

英文解釈はもう構文がわかるかわからないかの2択なので、長い時間悩みすぎず、SVOCを振って和訳できないなら諦めて解説を読みましょう。

インプットすればOKです。

周回数は4回を目安にしてます。

例文が短く解釈の方法そのものを暗記してしまう恐れが非常に高いので、周回数はあまり多くない設定になっています。

確認問題はあくまで知識のアウトプット用で、余裕があれば音読等を行なってください。発展問題も同じです。(発展問題のレベルは次の解釈本でやるので重要度は低い)

最優先は、

例題の文章をすべて暗記する

ポイントや解釈知識を含めて例題ごとまるっと暗記して、脳内で全部復元できるようになると、英文解釈の基礎は圧倒的なレベルになります。

 

 

 

肘井学の読解のための英文法
接続

「肘井学の読解のための英文法」の前後に何の参考書をやるべきかについての目安を記します。

肘井学の読解のための英文法
の前にやる参考書

<英単語>

  • 速読英単語入門編
  • システム英単語Basic1〜2章
  • ターゲット1200
  • パス単準二級

中学英単語のみでも使用できますが、高校基礎レベルまで習得しておくと、非常に安心です。共通テストレベルの単語力は必要ありません。

<英文法>

  • Best400
  • アップグレード
  • Engage
  • スクランブル英文法Basic
  • 学校のワーク
  • 総合英語の付属問題集

別にこれらをやれというわけではなく、最低限高校英文法の骨格が定着していれば十分です。

スクランブル英文法を2周くらいしていれば十分使い始められます。

<英文解釈>

なし

<長文>

なし

 

肘井学の読解のための英文法
の次にやる参考書

<英文解釈>

  • (基礎英文解釈の技術100)
  • ポレポレ
  • ビジュアル英文解釈Part2
  • 英文解釈の技術100
  • 透視図

個人的にイチオシなのはポレポレ。

まだ演習に不安があれば基礎100を少し挟んで初見の長めの問題に対する演習を積んだ後に、ポレポレや透視図に進むと良いでしょう。

 

<長文>

  • レベル別3,4
  • 全レベル3,4
  • ハイパートレーニング1,2
  • ポラリス1,2
  • イチからはじめる300,500

 

ポラリス1やハイパートレーニング1は簡単なので、あまりやる価値はないですが、今まで長文の演習をしたことがない人はここから。

レベル別5や全レベル5はできないこともないと思いますけど、ポレポレとかを挟んでからやった方が効果的な演習になると思います。

「精読」の後はしっかり「速読」の練習を大量に積むのが大事なので、この中から2〜4冊ほど演習を積んでから次のレベルに進んでほしいです。

 

まとめ

肘井学の読解のための英文法はマジで強い。

私が現役時代なら、基本はここだと入門70の代替参考書として使います。

 

ぜひ使ってみてください。 

  

  

 

 

-大学受験, 英語
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執筆者:


  1. デンソン より:

    高2です。
    この参考書を買ったのですが、思ったより簡単です。巻末の方を見てもほぼ分かりそうなのですが、レベルが合っていないのでしょうか。駿台模試の英語は偏差値60程度です。svocなどしっかりふって読んだ経験があまりなくて、もしかしたら感覚で自分は解いているかもしれない、基礎が抜けたまま進んでしまったらと考えると不安です。どの参考書に取り組むべきか教えていただきたいです。

    • dio より:

      とりあえず1周したらいいんじゃないかなとは思いますが。ポレポレとか手出してみてください。多分ちょうどいいか少し難しいくらいだと思います。

  2. 土下座 より:

    高2です。
    入門70の例題を完璧にしたので、演習問題をやってポレポレに入ろうと思っていたのですが、志望する大学が、国立大で和訳問題がでるので、ポレポレの前に1冊挟みたいと思っています。基礎100は被りが多いので、他の解釈本を色々見たところ、「肘井の読解のための英文法 難関大編」が良いのでは?という結論に至りました。他の候補として英文熟考もあったのですが、上下でのニコイチ感を強く感じ、2冊やる暇はないのでやめました。また、記事にも「肘井の〜 必修編」は「基本はここだ」+「入門70」だとあったので、「肘井の〜 必修編」の次に使うことを想定したこの「肘井の〜 難関大編」は入門70の次に接続できるのでは?と考えたのもあります。入門70の演習問題はするつもりです。
    そこで、入門70から「肘井の〜 難関大編」の接続は大丈夫ですか?
    また、「肘井の〜 難関大編」からポレポレの接続は大丈夫ですか?この際、「肘井の〜 難関大編」は確認問題、発展問題までやるつもりです。

  3. H より:

    シャドーイングなどの音読学習は速読英熟語に載っている長文とレベル別などの長文問題集に載ってる長文どちらともやった方がいいですか?

    • dio より:

      できるならできるだけやった方がいいです。基本は長文メインでいいでしょう。

  4. Mr より:

    英文熟考上下→ポレポレ→透視図
    というのはどうでしょうか。京大経済志望です

  5. アポロヌス2 より:

    ありがとうございます。
    dioさんの記事を読み始めてから、受験勉強への姿勢や具体的な取り組み方について深く考えるようになりました。本当に感謝してます。毎回新しい記事楽しみにしてるので、無理のない程度に頑張ってください!実を言うとまだ迷ってるので、早く決めて始めます!

  6. アポロヌス より:

    いつも記事を参考にさせてもらっています!
    高1です。英文解釈の勉強を始めようと思い、入門70か肘井学の読解のための英文法か迷っているのですが、完璧にするのにかかる時間やポレポレとの接続のしやすさに違いはありますか?レイアウトがあまり好みでなく、厚いため肘井の方に手を出しにくく、入門70にしようと思っています
    また、入門70の後に基礎100をとばしてポレポレに進む場合、例題だけでなく演習題もやったほうがいいですか?

    • dio より:

      完璧するのにかかる時間、接続のしやすさは大差ないと思います。肘井の方が分厚いのは解説が長いから。入門70でもいいと思います。入門70からポレポレにいくなら、演習問題もやったほうがいいでしょう。

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