はいはい。
無限に続きます浪人シリーズ。
あと浪人関連で2記事ほど出そうと思っているので、覚悟してください。
今回は、
バイトしながら浪人できるのか
問題です。
つい先日の記事でバイトしながら浪人するのはダメだと言ったばかりですが、「どうしても」の事情があるならその妥協案を提示していきます。
ちなみに、
私の高校同期はバイトで月10万円くらい稼ぎながら浪人してますが、現在3浪目に突入するか否かの瀬戸際です。
現役時は東大理1を受験。1浪目は滑り止めの早稲田に出願し忘れて、理1一本勝負で不合格。2浪目は共通テスト利用でも一般もでも早慶をしっかりとって、千葉医を受けるそうです。
目次
「バイトしながら浪人」は可能か?

バイトしながら浪人することは
理論上可能
です。
例えば、
浪人中の予備校代を工面しないといけない状況だとします。
少し贅沢に駿台や河合塾などの大手予備校で浪人することを考えましょう。平均的な年間費用は合計約150万円です。365日で割ると、
約4,100円/日で稼げばいい
とわかります。
東京の最低賃金は1,100円なので毎日4時間勤務することで、十分に浪人中の費用は賄うことができます。
移動時間や準備・片付けの時間もあるので、実質毎日5時間ほどバイトに持っていかれると、推定した上で1日のスケジュールを考えましょう。
1日24時間のうち、
8時間を睡眠に、3時間を食事・風呂・トイレに、5時間をバイトに、8時間を勉強に注げば浪人生として最低限の勉強時間は確保できます。
毎日8時間勉強すれば1年で約3,000時間勉強できます。
一般的な推測として高校範囲の勉強を3,000〜4,000時間すると、東大に合格できると言われているので、現役時の勉強時間も合わせれば、
理論上どこの大学でも受かる
7:00 起床
朝ご飯
7:30 出発
移動
8:00 バイト開始
バイト
12:00 バイト終了
移動
12:30 帰宅
昼ごはん
13:30 勉強①開始
勉強①
18:30 勉強①終了
晩御飯&お風呂
19:30 勉強②開始
勉強②
22:30 勉強②終了
23:00 就寝
これで毎日8時間勉強、4,400円収入です。年間3,000時間勉強、150万円です。
自費で予備校に通いながら、東大にも合格できます。
じゃあ、
バイトしながら浪人すべきなのか?
「バイトしながら浪人」で合格できる?

「バイトしながら浪人」ってのは、理論上は最強です。
ただ、
現実的か
現役時代は睡眠8hと食事・風呂・トイレ3h以外に13時間あった中で、実際に勉強することができたのって何時間でしょうか。
余った時間をフルで勉強に充てるのは想像以上に難しいです。
途中で休憩挟みたいし。
スマホいじりたいし。
昼寝したいし。
バイトの疲労の上で8時間も勉強できるのか。
バイトで働けば少なからず身体は疲れるし、ミスをして怒られれば精神的にしんどくなったりもするでしょう。
そうでなくても辛いと言われる浪人生活において、それ以上の心身への疲労感を乗せた上で果たして1年間耐え切れるでしょうか。
普通の浪人生は朝から夜まで予備校にこもって毎日12時間勉強して、それでも落ちます。浪人生の70%の人は成績が上がらないと言われています。
もちろん、
勉強法の問題だったり、使っている参考書の問題、地頭の問題なども絡んでくるので、一概に勉強時間だけで比較することはできません。
ただこの話を全部聞いた上で、
自分の成績は上がると思うか
相当な荊の道であることは想像に容易いでしょう。
バイトしながら浪人する
メリット

バイトしながら浪人するメリットを紹介します。
①社会と隔絶されない
これは非常に大きいと思っていて、
社会と隔絶されない
浪人生、特に自宅浪人生は社会に属していないような気分がします。
今までは〇〇生という公的な集団意識の中に所属させてもらっていましたが、浪人生になると自分の所属先が無くなります。
軽くアイデンティティクライシスが起きます。
仲の良い友達は皆大学生活を謳歌しており、新しい友達はできず、両親には悩みを相談しにくく、誰と話すこともなく、味方がいないような気がします。
でも、
バイトをしていれば社会に所属する感覚を味わえるだろうし、バイト仲間という友達もできるだろうし、お客さんと話をすることもあるでしょう。
少なくとも孤独感は薄れます。
この精神面での安定感は非常に大きなメリットだと思います。
②生活習慣が整う
朝型のバイトにすれば、
早寝早起きの習慣がつく
というメリットがあります。
浪人生はただでさえ生活習慣が崩れやすいです。夜更かしして、次の日寝坊し、1日のペースがグダグダになることもしばしば。
特に自宅浪人生は徐々に起きる時間が遅れがちです。そして、いつか昼夜逆転します。
何らかの外的要因によって生活習慣を強制されると、乱れにくいです。
その外的要因というのが、予備校だったり、バイトだったりするわけです。
自律心が強い人はいいですけど、自分に甘い自覚がある人にはメリットかも。
③金銭的余裕
浪人生の母親って、パートで死ぬほど働くんです。
例えば公立高校に通っていた人なら、今までの生活に追加で150万円かかるんですよ。
40,50歳の資格のないおばさんが働く先なんて肉体労働しかないですから、しんどいパートを1,2つ追加してさらに150万円稼ぐわけです。
その分の誰かの苦労を肩代わりできます。
金銭的余裕が出ます。
罪悪感なく予備校に通うことができます。
これはメリットですが。
「両親に楽をさせたい」という理由だけでバイトしながら浪人するのは絶対に推奨しません。
長い目で見て何が一番両親に恩返しできるか考えてみてください。
中途半端にバイトしながら浪人して不合格もらうくらいなら、1年間負担は増えるけど親のスネかじり尽くして第一志望校に合格する方が両親は喜びます。
両親は子供にならコストを払います。
子供が受けるリターンは実質親のリターンです。
浪人するなら集中して勉強し、浪人代は利子付きで返せるくらいの大学へ合格しましょう。それが一番の恩返しであることを理解しましょう。
④大学の情報収集
志望校の近くでバイトすると、その大学の生徒が一緒にバイトしてたりします。
東大なら本郷や駒場、早稲田なら高田馬場、慶應なら日吉や三田など、その大学の生徒が多数集まる地域というのはあります。
バイトの同僚かもしれないし
客としてかもしれないし
志望校の大学生と触れ合う機会が発生します。
そうすれば、
志望校の雰囲気だったり、大学生活、授業の内容など普通知り得ない情報を収集できる可能性が出てきます。もしかしたら、勉強法やアドバイスももらえるかもしれません。
実質リアル版合格体験記みたいなものです。
浪人中のモチベーション維持という意味ではメリットでしょう。
バイトしながら浪人する
デメリット

項目こそ少ないですけど、私はバイトしながらの浪人はデメリットの方が大きいと思います。
①時間的制約
- 時間の消費
- スケジュール
があります。
まず単純に労働時間+αをもぎ取られるというデメリット。
他の浪人生は勉強しているはずの時間を、本来勉強したあとフリーになるはずの時間を、バイトに捧げることになります。
当然、
他の活動の時間を圧迫するわけです。
浪人生でいうなら勉強の時間or娯楽の時間がとられるわけです。
想像以上にダルイです。
私たちは日々時間的余裕の中で生きているということを自覚した方がいいです。キツキツの計画は心身ともに蝕んでいきます。
そして、
スケジュールがバイトに左右されること。
バイトが午前中に入ってしまえば予備校の午前中の授業は受けられないわけです。模試の日の分のバイトは他の日にシワ寄せが来ます。
バイトのシフトはそんな自分の希望通りに入れるわけではないので、基本的にバイト優先の生活スケジュールになっていってしまいます。
勉強のキリがいいところで切り上げられるわけでもなく、時間になったらバイトの支度を始めないといけません。
いろんなところで、
バイト優先になって勉強に100%集中することは困難です。
4時間バイトするなら、移動や支度で1時間取られるわけだし、予備校で取れない授業が出てくるわけだし、勉強も中断しないといけなくなる。
本当に実労働分だけを捧げればいいわけじゃない
とわかってもらえると思います。
②労力的制約
- 肉体的制約
- 精神的制約
まず肉体的に消耗します。
レストランで働くなら皿洗いやホールで立ち仕事だったり、手使ったり、大きな声を上げないといけないでしょう。
コンビニ店員もレジ打ちは立ち仕事ですし、品出しで重い段ボールを持ったり、低い棚に商品を並べていかないといけません。
単純に疲れる。
体の疲労感から勉強中に眠くなることも多いでしょう。そして、疲れていれば当然、何かを頑張るやる気は出ないです。
また精神的にも消耗します。
バイトのミスで怒られたり、バイトでの人間関係だったり、シフト調整だったり、単純に悩みの種が増える。
勉強のことだけ考えていればいい普通の浪人生と違って、バイトのことも勉強のことも考えていないといけないので、キャパります。
心がキャパります。
勉強中に気が散る可能性が増えます。
考え事が増えるので。
こうした労力的な制約を受けながら勉強して、果たして
どれほど集中できるだろうか。
どれほど効率的な勉強ができるだろうか。
バイトしながらの浪人というのは、勉強に対してのデメリットが大きすぎる。
というのが私の見解です。
浪人生のおすすめバイト

ただそれでもどうしても、というなら。
①コンビニ/スーパー
コンビニやスーパーは、地理的にも時間的にも都合がつきやすいです。
家の近くでも予備校の近くでも駅の近くでも、至る所にコンビニはありますし、スーパーも生活圏にはどこでもありますから、働こうと思えばどこでも働けます。
あとシフトの融通が利きやすいので、都合のいい時間だけ入ることが可能です。
特にスーパーはパートが多いので、昼間を外せばシフトに入りやすいです。超朝方や夜などはちょうど浪人生も予備校がない時間だと思うので、都合がいい。
うっすい人間関係でも全然働けるし、短時間シフトが比較的多いので、浪人生も受け入れられやすいです。
居酒屋は大変だし、夜型の生活になるし、あまりおすすめしないです。
ファミレスやファストフードもいろんな人がいて気分転換にはいいですが、基本的に忙しいので結構疲れると思います。
②塾講師
ついでに勉強への理解を深めつつできます。
大学受験塾はさすがに採用してくれないと思いますが、高校受験塾なら十分雇われる可能性はあるでしょう。
高校受験内容でも数学や英語は十分基礎の確認になるし、古典に至ってはほぼ共通テストレベルです。(って言ったら言い過ぎですけど)
でも、
無駄にはなりません。
ただ勤務形態があまり都合良くないことが難点。
朝方バイトに入るみたいなことは基本ないですし、夕方以降のシフトになると思います。
③ウーバー系
ウーバー系はシフトも自由だし、運動しながら働けるし、ちょうどいい気分転換くらいでしょう。
人間関係のいざこざもないし。
ただ4時間ウーバーとかってなると結構しんどいと思いますが。
まとめ
バイトしながら浪人するのは全然おすすめしません。
ただ、
どうしてもの事情があるのなら、
上を参考にやってみてください。