右手小指骨折して全然文字打てなくなったんで、ちょっと今音声入力とか模索してるんですけど。ちょっと更新できなくなるかもしれないです。
(ちなみに10記事くらい書き溜めているので、その間は大丈夫です。たまに時系列バグるのは書き溜めの影響です。)
で、
今回は、
「過去問の使い方」
について説明していこうと思います。
目次
過去問の利用目的
過去問は何のために解くのか。
目的をはっきりさせなければ過去問の使い方など考えようもありません。
- 難易度&傾向分析
- 時間配分・解く順の試行
- 問題見極めの練習
- 形式への慣れ
- 自信をつける
の合計6つの目的が過去問には存在します。
ぜひ全てを吸収できるように。
過去問の利用目的
①難易度分析
過去問の利用目的はまず、
敵を知ること。
志望校の出題レベルを把握することで、どこまで勉強すればいいのか、どの水準を目指して勉強していけばいいのかを明らかにできます。
志望校の出題傾向を知ることで、どこを重点的に勉強すべきか、どの分野なら捨ててもいいか、ということがわかります。
例えば東大英語を例に取ります。
東大英語なら毎年大問2で60~80字の自由英作文が出題されます。したがって、普段の単語学習では、英語→日本語だけでなく、日本語→英語のレベルまで勉強しなきゃいけません。
文法も読めるだけでは不十分で、自分で文を作成できるレベルで理解していないといけないです。
また共通テストだけの受験者などとは違い、英作文の勉強も別途必要でしょう。
このように、
「求められる水準」「勉強すべき範囲」が明確化されるので、過去問を使う上でも非常に大事な目的の1つです。
「早い段階で一度過去問を解いておけ」という助言はこの目的を第一に考えての言葉になります。
ただここで注意点が2つあります。
- 勉強初心者では判断がつかない
- 傾向・難易度は変化しうる
まず勉強を始めたばかりの人や、十分に実力がない人では、そもそも過去問の難易度・傾向を正確に把握することができません。
特に難易度ですね。
最低でも解けるか解けないかの際に近づかないことには、その問題を解くために必要な要素がわからないので、どれくらい難しい問題なのかがわかりません。
また傾向や難易度は変わるものです。
特にセンター試験から共通テストに変更されたばかりな上、コロナ禍に配慮した過去問も多く存在し、そして新学習指導要領により出題方式が変更された現在。
各大学は入学試験を試行錯誤中です。
天下の東大様もここ4,5年で合格者最低点がガンガンにブレまくってます。
傾向や難易度はあくまで目安であり、ただの確率論から少しでも合格可能性を上げるための情報なだけです。絶対的なものではないことを理解してください。
過去からは未来を類推することまでしかできません。
過去問の利用目的
②時間配分・解く順の試行
過去問を解くことを通じて、
- 時間配分
- 解く順番
を磨いて欲しいです。
自分の実力を100%発揮するための戦略作成です。
大学受験というのは、単純に試験時間を大問数で割れば時間配分が決まるわけではなく、問題によってかかる時間に差があります。
それは問題の特性上、また個人の実力の差異があるので、絶対に生じてしまうことです。
だからこそ、
個人に最適の時間配分と解く順番が存在します。
特に時間配分にはこだわってほしい。
例えば東大英語なら、
大問1,2,3,4,5はそれぞれ何分を目安とするか。リスニングの先読みはいつ何分するか。残り何分時点でどこまでだったらその大問を諦めるか。
数学も150分で6問だからと言って、単純に1問25分かけるのは馬鹿でしょう。
超難問の大問に25分も浪費していたら、よっぽど数学が得意な人でもない限り、東大数学で点数を取ることはできません。
解けると思った問題何問に対して何分かけるのか。見直しには何分必要か。そもそも解けるかどうかの判断に合計何分いるか。
入試本番では予定通りに進めることが大事です。
行き当たりばったりではなく、想定通りに試験を時進めていけた方が圧倒的に有利なのはいうまでもないでしょう。事故も少なくなります。
で、
この時間配分・解く順番の決定というのは圧倒的に実践経験が必要です。
何度も試して失敗しないことには自分なりの正解は見えてきません。他の人の成功例を真似しても上手くいくとは限りません。
だから、
過去問演習を通じてこれらを完成させないといけません。
過去問の利用目的
③問題見極めの練習
捨てるか否かの判断力
これは過去問演習でしか培えない能力になります。
普段の問題集・参考書を勉強するときは、すべての問題を解くし、解けるようになるように勉強しているはずです。
初見から「これは捨て問だからとかない!」という判断はしないはず。
しかし、
大学入試には確実に捨て問がでます。
平均的な大学入試において7割取れれば基本合格者平均点です。中堅校も難関校もそれは皆共通の普遍的な事実になります。
解かない問題があって当然なんです。
ただ、
入試問題は難易度が巧妙に隠されています。「何とかこの問題を得点してやろう」という強い思いも働きます。損切りの観念も出てきます。
捨て問の判断にも能力がいる。
問題文を読んで解答を見通す力が必要ですし、自分の感情をコントロールして客観的な視点で決断する能力も必要です。
それを過去問演習を通じて学んでほしい。
「捨て問だと思ったら簡単だった!」
「解けると思ったら難問で時間を溶かした!」
という失敗を何度も経るうちに少しずつ「確実に解ける問題」「多分とける問題」「怪しい問題」「完全な捨て問」がわかるようになります。
捨て問の判断が正確になれば、時間管理も正確になり、安定した得点が見込めます。何より実力を最大限発揮できるようになります。
過去問の利用目的
④形式への慣れ
過去問の形式に慣れるだけでも得点は多少向上します。
形式が違えば、頭の使い方も多少なりとも変わってきます。見慣れない形式だとミスが増えたり、読み返すことが増えたりします。
私が初めてマークシートを記入した時「ー」も空欄になりうることに慣れていなくて、ずっと計算ミスを確認していた記憶があります。
形式に慣れるだけで、思考しやすくなる。
脳の負担が減る。
もっと言ってしまえば、
頻出問題に対する考え方が定着してきます。
「ああまたこの形か」
「ここをこうしてああすれば答え出るんだよな」
といったふうに先が見通せるようになるので、過去問の形式への慣れは非常に大事です。
過去問の利用目的
⑤自信をつける
過去問で一度も合格者最低点を超えていないのに、合格する自分をイメージできますか?
過去問でいつもメタメタにされているのに、本番で問題が解ける希望を持てますか?
過去問でいい点数を取れば自信になります。
その根拠ある自信は本番で過度に緊張したり、不安に襲われたりするリスクを低減してくれるはずです。少なくとも、私にとってはそうです。
まずは、
過去問において合格する。
どんな採点基準かはわからないし、自分が受験する年の難易度もわからないけれど、とりあえず他の年度なら合格できうる、ということを示す。
それができないことには始まりません。
いくら模試でA判定をとっても、結果絶対評価で自分の素の実力が最低ラインを超えないことには意味がないです。
その実力の証明を過去問演習を通じてする。自信をつける。というのは非常に大事なことになります。
過去問の間違った使い方
NG
①早い時期から解き始める
早い時期から解き始めても過去問を浪費するだけです。
「早い時期に解くことで過去問の難易度や傾向が掴める。」というのはよく言われていることですが、正直微妙な気がします。
単純に早い時期では実力不足で難易度や傾向を掴みきれない。
また難易度や傾向の分析情報は基本的にネット上・過去問などに多数存在しており、実力者が考察したそれらの情報の方が圧倒的に精度が高いです。
わざわざ個人レベルで分析し直す特別なメリットがない。
確かに肌感覚でレベルや傾向を知れるのは、ゴールの想像がしやすく勉強の指標としては非常にいいことだと思います。
ただ詳細分析や活字化されたデータはそこらじゅうに転がっているので、そちらを参照した方が絶対に正確な分析になります。
だから、
早い時期には1年分とけば十分です。
私の目安としては、同日体験模試もしくは高2で冠模試を受ければ、それでなんとなく難易度の目処はつくと思います。
具体的に過去問のレベルを参考書や偏差値を基準に知りたい場合はググる方が圧倒的にコスパがいいと考えられます。
過去問の傾向を分析しようと思ったら、10年単位で解かないといけないですし。
基本的にリサーチの意味で過去問を何十年も解くのは反対です。
NG
②過去問主体で勉強する
一般的に、
過去問で実力が伸びることはないです。
過去問はあくまで実力養成を目標とした参考書・問題集ではなく、過去に出題された問題を集めただけです。
そのため収集された問題は試験問題であり、実際に実力を向上させるのに適切な問題を集めているとは限らないのです。
過去問を通じて、実力を発揮する能力を磨くことはできても、基本的に実力そのものを大きく伸ばすことはできません。
間違い直し等により、細かく不足分の知識や考え方を補うことはできます。
しかし、
試験問題の特性上捨て問や学習コスパの悪い問題も収録されているので、「過去問をやり込む」というのは実はコスパが悪いです。
また体系的に知識が整理されているわけでもないので、しっかり必要知識をインプットした後でないとまるで使えません。
たまに難関大学合格者で「過去問だけで受かりました。過去問研究が一番いいです」みたいなことを言っている人がテレビやyoutubeに出てきます。
しかし、
少なくとも私の周囲の人間にはそんな人いません。
そういう人は事前に鉄緑会や進学校の授業などで必要事項のインプットが完了していて、十分な基礎学力がついている人間です。
既に十分に学習した人が最後に、他の人より少し過去問を多くやったことで「過去問だけで」と誇張した表現を使っていると考えるのが自然でしょう。
過去問はあくまで実力を100%発揮する能力を養う場。
決して過去問を教材に実力を伸ばしていこうとは考えないでください。
NG
③間違い直しして終わり
「数学4完できたー」
「過去問で何点だった!」
「リスニング満点!」
とか一回限りの結果は正直どうでもいいです。
点数・正誤にしか関心を持たず、間違い直しだけして終わるのは非常に勿体無い。
過去問演習で大事なことは、その問題が解けるようになることではありません。
どうせ過去問で出た問題はもう出ません。もう一度出るとしても20年30年後に同じ設定で出題されるくらいで、基本的に縁はないです。
もっと広い視野が必要です。
そもそもその得点でいいのか。
その点数だった根本的な原因は何なのか。
失点してしまう理由は単なる学力不足とは限りません。
時間配分のミスなのか、問題を見極め損ねたのか、自分によくあるケアレスミスなのか。
成功も失敗も、その原因・理由をしっかり明確にして、再現性を上げる。
何度も同じ失敗を繰り返さないよう、より詳細な戦略・分析を進めていくことが過去問においては非常に大事になってきます。
ただの問題集のように使ってはもったいないです。
過去問の正しい使い方
過去問の使い方を2種類紹介していきます。
目的に応じて使ってください。
過去問の使い方①
目的 :過去問に入る資格の有無
使い方:
- 時間無制限
- 納得いくまで解く
時間無制限で納得いくまで過去問を解いて、採点してください。この点数が合格者最低点を超えていないことには、どれだけ過去問をやっても合格しません。
そもそも必要な知識が足りていない可能性が高いです。
基本的に、近年の大学入試問題は処理力を問う問題がほとんどで発想・思考力対決となる問題の割合は小さいです。
そのため理論上、
合格に必要な知識量があればあとは時間・ミス・慣れの問題になるはずなんです。
実際は過去問をやる中で頻出の傾向に慣れてきて多少得点力はUPします。でも、それを考慮しても、時間無制限で合格者最低点を超えないのは知識不足。
過去問演習を通じて1割以上点数が上がれば成功した部類に入ります。
「まず過去問に入る資格があるか」
の基準として時間無制限で合格者最低点を超えるか、というものを基準にしてみてください。
過去問の使い方②
目的 :過去問演習
使い方:
- 本番同様に解く
- 採点
反省点:
- 得点は十分か
- 戦略は正しかったか
- 取るべき問題か否か
- 単純な実力不足か否か
- ミスの分析
- etc
などが反省すべき点でしょう。
まずは全体を通した反省から。
合格するのに十分な得点か否か。また戦略は正しかったのかを振り返りましょう。
次に各問題に対して。
正答した問題は、最短ルートだったのか、妥当なルートだったのか、時間的無駄の多いルートだったのか。
正答でもいろいろな形があり、反省点は存在するものです。まずはそこから考えてみましょう。正答しても無駄の多い解き方のせいで時間を浪費し、他の失点の原因になっている場合もあります。
失点した場合は、失点の原因が問題と自分のどちらにあるのか。
問題が捨て問の類なら失点することは必然であり、むしろ解かないという判断をするのが正解になります。それができているのか。
逆に、
問題が取らないといけない問題なら、自分の何に原因があったのか。
実力不足なのか。ケアレスミスなのか。時間不足なのか。
実力不足にも複数あります。必要な知識がそもそも足りていなかったのか。必要な知識はあったが、問題文を見てそれを連想することができなかったのか。
ケアレスミスも本当に偶然のミスなのか。今まで何度も繰り返した形のミスではないのか。見直しで防げたミスではないのか。
時間不足なのは、計算力不足なのか。他の問題に時間をかけすぎたせいなのか。
”完璧”であること以外のすべての原因を追求してください。
そして重要性の高いところから優先的に修正を加えていきます。
過去問演習はそうやって使うものです。
まとめ
では。