最近は、
留年の危機でして。
次不合格だと即留年の試験が2週間後にあるので、勉強しないといけないし。寮の退去前にトイレと電球直さないといけないし。内見行かないといけないし。
忙しくて忙しくて夜も眠れません。
っていうのは全然嘘なんですけど。
(毎日12時間寝てます)
今回は過去問でどれを使うべきか。
について説明していこうと思います。
目次
過去問 比較 各論
過去問を1つずつ見ていきます。
赤本とは
出版 :教学社
カバー大学:非常に広い
解答・解説:必要最低限
カバー年数:バラバラ
傾向分析 :○
言わずと知れた赤本。
中学受験でも覇権を握る「教学社」の出版です。
一番の特徴は、非常に広いカバー範囲です。(ここで収録大学は確認できます。https://akahon.net/Books/listAll/series:1%7C1/years:24)
レベルを問わず、基本的にすべての大学の過去問に対応しており、共通テストの過去問を販売し出しているので、いよいよ敵なし。
とりあえず赤本を買いに行けば、目的の代物はあります。
ただ解説は必要最低限。
1から丁寧に解説してくれるわけでも、背景知識を解説してくれるわけでも、解法や類題をまとめてくれるわけでも、方針の立て方を説明してくれるわけでもないです。
問題に対する解答と少しの解説を必要最低限書き記すのみ。
解説作成者の名前も明確ではなく、しかも1人で担当する場合が多いそうなので、解説にはあまり力を入れていないと思われます。
問題演習する分には全く問題ないですが、もう一歩踏み込んで深い勉強・分析までしたい人。周りに頼れる教師がいない人は少し心許ないでしょう。
カバー年数はバラバラで、ほとんどの大学は全科目収録型で2~8年分が収録されています。
ただ旧帝大・一橋・東工は全教科に対して科目特化型の赤本が、早慶・MARCH・関関同立は英語など主要科目の特化型赤本があります。
科目特化型の赤本は15~27年収録で圧倒的な収録年数を誇ります。
東大や京大は「難関大シリーズ」として、全科目収録型で25ヵ年収録です。
そして後期試験にも対応しています。
私も一橋の後期試験の過去問演習ではお世話になっています。このカバー範囲の圧倒的な広さは本当に赤本の唯一無二の強さと言えるでしょう。
共通テスト版は、過去問や試行調査、予想問題などで合計15~23年分収録されていて、相当なボリュームになっています。
またどの赤本にも、その大学の「傾向分析」がついています。
今までの出題範囲や出題形式を分析したページ。そこから頻出分野・形式をまとめたページ。それを踏まえて、何が必要かまで言及してあるページ。
赤本の良さは割とこの傾向分析です。
大学受験で、あまりある時間で全範囲完璧に対策して臨むタイプは非常に稀でしょう。皆どこかしら弱点や長所を持って大学受験に臨みます。
だからこそ、
この傾向分析のページが優秀であることは非常に有利に働くのです。
青本とは
出版 :駿台
カバー大学:難関大と共通テスト
解答・解説:詳しい
カバー年数:基本3年
傾向分析 :○
今度は大学受験予備校の長、駿台が出版している過去問「青本」です。
カバーしている大学は一般的な難関大学と共通テストのみになります。カバーしているのは以下の13大学です。(まあ1つ紛れてますが、これは大人の事情ですね笑)
- 東京大学
- 京都大学
- 一橋大学
- 東京工業大学
- 北海道大学
- 東北大学
- 名古屋大学
- 大阪大学
- 九州大学
- 神戸大学
- 慶應義塾大学
- 早稲田大学
- 駿河台大学
ただ最近は駿河台の過去問は更新されておらず、2018年度版が最新らしいです。また、国公立大学は前期試験のみに対応しており、後期試験には対応していません。
だからカバー範囲は赤本にかなり見劣りします。
共通テストは過去問3年分と予想問題5年分で結構頑張ってはいます。
ただ解答・解説の詳細さは赤本より全然高いです。
実名公表で過去問を担当しており、かつ各科目複数人(2~5人ほど)で担当しているため、解説にかける熱量が高いことが理由でしょう。
設問が複数の意味で取れて解答が大学公表のものと赤本とゴッチャになるとき(東大2023地学第二問「風向」の定義)でも、青本は複数根拠を用意して解説しています。
物理でも微積を使ってしっかり背景込みで説明する。数学も方針の立て方や類題を紹介する場面もあるので、非常に解説の質が高いです。
過去問研究としてだけでなく、過去問を通して”参考書”として実力を養成するのにも使用できます。
解けないといけない問題、解けなくてもいい問題、などの解説もあるので独学で勉強している人にとっては非常に頼もしい限りだと思います。
でも、
逆にクオリティが上がりすぎて記述問題などでは受験生に対しての再現性がない、というデメリットも指摘されています。
2022年度になるタイミングで、多くの大学で収録年数が3年になってしましました。
東大や京大のみ科目別の科目特化型の過去問「詳解シリーズ」が出ており、これは収録年数が25年となっています。
収録年数はかなり少ないと言えます。
傾向分析は赤本にも勝らずとも劣らず。
赤本はデータを視覚的に表などで示す傾向にありますが、青本は日本語の文章で説明してくれる傾向にあります。
具体的に何をしたらいいの、ってところは僅かに青本の方が詳しい気がしますね。
黄色本とは
出版 :角川文庫
カバー大学:限定的
解答・解説:ゴリ詳しい
カバー年数:???
傾向分析 :神
有名な角川文庫からの出版です。
「世界一わかりやすい合格講座」の難しいところは、網羅性が非常に低いこと。
例えば京大なら、英語・数学・世界史・化学などはあるんですが、物理はないんですね。慶應も英語と小論文しかなくて数学ないし。
東大は逆に国語があるし。
基本的に、
難関大学のメイン科目だけです。英語は割とあります。
ただ解答解説は尋常じゃないです。本当に。
必要ならば発音問題1問に解説を3ページ使っています。
世界一わかりやすい早稲田の英語 商品紹介文より
なぜならば、それが早稲田の問題だからです。
このように「紙面の都合より受験生の都合」を第一に考えて解説されていますので、早稲田の英語に対応できる実力を確実に養成できます。
本当に超特化型の過去問です。
早稲田の英語なら、頻出が発音問題・多義語・正誤問題などなんですけど、これらをそれぞれ章立てして過去問も使いながら詳細に解説していきます。
その大学のその教科の傾向分析は当然、必要な能力・あったら強い能力まで明確化した上で、それを鍛え上げる問題構成になっています。
過去問でありながら、
今までの過去問ではない。
予備校の「○○大学 対策講座」をとっているような感覚です。
担当講師も「ポラリス」や「プラチナルール」などの執筆で有名な、スタディサプリのNo.1看板講師の関正生など勢揃いなので、非常に信頼度の高い参考書です。
傾向対策・過去問研究としての質ならダントツで一番です。
カバー範囲は狭いし、過去問も虫食いでやっていくので、その点では使いにくいです。ただそれ以上に、圧倒的なクオリティを誇っています。
逆転合格なら必須の、非常におすすめの一冊。
「角川パーフェクト過去問シリーズ」を黄色本を呼ぶ人もいますが、別物です。
現状、早稲田(教育・商・理工3学部)と慶應(経済・商・理工)が出ています。今後、MARCHや関関同立など難関私立を中心に追加されていくようです。
収録年数は3ヵ年。
解説の質は高いです。
ただ「世界一わかりやすい合格講座」ほどではないです。あくまで一般的な過去問の範疇をでないレベルでの詳しさです。
黒本とは
出版 :河合
カバー大学:共通テストのみ
解答・解説:詳しい
カバー年数:約20回分
傾向分析 :◎
駿台と双璧を成す河合の出版。
カバー範囲は共通テストのみで、大学の二次試験などには対応していないです。国公立志望・共通テスト利用なら、結構使い道はあります。
この解答解説だけで勉強できると言う人間がいるほどに解説は詳しいです。
河合は過去問の出版が共通テストしかなくて暇なので、解説には十分に力を入れていると考えられます。
赤本の解説は頼りないし、青本は共通テストの収録年数しょぼいし、共通テストに関して言えば河合の独壇場だと思います。
収録年数は2024年度版で言えば、
21年度第1日程・第2日程
22年度本試験(全科目)、22年度追試験(地歴・公民各科目を除く)
23年度本試験(全科目)、23年度追試験(英語・数学・国語のみ)
と残った分はセンター試験の本試・追試から持ってきています。
直近10年分の本試・追試を持ってくるので、収録量も最新度も文句ないです。
共通テストを集中的に分析してくれているので、出題形式や大問別の時間配分などを詳しく解説してくれています。
平均点や偏差値表もついているので、過去問演習中のモチベーション維持にも非常に役立つ過去問だと思います。
ちょっと紛らわしいのがあって。これは別物です。
これの2024年度版では共通テストの過去問1年分と予想問題5回分という構成です。
予想問題というのはその年に開催された河合主催の全統模試の問題をそのまま使用しています。そのため、本番より少し難しめに設定されています。
ほとんど模試の寄せ集めなので、過去問としての価値はそんなないです。
共通テスト形式でやること無くなったらどうぞ。
鉄緑会の過去問とは
出版 :鉄緑会
カバー大学:東大のみ
解答・解説:神
カバー年数:基本10年分
傾向分析 :神
最強の大学受験塾「鉄緑会」の出版です。
カバー大学は東大のみ。
しかも東大の現代文・英語はないです笑。リスニングはあるんですけど…
非常に限定的ではありますが、何より中身が異常に素晴らしいので、東大志望の人は絶対に選択肢の1つに入れて欲しいです。
解答解説の出来はもう黄色本とも比較にならないくらい「いい」です。
数学なら方針の立て方、考えられる解法、見通しの立て方、受験生の頭の働かせ方が全部書いてあります。解説も別解が大量に用意。
背景知識も豊富に解説されているし、類題として古い東大の過去問を紹介してくれていたり、採点基準も明確に書かれています。
解説が解答の3倍くらいあるので、マジですごいことになってます。
独学で東大を目指すなら絶対に持っていたい過去問です。
カバー年数も10ヵ年で、数学に至っては40ヵ年の化け物過去問があります。
10ヵ年の方も後ろに類題がついていたりするので、問題数としてはさらに多くなると思います。ボリュームは本当に最高。
傾向分析もエグいです。
理科なんかは設問数を毎年数え上げて傾向を見たり、リスニングも訛りの傾向を見たり、なんか鉄緑会講師が命をかけて作ってます。
正直、
東大の過去問ならダントツ。
他を寄せ付けない詳細さです。
赤本と青本と黄色本と黒本と鉄緑会
の違いをまとめます
まずは共通テストから。
共通テストの過去問を含むのは「赤本」「青本」「黒本」なので、この3つの違いを比較していきます。
黒本①は最初に紹介した方の黒本。
黒本②は次に紹介した方の黒本です。
共通テスト | 赤本 | 青本 | 黒本① | 黒本② |
収録年数 | 20年前後 | 8年 | 10年×2 | 8年 |
共通テスト仕様 | 3+5年 | 3+5年 | 4~6年 | 3+5年 |
予想問題の質 | △ | ◎ | なし | ◎ |
解説の質 | △or○ | ○ | ◎ | ◎ |
収録年数の大半がセンター試験の過去問だったりすると、共通テスト対策としては微妙で、その点「赤本」は12年分ほどがセンター試験の過去問です。
「赤本」「青本」「黒本②」は全て、過去の本試験3年分と予想問題5年分で構成されます。
予想問題の質は、模試をしっかり作成している「青本」と「黒本②」が強く、試行調査などを載せている「赤本」は少し落ちます。
「黒本①」は共通テストを本試・追試で集めているので実際の出題で4~6年分の演習がつめます。
追試でも本番同様の問題がいい
→「黒本①」
共テ仕様をいっぱい解きたい
→「黒本②」>「黒本①」>「青本」
基本的に「黒本」で間違い無いです。
問題が足りなくなったら、「青本」や予想問題集へ進みましょう。「赤本」をわざわざ使うメリットはあまり無いです。
次は2次試験用の過去問の違いの比較について。
二次試験 | 赤本 | 青本 | 黄色本 | 鉄緑会 |
難関大 | ○ | ◎ | 限定的に◎ | 東大のみ |
一般大学 | ○ | × | × | × |
解説の質 | △ | ○ | ◎ | ☆ |
収録年数 | 2~8年* | 3~5年* | ??? | 10年* |
*赤本も青本も収録年数は難関校なら15~27年ほど収録されています。詳しくは上で。
*鉄緑会は数学のみ40年分の過去問が存在します。
「黄色本」のみ過去問というより参考書に近いので、使い方が特殊になります。ただ他は解説が詳しい順に選んでいけば、まず間違いは無いです。
基本的に、
あるならば「青本」。なければ「赤本」。
ヤバい科目がある場合や過去問適正だけ上げて逆転狙いなら「黄色本」。
問題演習をサクサク積んでいきたい。質より量で攻めたいなら「赤本」。
一般大学志望
→「赤本」
東大志望
→「鉄緑会」
順調な難関大学志望
→「青本」
逆転合格狙いの難関大学志望
→「黄色本」
ひたすら過去問演習を積みたい
→「赤本」
まとめ
過去問にはたくさん違いがあります。
自分に適した過去問を選ぶこと。
それは非常に重要。
過去問研究ができたか否かで、受験生の点数なんて10%くらい平気で前後します。慣れがもたらす得点上昇は非常に大きいです。
では、
最適な過去問を選んで残り2ヶ月弱を頑張り抜いてください。