逆転合格があれば、逆転”不”合格もあります。
というか、
世の中には注目されないだけで逆転”不”合格の方が圧倒的に多いです。
目次
逆転不合格の原理
受験って不思議なことに、模試の成績順に合格するわけではないです。
あくまで
偏差値と合否には相関がある
というだけで、A判定の全員が合格するわけではないです。
ということは、
A判定で合格有力候補も不合格になる人間がいるということ。
それを逆転”不”合格と呼んでいきたいと思います。
で、
この逆転不合格は基本的に塾側からしたら不都合な歴史なわけで、対外的に話すことはないので、多くの受験生には知られずに終わっていきます。
だからこそ、
ここでしっかり理解していってほしいです。
逆転不合格者の共通点
①慢心
逆転不合格者に一番多いのでは
慢心が理由の不合格
です。
「A判定だから」
「偏差値は超えたから」
「過去問も解けたから」
と慢心し、勉強しなくなるのが一番決定的なミスです。
受験勉強は辛くしんどいもので、できるだけ早くに解放されたい気持ちは非常によく理解できます。私もしんどい勉強を潜り抜けたので。
人間の心は甘いモノです。
でも、
たかがA判定が出たくらいで勉強を辞めてはいけません。
まだまだ受験勉強は終わっていません。合格が目標だったはずが、いつからかA判定が目標になって、何か勘違いしていませんか。
受験本番までは何も安心できる要素はありません。
特に高3最後の模試の成績発表後は要注意です。
「もう逃げ切れる」と思う人が多いですが、下にいたはずのライバルたちがまだまだこれからぐんぐん伸びてきます。逆転合格を狙っている人はエグいです。
死に物狂いであなたの席を奪いにきます。
逆転”不”合格とならないよう、気を引き締めて最後まで走り抜けましょう。
逆転不合格者の共通点
②英数が弱い
特に高2くらいまで順調なのに、高3から成績が全然上がらなくなるタイプに非常に多い弱点です。
英数が弱い。
早い時期って、国語理科社会にまだ勉強の手が回っていない受験生ばかりです。
だから、
総じて国語理科社会の平均点は低く、少し勉強すれば高得点/高偏差値を取れて、いい判定が出る場合が多いです。
また国語理科社会は必要な勉強時間が英数よりも少ないというのも理由にあり、すぐ完成するので、ちょっとの努力で結果が出て、一時的に成績は良くなります。
しかし、
受験終盤になるにつれて他の受験生が国語理科社会を仕上げてくれば、当然そのアドバンテージは消えます。
逆に、
今まで成果の出やすい国語理科社会に逃げていた分英数が完成しておらず、他の受験生に英数で差をつけられてしまいます。
そうやって、
少しずつ逆転不合格が進んでいきます。
暗記科目というのは非常に点数が上がりやすいです。
暗記したらした分だけ得点できるようになるので、努力が実りやすい。しかし、結局受験勉強で大事なのは英数です。
早い時期に暗記科目を仕上げてイキって見ても、配点が大きいのは英数だし、受験生間で差がつくのも英数です。
しかも暗記科目はメンテナンスにも労力を割くから、早い時期に仕上げれば仕上げるほど記憶を維持するための労力がかかります。
逆に、
英数は非常に長い勉強時間を要します。一朝一夕では成績が上がらず、日々の積み重ねが非常に大事な科目になります。
逆転不合格を経験する人には、英数から逃げて暗記科目でイキっている受験生が多いです。
逆転不合格者の共通点
③傾向対策不足
所詮、
模試と入試本番は異なります。
東大京大や早慶などのように冠模試があれば別ですが、基本的に多くの大学では入試問題と普段の模試の傾向は大きく異なります。
問題の傾向が異なれば、得点力も異なります。
普段の模試では得意な確率と場合の数がいつも出題されていても、入試本番は苦手なベクトルが頻出単元かもしれません。
模試は厳しい時間制限で単純な処理力を問う問題が多いけど、入試問題は思考力を試すような難しい問題が多いかもしれません。
模試はマーク式でも本番は記述式かもしれません。
出題傾向が異なれば、当然問われる能力も変わってきますし、それが自分の得手不得手に合致する場合は、得点が大きくブレる可能性は大いにあります。
直前期までは、
模試の成績が良くて安心しきっていても、過去問に取り組み始めた瞬間青ざめるなんてことはよくある話です。
基礎学力はあっても大学の出題傾向にうまく合わせられないと、逆転不合格になることはあり得ます。
逆転不合格者の共通点
④基礎が不十分
基礎の勉強が不十分だと最後に死にます。
高3春頃までは典型問題を丸暗記して解けるようにしておけば、基本的に偏差値70くらい取れていたでしょう。しかし、
高3秋以降、どんどん初見の問題や応用問題が増えていく中で、丸暗記の基礎でやっていけるわけがないです。
見せかけの基礎でも途中までは好成績を残せてしまいますが、最後に伸び悩みます。
側から見れば、
「途中まですごい成績良かったのに、途中から全然伸びなくなった」と感じられます。
で、
本人からすると原因不明のスランプに感じられます。
模試等の指標では基礎はできていることになっていても、実際はできていないパターンは無数にあります。
それが時限爆弾のように受験終盤になって襲ってきます。
基礎がガバガバだった。 まあ、人には人のやり方あるし。というテンションでdioさんのやり方を軽視し、基礎問も完璧じゃないのに新スタへ。 結果共テ5割。この反省を踏まえて2次試験まで1対1をなるたけ周回した。珍紛漢紛な問題はほぼ無かった。圧倒的苦労不足だった。
合格・不合格体験記O.P.さん
多分、O.P.さんは途中まで自分の勉強は順調だと思っていたはずです。
逆転不合格になるのは、こうした基礎を軽視する人に多いです。
逆転不合格者の共通点
⑤本番に弱い
人間なので、数値化できない能力は存在します。
多くの人にとって、受験本番は普段の生活以上に緊張・プレッシャーを感じる場面でしょうから、その環境がパフォーマンスに影響を及ぼす可能性はあります。
スポーツをやっていた人ならわかるでしょう。
「大事な局面でこそ成功するタイプ」と「大事な局面になると失敗するタイプ」がいること。
緊張やプレッシャーで脳が普段通りに稼働してくれず、全然思いつかなかったり、ド忘れを連発したり、計算ミスが多発したり。
逆に、
プレッシャーを感じる場面で、いつも以上に閃いたり、適度な緊張にコントロールして一切ケアレスミスをしなかったり。
伸るか反るかの大勝負であれば、本番への強さが非常に強く現れます。
こればっかりは競技への向き不向きなので、「じゃあ何をしよう!」という特別な対策も特効薬もありません。
自分が本番に弱いなら弱いなりに、ミスが起こりにくい工夫や、プレッシャーを緩和する工夫というものは確かに存在します。
ただ本番に弱い人が強くなることはないです。
気質や経験に由来するモノです。
逆転不合格になりやすい人には、本番に弱い人が多いです。
ただそれは仕方ないことなので、できるだけデバフを緩和したり、そもそもの実力を圧倒的なまでに向上させておく、などできることを尽くしましょう。
逆転不合格者の共通点
⑥直前期にメンタル崩壊
これもちょくちょく聞きますが、
直前期の重圧はエグいです。
その受験の重圧に潰されてメンタルが崩壊してしまう例はたまに見かけます。特に、何事も考えすぎてしまう性格の人に多いです。
一度メンタルが崩壊すれば、当然受験勉強なんて進まないし、まともな生活をするのもしんどくなります。
受験会場に行くことも億劫で、すべてに負の影響を与えます。
特に、
たまたま事前に受けた滑り止めに悉く不合格の場合、第一志望校を受験する前に病んでしまうことは少なくないようです。
こちらもメンタル面の不調からくる逆転不合格になります。
逆転不合格者の共通点
⑦コンディション不全
絶対にあってはならないことですが、
受験直前に体調不良になるパターン
直接的な原因としては、
- 受験関連による睡眠不足
- 自習室や受験会場などで菌をもらう
などです。
受験勉強により生活習慣が崩れる人はよく見ますね。勉強が夜に倒れ込んで、夜更かししたり。勉強するのに手いっぱいで食事を十分に取らなかったり。
あとは受験の不安で睡眠不足になり、免疫が下がるパターンも直前期にありがち。
単純に自分の免疫が下がる理由の方です。
あとは菌をもらってくる方。
自習室や通塾中の電車など不特定多数が存在する環境で、しかも冬で乾燥していれば、菌をもらう確率は高いです。
特に受験会場は、
多少の体調不良もおして来る受験生が多いですから、感染リスクは非常に高いです。
私はそれが怖かったので東大の直前にある慶医は受験しないことにしました。もし感染した際に直す時間がなかったからです。
受験は本番の点数を競うもの。
本番にベストコンディションで挑む努力も受験の必須事項です。
まとめ
逆転不合格はそこまで多くないとはいえ、逆転合格よりも頻度は高いので、ぜひ注意してください。
それでは、
逆転不合格に気をつけて順当合格目指して頑張ってください。
コメント失礼します。現高2です。直前の駿台模試で、本番の環境に慣れるために過去問を家で時間決めて解いたりしたのにも関わらず、本番ではその過去問を解いたときにさえしないようなミスをしてしまい、そのケアレスミスでその後の問題も解けなくなり、大量の減点をくらいました。(具体的には、∠AOB=90°を∠ABO=90°と読み間違えることなどをしました。これまで経験をしたことがないものたちでした。)dioさんは本番でのケアレスミスをしないためにどのような対策や心構えをしていましたか?
・単純に計算ミスしてもいいくらいの得点力をつけておくこと
・処理速度を上げることで、見直しの時間を確保したり、気持ちに余裕を持つこと
・普段の演習から統計を取って、癖を自覚しておくこと
です。