最近、三鷹寮の友達と久しぶりに話したんですけど。
いざ引っ越しだとなって、色々みてみたら、そいつの敷布団はカビだらけで、教科書もカビてたらしいんですけど、「布団ってどうやって運んだ?」って聞いてきて。
「え?カビた布団持ってくん!?」
と、三鷹寮生の生存力の強さを感じました。
まあこんな話は関係なくて。
今日は偏差値について語ります。
目次
偏差値は意味ない
偏差値というのは、非常に
過大評価された指標
だと思っています。
結論から言うと、
偏差値を見ても仕方ない
なぜかを説明していきます。
ただその前に、
偏差値の定義から説明しましょう。
x:自分の点数
μ:模試の平均点
σ:模試の標準偏差(分散の平方根)
としたとき、模試の偏差値Tは以下の式で表されます。

自分の点数と平均点の差を、標準偏差で割り、10かけた値が、偏差値の50からの差です。
だから、
自分の点数と平均点の差に比例して、偏差値は50から離れます。たとえば、平均点50点のテストで70点の人の偏差値が60なら、90点の人の偏差値は70です。
また、
点数の分布が広いと、偏差値は伸びにくくなります。10人のクラスで、5人40点・4人50点・1人100点みたい固まっている分布のときは、100点の人の偏差値は77.38…となります。
しかし、
得点分布が幅広い0,10,20,30,40,60,70,80,90,100点の人が1人ずついるクラスの場合、100点の人の偏差値は64.30…となります。
母集団の中でどれほどレアか
を示す指標になります。
偏差値は意味ない
理由①母集団によりすぎる
模試の偏差値は母集団に左右されすぎる、というデメリットがあります。
つまり、あくまでも
狭い範囲の相対評価
ということ。
先ほどの説明で気づくでしょうが、まったく同じ問題が出題される2つの模試があり、あなたはどちらでも同じ60点を取ったとしましょう。
でも、
1つの模試では一般的な生徒が受けており平均点が40点。もう1つの模試では、進学校の生徒だけが受けており、平均点が80点だったとしましょう。
あなたの偏差値はおそらく前者では60程度、後者では40程度です。
この偏差値とインターネットで公開されている志望校の偏差値を見て、どこを受けるのか決めるんですか?馬鹿馬鹿しすぎる。
前者を受けた世界線のあなたなら「MARCHに出願してみよう!」って思って、後者なら「大東亜帝国くらいにしておこう。」って思うんですか。
流石にそんな人はいないにしても、
参考書選びだって同じです。
「偏差値40の人におすすめ!」
とか書いてる情報は基本ゴミです。
偏差値40ってなんや。何模試の偏差値40なんだ。結局どれくらいの人間が使えばいいんだ。ってなるのが普通の脳みそ。
私も読者の方のわかりやすさのために一部偏差値を利用することはあっても、絶対に参考書レベルを紹介する際に偏差値は使いません。
統一的に話をするときになんの価値もないからです。
大学受験で言えば、進研模試で偏差値70の学校でも、河合模試なら偏差値60だろうし、駿台模試なら偏差値50まで下がるでしょう。
中学受験でも、一般の学習塾では偏差値60強の公立中高一貫校は、日能研では偏差値50前後だし、SAPIXに行くと偏差値が低すぎて表に載ってなかったりします。
偏差値で物事も見ても、その模試の中でしか効果を発揮しません。
同じ予備校の同じ模試をとっても、高3終盤に行くにつれて受験者数が増えていったり、高2から高3になるタイミングで浪人生が入ってきたり。
母集団は結構エグい量の変化をするんです。
じゃあ、
あなたはそんな不安定な指標を軸に勉強できますか?
- 自分のノビ
- 弱点の克服度合い
- 勉強の順調さの確認
- 志望校までの距離
をそんな受ける人が変わるたびにブレる指標で確認できますか?
ということです。
偏差値を見てニヤニヤする分には全然構わないですし、周囲の受験生と比べてどれだけ自分の努力が身を結んだか見たいならいいですけど。
受験会場で一緒に評価されるのは別の人だし。
最低点を越えれば合格できるわけだし。
そこにあまり意味はないです。
偏差値は意味ない
理由②具体化できない
偏差値を10上げる勉強とは?
って言われたときに答えられますか。
偏差値というのは非常に抽象的な概念で、感覚化したり、具体化するのが難しいという特徴があります。具体的に何を勉強するのかわかりにくいです。
点数を10点上げる勉強とは?
って聞かれたら、
今回のミスの中からちょっと頑張れば解けそうな問題を10点分集めてみて。そのレベルの問題をひたすら演習すれば、いけそうですよね。
「志望校まで偏差値が10足りません。」って言われたら、何をどれくらい勉強したらいいのかわかりません。
仮に勉強量を増やしても、他の受験生も勉強量が増えていくので、結果として偏差値は上がらずじまいになるかもしれません。
たとえば、
目隠しマラソンで一回だけ目隠しを外されて、「周囲のランナーの上位20%以内で走り続けてください。」、それでは次周りのランナーを見れるのは30分後です。
って言われても、
いやそれどんくらい?
ってなりますよね。
現状の10%増しで走っていたとしても、周りのランナーはもうラストスパートでダッシュしていて、置いていかれているかもしれません。
模試も同じで、常に周りの勉強内容や勉強量が見えているわけではないです。3ヶ月に一度程度のペースで答え合わせをしていきます。
しかも、
あくまで相対的な指標だから、自分がすべき内容や量は具体化されない。周りの受験生の行動に依存する、というのが偏差値の欠点です。
「志望校の最低ラインまで40点足りません。」って言われたら、頑張ったら解けそうなレベルの問題40点分を解けるようになる勉強をする。
ここには別に他の受験生の勉強量も、自分の勉強量も関係ないです。
ただ解けるようになればいいだけ。
「ゴールまであと40kmを5時間で走ってください。」って言われたら、何をどれくらいすればいいかわかりますよね。
勉強計画を立てる上で、偏差値という相対的指標は非常に使いにくいです。
逆に、
点数という絶対的指標は非常に計画を立てやすい。
だから偏差値は意味ないのです。
偏差値は意味ない
理由③直接的に合否に関係ない
結局これが一番大事で、
合格する道筋が見えているか
ということです。
別に今の偏差値が30でも、「どの時期にどれくらい何をやったら、合格できる」という道が見えているのなら、まったく気にする必要がないです。
そういう人は受かります。
逆に、
今の偏差値が70でも「これから何をやっていいのかわからない」という人は、限りなく赤色に近い黄色信号です。
多分落ちます。
現状の偏差値も点数も、単体では意味を持ちません。
自分の計画通りなのであればいいし、計画外ならダメだし。
合否に関係する成績は、入試当日の試験だけであって、過程での点数なんて何点でも、偏差値いくつでもいいんです。
まとめ
偏差値にとらわれない。
偏差値より点数に。
点数より計画性に。
より大きな視点で自分の模試の成績を分析していけると、無駄のない勉強ができると思いますし、そういう人が効率よく合格していきます。
一喜一憂せず、ドンと遠くを見つめる姿勢。
大事にしてください。