大学受験

【必見】『新課程版 共通テスト』の情報&変化まとめ!

投稿日:2024年2月17日 更新日:

 

 

2025年度入試からは新学習指導要領版の共通テストが始まります!

そこで今回は、

新課程版 共通テスト

 

について、

どんな変化が起こるのかまとめました。

2024年度以降の大学受験をする方はぜひご覧ください。

 

 

目次

新課程版 共通テスト
基本事項

新課程版の共通テストの概要について話します。

 

新課程版 共通テスト
教科・科目変化

旧共通テストでは5教科30科目でした。

「外国語・数学・国語・理科・社会」の5科目です。

外国語は英語(リーディングとリスニング)・ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語の5科目。
数学は数学①が1A・1、数学②が2B・2・簿記会計・情報関係基礎の合計6科目。
国語は1科目。
理科は物理・化学・生物・地学と、基礎で合計8科目。
社会は世界史・日本史・地理がAとBの2種類ずつ、政治経済・倫理・倫理政治経済・現代社会の4種類で合計10科目。

 

新課程版の共通テストでは、これが6教科21科目になります。

科目でいうと、「外国語・国語」はそのまま。「数学・理科・社会」に変更が入り、「情報」が追加されます。変更される部分だけ抜き出すと、

旧課程新課程備考
「数学」・数学1
・数学1A
・数学2
・数学2B
・簿記会計
・情報関係基礎
・数学1
・数学1A
・数学2BC

「情報」
・数学2と簿記会計は消滅。
・情報関係基礎は科目から教科へ
・数学2Bは数学2BCに拡大
「理科」・物理
・化学
・生物
・地学
・物理基礎
・化学基礎
・生物基礎
・地学基礎
・物理
・化学
・生物
・地学
・物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎
・理科基礎が1科目に統合
「社会」・世界史A
・世界史B
・日本史A
・日本史B
・地理A
・地理B
・現代社会
・倫理
・政治経済
・倫理政治経済
・歴史総合 世界史探究
・歴史総合 日本史探究
・地理総合 地理探究
・地理総合 歴史総合 公共
・公共 倫理
・公共 政治経済
・現代社会と倫理政治経済が消滅。
・世界史、日本史、地理が各々1科目に統合
・全科目統合版の「地理総合 歴史総合 公共」が新設

そして、

「情報」が必修教科となります。

 

具体的にどんな感じになるのかというと、

例えば

国公立大学の理系学部を受験するなら、「外国語」「数学1A」「数学2B」「国語」「情報」「理科①」「理科②」「地歴公民」

国公立大学の文系学部を受験するなら、「外国語」「数学1A」「数学2B」「国語」「情報」「理科基礎」「地歴公民①」「地歴公民②」

の6教科8科目で新課程版の共通テストを受験することになります。

理科に関しては以前と同じように選択できます。理科基礎が1科目扱いになっていますが、別に扱いが変わっただけで本質は一緒です。

基礎科目を2つ選んで回答するだけです。

 

ただ、

後ほど解説しますが地歴公民は結構変化しています。

大学によって認めてない科目、2科目選択する時に可能な組み合わせ、などが細かく定められているので、よく確認しておいてください。

 

 

 

新課程版 共通テスト
形式の変化

共通テストの試験方式は旧課程版と変わらず、

紙媒体の問題冊子・マークシート

で実施されます。

 

ここは引き続き。

特に心配事はないでしょう。

 

新課程版 共通テスト
既卒生への対応

2025年度の大学受験における浪人生は要チェックです。(2023年度の高3以上の人)

「情報」は簡易版を受験しなければいけないですが、他の科目に関しては現行の共通テスト試験と同形式のものを経過措置として受験することができます。

 

旧課程を履修していた受験生は、旧課程でも新課程でも受験することができ、自分の希望次第で選ぶことができます。

ただ新課程と旧課程を科目ごとに選んだりすることはできません。

 

 

 

新課程版 共通テスト
英語

制限時間Reading 80分
Listening 30分
(英語以外はReadingのみで80分)
配点Reading 100点
Listening 100点
(英語以外はReadingのみで200点)
変更点Reading
・単語レベルが少しUP
・総語数の増加
・1つの長文より、複数パラグラフ
Listening
・2回読み設問の減少傾向

※英語以外の言語には言及できないので、していません。

 

制限時間や配点に関して変更点はなしです。

内容には多少変更があります。

新課程・新学習指導要領になり、英語の授業で学習する単語数が約700語増加しました。それに伴い、わずかながら共通テストの語彙レベルがUPすると予想されます。

ただどのみち英検2級レベルを超えることはないので、

受験レベルの単語帳(ターゲット1900やシステム英単語など)が完璧なら、共通テストに関しての不安は一切ないでしょう。

 

また総語数は増加傾向が続くと考えられます。

現状、第一回共通テストからリーディングの総語数は、4,400→5,500→6,000→6,100とずっと増加傾向にあります。

また平均点は第一回から58.8→61.8→53.8→51.5と推移しています。

文部科学省の当初の目標として、「平均点5割となる共通テストを作成する」というものがあったことを考慮すると、

総語数は増えることはあっても、減ることはそうそうないでしょう。

今後も毎年微増を繰り返すと考えられます。

 

そして、

これは文部科学省の資料に書いてあったんですけど、「1つの長い文章の読解より、複数の短い資料を複合的に読解させる」ような試験を作るそうです。

だから、

今まで通り、ある特定のテーマに対して、複数人の主張がそれぞれ200〜300語程度で述べられ、全体を踏まえて回答するような問題が出題されます。

1つの長文より複数パラグラフ型の問題が多いでしょう。

 

Listeningに関しては、

  • 当面は1回読みと2回読みの両立。いずれは全問題1回読みへ
  • 大事な部分は表現を変えて繰り返す

などの方針です。

ですから、

基本的には現行の共通テストと同じと考えていいでしょう。

ただ2回読みの大問が減少する可能性は十分あるので、引き続き1回で主旨を理解するリスニング訓練を続けましょう。

 

 

 

新課程版 共通テスト
数学

数学に関しては非常に大きな変化がありました。

 

先ほども触れましたが、

「数学2」「簿記会計」「情報関連基礎」が廃止。「数学2B」が「数学2BC」に変更され、実質的には現行の数学2BにCの曲線と複素数平面が追加される形となりました。

選べるのは、

「数学1」「数学1A」「数学2BC」の3つです。

 

ここでは受験者の多い数学1Aと数学2BCを紹介します。

数学1A数学2BC
制限時間70分70分
配点100点100点
変更点・選択問題「整数」の廃止
・大問4つで全必答
・時間が60分→70分
・大問6つを解答
・数学2から大問3つ必答
・数学BCから大問4つ中3つを選択

 

数学Bや数学Cの内容も変更されているので、一応確認。

 

新課程の共通テスト「数学1A」について。

第一問数と式
図形と計量
必答
30点
第二問二次関数
データの分析
必答
30点
第三問図形の性質?必答
20点
第四問場合の数・確率?必答
20点

今までの共通テストと比較すると、

第一問「数と式/図形と計量」第二問「二次関数/データの分析」に関しては変更点なし。

第三問〜第五問では、「整数」「場合の数・確率」「図形の性質」の3問の中から2問選択して解答すればよかったところが、第三問と第四問のみの出題で必答化。

しかも、

試作問題では「図形の性質」と「場合の数・確率」が必答問題として出題されていました。

 

今まで「図形の性質」から逃げて生きてきた受験生にとっては生き地獄のような出題構成になる可能性があります。

「図形の性質」は割と算数チックで、補助線などその場の発想が割と大事になってきます。その上、マークシート式だと問題の誘導と自分の発想が相反する場合もあり、

本番での事故が起こりやすい分野です。

勉強もしにくいし、なかなか厳しいところになると思います。

 

今までは、

毎年大問3〜5で出題される分野が固定されており、そのうち1分野は解答する必要が無いので、「図形の性質は勉強しない!」みたいな戦略が取れましたが、封じられました。

しっかりと全範囲を満遍なく勉強することが大事になるでしょう。

 

 

 

数学2BCについて。

第一問〜第三問は数学2からの出題で3問とも必答です。第四問〜第七問は数学Bから2問と数学Cから2問の合計4問から3問を選択します。

第一問三角関数必答
15点
第二問指数対数関数必答
15点
第三問微分積分必答
22点
第四問数列選択
16点
第五問統計的な推測選択
16点
第六問ベクトル選択
16点
第七問曲線と複素数平面選択
16点

本質的な変更としては、

  • 解答大問数が4問→6問に
  • 試験時間が70分に拡大
  • 旧数学Cの「曲線と複素数平面」も選択可能に

 

です。

ベクトルは学習指導要領として数学Bから数学Cに変更したものの、結局共通テストの数学2BCに帰ってきたので、本質的な変化はなし。

 

ただ単純に、

処理速度ゲーになる予感

 

現行の共通テスト数学2Bでさえ時間が足りなくて解答しきれない受験生がたくさんいるのに、そこから大問が2つ増加、試験時間は10分しか伸びないとなると…

危険な香りがします笑。

数学が得意な人からすると数学2Bの方がすぐ解けるんですけど、数学に慣れていない人からすると2Bの方が計算量が多くてしんどいはず。

これまで以上に、

どれだけ基本的な解法に習熟しているか

が問われる試験になりそうです。

 

複素数平面の出題が気になる場合は、

  • 試作問題
  • 2006年以前のセンター試験

を参考にするといいと思います。正直、どんな形で出題されるかは、誰にも分かりませんが。

 

配点と計算量的に、「大問1〜2と大問4〜7には10分ずつ計5問、微積の大問に15分、残った5分で見直し」、が妥当ですかね。

文系受験生を容赦なく殺しに来てます。

みんな負けないように!ファイト!

 

 

 

新課程版 共通テスト
国語

国語も絶賛変更中です。

制限時間90分
配点200点
変更点・時間80分→90分
・複数資料の現代文1つ追加

 

今までの共通テスト国語と比較すると

旧課程
共通テスト
新課程
共通テスト
第一問評論文50点第一問評論文45点
第二問小説・随筆50点第二問小説・随筆45点
第三問古文50点第三問グラフや図20点
第四問漢文50点第四問古文45点
第五問漢文45点

 

センター試験→共通テストになるタイミングで導入が考えられていた、「グラフや図と複数資料の読み取り」を本格的に導入することになります。

だから、

配点20点分の分量とはいえ、読解すべき情報量はそこそこ多い

ってことは結局、

処理力勝負に。

 

試作問題だと普通にエグい量です。
「これを10分で解けと!!!!」

ってなります。

 

 

現状の共通テスト国語でさえ時間的余裕はないですが、今以上に時間的制約は増すだろうと考えられます。そうなった場合に大事なのは

  • 古典を素早く片付けること
  • 現代文の解き方を確立すること

 

現代文で時間を稼ぐのはなかなか厳しいものがあり、狙うは「解き方を確立することで、無駄な時間をかけない。不要な選択肢で悩まない」という部分。

これに関しては以下の記事でも紹介してありますし、林修の授業を受けてくれたらコツが掴めると思います。

 

古典は逆に、時間の稼ぎどころ

得意な人からすれば共通テストの古典はマジ秒殺設問がたくさん含まれています。

しかも勉強した分だけ成績が上がるので、一般的な受験生が時間的余裕を持つためには、どう考えても古典で稼ぐのが賢いです。

 

 

 

新課程版 共通テスト
情報

制限時間60分
配点100点
変更点

情報に関しては、私が現役時代に勉強していなかった科目なので、非常に謎が深い。

とりあえず文部科学省が公表している、情報科目の教員用教科書教材が↓です。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00742.html

 

現状として、

分かりやすい参考書の情報が出揃っていないので、勉強教材としては教科書が主流になるはず。

ただ教科書では理解しにくい人は、この教員用教材を見ましょう。詳しい解説が至る所に載っているので、非常に理解しやすいはずです。

 

別に勉強しなくても、

全容を把握するには非常に便利だと思います。

 

 

 

新課程版 共通テスト
理科

理科は一切変更なし。

理科基礎は1科目に統合されたものの、本質は今までと同じ。4科目の中から2科目を選んで受験する。

物理・化学・生物・地学理科基礎
制限時間60分2科目で60分
配点100点2科目で100点
変更点なし1科目扱いに

 

理科科目(物理・化学・生物・地学)を受験する場合は、1科目につき60分100点です。

理科基礎を受験する場合は、60分試験となり、物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎の中から2つ選択しなければいけません。合計100点です。

理科基礎の書類上の扱いが変わっただけで、本質は一緒なので、問題ないでしょう。

 

  

 

新課程版 共通テスト
社会

社会も大きな変更がありました。

社会科目として選べるのは以下6科目。

  • 「歴史総合 世界史探究」
  • 「歴史総合 日本史探究」
  • 「地理総合 地理探究」
  • 「歴史総合/地理総合/公共」
  • 「公共 倫理」
  • 「公共 政治経済」

 

この6科目の中から最大2科目を選択して受験します。
※「歴史総合/地理総合/公共」はこの3つの中から2つを選んで解答します。

 

旧課程からの見方としては、

歴史総合:世界史A+日本史A
地理総合:地理A
世界史探究:世界史B
日本史探究:日本史B
地理探究 :地理B
公共   :現代社会
倫理   :倫理
政治経済 :政治経済

となっていて、この中から2つを組み合わせてできるのが新課程の社会科目6つになります。

だから、

「歴史総合 世界史探究」 =日本史A+世界史B(+世界史A)
「歴史総合 日本史探究」 =世界史A+日本史B(+日本史A)
「地理総合 地理探究」  =地理B(+地理A)
「歴史総合/地理総合/公共」=日本史A+世界史A or 地理A or 現代社会
「公共 倫理」      =現代社会+倫理
「公共 政治経済」    =現代社会+政治経済

 

となります。

一応単品で選ぶ時に今までと同じコスパなのは、「地理総合 地理探究」のみ。倫理政治経済との比較で、お得なのは「公共 倫理」 と「公共 政治経済」になります。

 

 

2科目選択する時の注意点として、

  1. 大学によって「歴史総合/地理総合/公共」は認めていない
  2. 「公共 倫理」と「公共 政治経済」は同時に選べない
  3. 「歴史総合/地理総合/公共」を選ぶ場合は、同じ単語を含む科目を選べない。

という部分があります。

 

北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大あたりは「歴史総合/地理総合/公共」を受験科目として認めていません。

しっかり募集要項を確認することが求められます。

 

また、

「公共 倫理」と「公共 政治経済」は同時に選べません。

内容がめっちゃかぶるのでなし、という判断です。

そして、

「歴史総合/地理総合/公共」を選ぶ場合は要注意。

例えば、

「歴史総合/地理総合/公共」で受験して「歴史総合/公共」を選んだ場合、後1科目で選べる科目は「歴史総合」もしくは「公共」という名前を含まない科目のみ。

つまり「地理総合 地理探究」のみとなります。

 

組み合わせとして可能なものの全パターンは公開されているので、ぜひ確認してください。

 

 

考察として、

文系の勉強量が増える

 

現行の共通テストでいう「世界史B」「日本史B」選択なら、新課程で「歴史総合 世界史探究」「歴史総合 日本史探究」と選んでも勉強量は変わりません。

ただ現状、

社会の2科目選択での選択科目は全体のおよそ8割が「地理B」「世界史B」もしくは「地理B」「日本史B」となっています。

これらの人が「地理総合 地理探究」「歴史総合 世界史探究」もしくは「歴史総合 日本史探究」「地理総合 地理探究」と選択すると、日本史Aもしくは世界史Aの分だけ勉強量が増えます。

 

1科目選択なら、地理以外全部勉強量が増えます。

 

文系受験者には負担が大きくなるでしょう。

ただ倫理政治経済と「公共 倫理」「公共 政治経済」を比較した場合は、どちらでも勉強量は減ります。特に「公共 政治経済」はほぼほぼ旧課程の政治経済1科目分と勉強量は変わりません。

公共と政治経済が割と被っているからです。

理系選択者は、選びようによっては勉強量が減ると考えられます。

 

 

  

 

まとめ

大学入試センターが出している試作問題はここから見れます。

今回の共通テストの新課程版は相当変更点が多いです。

  • 全体的な処理力の要求レベルUP
  • 文系受験生への負担増加

  

レベルが相当上がると予想されます。

旧七帝大クラスの難関校受験者にはちょどいいフルイになっても、多くの受験生にはひたすら難しい試験になる気がしています。

今後、共通テストは難関大学用の共通一次になるかもしれません。

 

ただ、

現状はみんな使うと思うので、ぜひ負けずに頑張って勉強してください。

難易度が上がるということは、勉強ができる人だと一気に周りに差をつけられるということ。ぜひ、上位層を目指してみてください。

 

 

 

 

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