今回は、
漢文の参考書史上最強と名高い
「漢文早覚え速答法」
を紹介したいと思います。
私も受験生の時に、死ぬほどやり込みまして、おかげで共通テスト模試でも漢文は満点を連発。本番でも9割を取れて、非常に助かりました。
ので、
この参考書とその使い方を紹介していきます。
目次
漢文早覚え速答法の概要
漢文早覚え速答法の対象者
おすすめの対象者は、
- 最大効率で漢文を勉強したい
- 共通テストで9割〜満点を目指す
- 漢文初学者
という感じ。
漢文なんて学校の授業でなんとなく聞いただけで、全然わからん!
いや〜暗記だりー
っていう人たちに特におすすめ。
「漢文早覚え速答法」は死ぬほど暗記項目を絞って、効率化しています。
しかし、
初学者でもわかるよう、そして学習し終えたら共通テストでも十分戦えるような過不足ない情報量になってます。
漢文の参考書の中で一番効率的な参考書。
一度手に取ったら、もうこれ以外は選べないです。
というか、漢文受験する人には全員おすすめ。
もうみんな買え。
漢文早覚え速答法のレベル
前提レベル:0
到達レベル:MARCH(共通テスト9割)
前提レベルは0です。
まったくの0だと少々難しく感じるかもしれませんが、大抵の人は学校の授業でなんとなくサラってると思うのでそのレベルで大丈夫です。
もしわかんなくても本当に基礎の導入だけググって理解すれば、あとはすぐついていけるのでご心配なく。
- 漢文の語順は英語とほぼ同じ
- レ点
- 一二点
- 上下点
あたりが分かれば付いていけます。
到達レベルとしては、MARCHでも全然戦えるレベル。
共通テストでは9割前後になるでしょう。もちろん満点も十分に狙えます。東大の漢文でもしっかり読めるようになるので、国公立二次試験への対応もバッチリ。
ただ割とエグめの知識問題とかには対応できないので、早慶レベルの漢文で難しめの設問はそこそこ厳しいかと思います。
だから難関私立志望の方は多少参考書を追加する必要があるかも。
漢文早覚え速答法の内容
漢文早覚え速答法には全部で4種類の項目があります。
- 10のいがよみ
- コレだけ漢字91
- 受験の裏技
- 演習問題(別冊)
という感じ。
<10のいがよみ>
「使役」「受身」「比較」「反語」「詠嘆」「疑問」「限定・累加」「部分否定」「二重否定」「抑揚」の全部で10テーマに分けて句法を説明していきます。
それぞれのテーマで、重要なポイントは太字になっていたり、枠で囲っていたりするので、覚えるべきポイントが一目瞭然です。
また各テーマで教科書などなら大量の句法を習うところ、漢文早覚え速答法では試験に頻出の重要句法・漢字に絞って解説しているので、暗記量が絞られて楽です。
また解説も雑談まじりで面白く、独学でも、活字が嫌いでも、なかなか飽きにくいような工夫がなされています。
<コレだけ漢字91>
頻出の漢字の中から、
- 特に出題頻度の高いもの
- 間違いやすい、推測しにくいもの
に絞って91個の漢字が掲載されています。
共通テストならコレ以外の漢字にはほぼ確定で注釈がつくか、文脈と漢字からおおよその意味を推定できることがほとんどです。
”コレだけ”完璧にしておきましょう。
ただ国公立二次試験や上位私立を受ける場合は、多少漢字の補充をしておいた方が安心です。
<受験の裏技>
- 出題者によるひっかけを見抜く方法
- 漢詩・文学史の最低限の知識
- 全体のまとめ
が収録されています。
共通テストなどの選択肢の作られ方を解説してくれるので、そこから「どのようにして誤答の選択肢が生まれるか」「どこに注目すれば誤答とわかるか」などなどが見えてきます。
小手先のテクニック的な部分ですが、共通テストなどの選択式試験においては非常に強力な武器になるので、是非とも学んでおきましょう。
また、
本編では一切触れられていない「漢詩」「文学史」の最低限の知識が掲載されています。
頻出ではないとはいえ、共通テストでもこういった背景知識の部分は問われることがままあるので、満点を目指すなら覚えておいて損はないです。
あと私立の漢文では結構出題される印象です。
そして全体のまとめがあります。
10のいがよみ句法と91の漢字がすべて含まれている漢文の長文が掲載されています。(筆者が考えて作った文章になります。)
これが10分で読めて60分で暗唱できる、と豪語されています。
復習する時はこちらで効率よく。
<演習問題(別冊)>
こちらは共通テスト型の模擬試験が8題?収録されています。(ちょっと記憶が定かではないです。)
実践型の演習量確保の問題です。
漢文早覚え速答法の内容をしっかり暗記して使いこなせるようになってきたら、実力試しに解いてみましょう。
漢文早覚え速答法の特徴
みなさんここまで読んでくれたらある程度わかると思うんですが、
①暗記量を絞ってくれる
漢文って教科書で暗記しようと思ったら、暗記すべき句法が100個以上あるんですね。
どれが重要かも分かりにくいし、もしかしたら受験本番で出題されるかもしれないから、なかなか捨てることができません。
しかし、
漢文早覚え速答法はそんな暗記量を絞ってくれます。
入試本番で出題される句法は「10のいがよみ句法」だけです。それ以外は出題されません。仮に出題されてもみんな解けないので、そこに労力を割くのは非常に無駄です。
という極限の取捨選択スタンスを筆者がとってくれます。
そのため受験生側としても暗記量が絞られて楽だし、頻出分野のみ深い理解・暗記ができるので、結果として本番での点数も上がるわけです。
この圧倒的な暗記の効率化が、漢文早覚え速答法の一番の強み。
理3の同期はみんな漢文早覚え速答法で対策していました。
②演習量が十分
普通の漢文の講義型の参考書だと、圧倒的に演習量が不足します。
知識の解説ばかりで、インプット主体の勉強になりがちです。
でもインプット主体の勉強は、
- 定着率が悪い
- 知識を使いこなせない
などなど非効率。
その点漢文早覚え速答法には練習問題や、共通テスト型の演習問題がたくさん付いています。
漢文早覚え速答法なら、アウトプット主体で暗記していけるので、本番で使える生きた知識を効率的に覚えていくことができます。
漢文早覚え速答法の使い方
まず当面の目標は、
- ”いがよみ公式10”
- “コレだけ漢字91”
を完璧に覚えること。
漢文早覚え速答法の本質はそこにつきます。
目安は
いがよみ公式:7周
漢字:30周
くらいです。
漢字は2日で1周。句法は10日で1周を目安にしています。
一日の勉強時間が1時間なら、15分+45分に分けて、漢字と句法の勉強に当てましょう。
<漢字の勉強>
- 毎日45個の漢字に触れる
- 10秒/漢字
- 「読み」「意味」を抑える
に注意して暗記しましょう。
これで一日同じ45個を2周してもいいです。(漢字→句法→漢字、で1日の漢文の勉強を終える。)
とにかく何度も繰り返し触れることが大事。
漢字を見て、音を発音しながら、意味を思い出していく。思い出せなかったら、すぐに答えを見て頭に刷り込む。そして、次の漢字へ。
スピーディーにいきましょう。
45個1周でも10分弱なので集中力は保つはず。限界まで集中して一気に覚えていきましょう。
<句法の勉強>
基本的には、
「新規範囲の勉強」+「前回範囲の復習」で構成していきましょう。
「新規範囲の勉強」
- 「いがよみ公式」を熟読
- 公式の内容を短期記憶へ
- 練習問題を解く
「前回範囲の復習」
- 練習問題を解く
- 公式を確認&暗記
「新規範囲の勉強」で大事なのは、必ず公式の内容を理解すること。そして、その内容を短期記憶でもいいので一度頭に入れること。
一度頭の中に入れた知識を練習問題で引き出しましょう。
これが記憶を強固にするための秘訣です。
- 暗記事項を一度頭に入れて、それを取り出し、問題演習
- 暗記事項を適宜確認しながら問題演習
では記憶の定着効率に雲泥の差が出ます。
大事なのは一時的にでもいいから自分の知識とすること。
そして「前回範囲の復習」では、練習問題を解いてみましょう。
間違えたら「公式」を確認して暗記し直せばいいです。
「漢文ヤマのヤマ」と「漢文早覚え速答法」どっちがいい?
正直いって、
漢文の参考書としての完成度が高いのは
「漢文早覚え速答法」
です。
どちらも到達レベルは一緒なのにも関わらず、覚える句法の数は圧倒的に漢文早覚え速答法の方が少ないです。
効率面では圧倒的に漢文早覚え速答法に軍配が上がります。
ただ漢文の初歩の初歩、本当に0からわからないという人には漢文早覚え速答法は少々難しく、勉強を続けるのが厳しいかもしれません。
そういう人に限って言えば、
漢文ヤマのヤマの方がおすすめできるでしょう。
ただ基本的には漢文早覚え速答法を全員におすすめします。
漢文早覚え速答法の接続
漢文早覚え速答法の前にやるべき参考書
- 漢文ヤマのヤマ
- 三羽邦美の超基礎がため漢文教室
漢文ガチアレルギーの人におすすめ。
返点とかがわからない、という本当に漢文の基礎の基礎からできない人は、早覚え速答法の前にこういった参考書で穴を埋めてから使いましょう。
まあおすすめは漢文ヤマのヤマ。
漢文早覚え速答法の後にやるべき参考書
- 漢文道場
- マーク式基礎問題集漢文
- (漢文プラチカ)
- (得点奪取漢文)
演習系の参考書がおすすめ。
早覚え速答法はあくまで知識のインプット系の参考書であり、長文読解の問題演習量はさすがに少なめになります。
だからしっかり本番レベルの演習を積める参考書・問題集を使うと良いでしょう。
漢文プラチカと得点奪取漢文は少し難しいかもしれないので、間に一旦上記の2つどちらかを挟むとスムーズに接続できると思います。
まとめ
漢文はこれ一冊で戦えます。
他の何にも浮気せず、ただひたすらに漢文早覚え速答法を極めることが漢文攻略の一番の近道です。
ぜひとも共通テスト満点の報告待っています。