受験勉強とは直接関係ないシリーズとして、「東大生日記」を書いてきたわけですが、「進学校の実態」シリーズも書いていこうと思います。
地方出身の人や公立校に通う人は、このシリーズを見て全国のライバルをイメージしてもらえたらなと思います。
※進学校といいつつ、基本私の母校の話です。毎年東大合格者ランク全国10位前後で、合格率では毎年必ずTop10入りしているので、一応進学校に属すると思います。
今回は、
進学校でされた「勉強の仕方」講座について共有しようと思います。
目次
中1初の授業で
私が中1のとき(2016年?)、最初の倫理の授業で1回だけ「勉強の仕方」講座がありました。
校長先生が直々に授業をして、これから6年間どんなことに気をつけて勉強するべきか、教えてくれる授業です。
現在の私の勉強法の根底にもある考え方です。
校長先生の話は3テーマからなっていて、
- 1日最低2時間の家庭学習
- エビングハウスの忘却曲線
- 誤答は宝の山
言われてみれば「そんなのわかるよ」って話が多いんですが、これを意識的に勉強することで質の高い勉強を行えるだろうと思います。
1日最低2時間の家庭学習
まず
勉強の基本は量である。
勉強量そのものが少なければ、そもそも満足な勉強はできない。どれだけ質を追い求めようと、授業の完璧な予習復習には足りないのだ。
という話です。
そのための具体的指標が、
1日2時間の家庭学習
これを中1から毎日積み重ねれば十分である。という主張。
確かに間違ってなくて、毎日2時間積み重ねると、1年で700時間、中高6年間で4200時間の勉強時間が確保できることになります。
まあ大抵の大学には合格できるでしょう。
そしてこの2時間というのにもわけがあって、
基本どんな生活習慣でも2時間は捻出できる。
今時の中高生のスクリーンタイムを見てみてください。おそらく2時間以上になっているはずです。
また、最近は部活も18:00頃には終わりますから、帰宅は19:30。ご飯食べてお風呂に入っても20:30。ここから2時間勉強して寝れば、22:30には就寝できます。
ただ1日2時間勉強は口で言うほど簡単じゃない。
気づいたらスマホを触ってしまうし、テレビを見てしまうし、お昼寝をしてしまう。
そこで口を酸っぱく言われたのが、
- 習慣化の偉大さ
- 習慣化の仕方
の2つです。
習慣化すると驚くほど楽に勉強できます。
人間は”惰性”に流される生き物です。
”勉強を始める瞬間”が一番ハードルが高いです。
今までずっとスマホを弄っていて「よし1分後に勉強始めよ!」と決意するのは非常に難しいです。これは別に東大生でもみんな一緒です。
でも逆に、
今までずっと勉強していて「1分後も勉強してよ!」と考えるのは別に普通のことです。多分そのまま何も考えなければ、1分後も勉強しているでしょう。
勉強を始めるために大量の気力を消費するのです。
だからここを「習慣化で乗り切ろう!」ということ。
習慣化された行為は半自動的に遂行されます。
朝起きて、まずトイレに行く。洗面台まで行って歯を磨く。顔を洗う。ここまで完全に寝ぼけていてもできるはずです。
勉強も同じように習慣の一部に取り込めたら、半自動的に勉強を開始できます。具体的な話は下で書きます。
人は新しい習慣を定着させるのに2ヶ月ほどかかるので、まずやる気のある最初の2ヶ月に頑張る。習慣に定着させることを目指しましょう。
じゃあ具体的にどうやって習慣化しますか。
帰宅後は即机に向かう
帰宅したら何よりも先に、10分でもいいから、勉強を始める。机に向かって、ノートと教科書を開く。
人間”惰性”に流される生き物なので、一度勉強を始めてしまえば、なんだかんだで勉強は続きます。本当に10分で勉強が終わることはなかなかないでしょう。
最初の行為を”勉強”にする。
朝起きてまず顔を洗うように。歯磨きをするように。
帰宅したらまず勉強する。
勉強を習慣の一部に取り込んでいくことが非常に大事です。
普段、帰宅してから勉強机に座るまでにいくつの行為を挟んでいるか数えてみてください。
とりあえずベッドに寝転ぶ。
スマホを開く。
SNSのチェック。
誰かとLINEする。
まずベッドに寝転ぶ前に机に座り、教科書とノートを出す。
10分だけ勉強する。
「ただいま〜」の次の行為は勉強の準備になるようにしてください。
これがまず最初にされた
「1日最低2時間の家庭学習」
と言う話。
エビングハウスの忘却曲線
次にされたのは「エビングハウスの忘却曲線」の話。

見たことある人も多いでしょう。そういう方はグラフの解説は読まなくて大丈夫です。
(↓グラフの解説)
縦軸は学習範囲の記憶割合を、横軸は最初に学習した日からの時間を表しています。
赤線は一切復習をしなかった場合の記憶定着率の推移を、緑点線は復習を繰り返した場合の記憶定着率を表しています。
例えば、左端0分後なら、学習直後で100%内容を記憶していることになります。20分後では、学習日から20分経過したことを示し、内容の42%を忘れ、58%のみ覚えていることになります。
ただ1時間後に復習をして記憶を100%に戻すと、忘却曲線が少し緩やかになります。
上のグラフにおいて、
1回目の復習から23時間後(横軸でいうと1日後)の記憶定着率はおよそ50%です。一切復習をしなかった場合は、学習から1日経過すると記憶の74%が失われ、記憶定着率は26%になります。
つまり、
復習により忘却速度が緩やかになっているのです。
(↑グラフの解説)
要するに、
復習は非常に大事です。
突然結論の頭が悪くなったんですけど笑。
エビングハウスの忘却曲線の実験自体が非常に無機質な暗記物の記憶定着率を見ているので、どこまで普通の勉強に通用するのかわからないところがあるのですが。
少なくとも、
何度も触れること
が非常に大事です。
これも何度か繰り返した話ですが、
人の脳は機能上、複数回出現する事柄を強く記憶する傾向があります。脳は何度も出てくる事象を、将来的に出現する可能性が高いと判断します。
だから将来役に立つだろうと長期記憶に残します。
1度しか見たことのない情報は、将来的に出現する確率が低いと判断して、短期記憶にしか残らない傾向が高いです。
だから、
初めは細かく、徐々に間隔をあけて復習を繰り返していくこと、が大事です。
復習が大事なんていうのはわかりきっていると思います。
ただ復習をしないと具体的にどれほどの悪影響があるのか、復習をすることのメリットなどのイメージをしっかり持つことで、復習の大切さが実感できるはず。
1,2回勉強して「これでOK」という勘違いがないように。
複数回の復習が大事であることを意識して勉強してください。
誤答は宝の山
最後にされたのは、
誤答は宝の山
という話です。
定期テスト/模試の復習方法に関する話です。
定期テスト/模試の点数や偏差値に一喜一憂するのは非常に無意味で、それを反省に活かせという話です。
誤答は、
- 自分のミスの傾向
- 自分の弱点
- 勉強法への改善点
など、
誤答から得るべき情報は山ほどあります。
これは便宜上強引に挙げている点ではなく、しっかりとそれぞれの誤答から考察するべき事柄です。
例えば、
ケアレスミスによる失点なら、そのケアレスミスに傾向があるのか否か。
数字の書き間違いによる計算ミスなのか。
問題文のはやとちりによるミスなのか。
自分のミスの傾向を把握する。
それがミスではなく実力不足ならば、自分の勉強上仕方ないのか、本来できなければいけないのか。
勉強してきた内容ができていないのであれば、勉強法に問題がある可能性が高いです。勉強していない内容ができないなら、仕方ないでしょう。
そこが自分の弱点です。
誤答をただの失点で終わらせず、普段の学習にフィードバックすることで初めて間違えた意味が生まれます。
まとめ
本日は進学校でなされた勉強法の授業について紹介しました。
これが正解か否かではなく、進学校で共有されるような考え方です。
頭に入れておいて損はないと思います。
では。